不完全な日常 -3ページ目

不完全な日常

音楽、舞台、読書、散歩、放射線

10月25日午前9時、中央自動車道の談合坂SAにはたくさんのオートバイが集まっていた。


紅葉の季節は、ツーリングに一番良い。







談合坂SAを出発して、1時間ちょっとで諏訪湖SAに到着する。


静かな湖面が、見事に晴れ渡った空を映している。







駐車場で、たまたま赤いオートバイばかりが並んだ。


一番奥が、MVアグスタ・ブルターレ。


次はドゥカティの1198だろうか?


手前の2台は、BWM K1300SとF800S。


どれも個性的で、良いオートバイだ。







諏訪湖を出発し、岡谷JCから長野自動車路に入り、塩尻北ICで高速を降りる。


向かうのは、山形村にある「唐沢そば集落 」。


小さな集落に、9軒の蕎麦屋が軒を連ねている。


ぼくたちが入ったのは、集落の一番奥にある「石碾き蕎麦水舎 」という店。







粗挽きそばと天ぷらの盛り合わせを注文した。







天ぷらの盛り合わせは、400円ほど。


イカもエビも輸入物だろうが、この値段なら文句のつけようがない。







たいして期待していなかったのだが、良い蕎麦だった。


海苔が別盛りになっているのも気が利いている。


値段は、1,000円くらいだったろうか。


十分に満足して、店を出た。




山形村から梓川をたどり、安房トンネルを抜け、新穂高温泉に向かう。


目的地は、新穂高ロープウェイ。


満車の表示が出ている第1駐車場を尻目に、山を駆け上がって第2駐車場に向かう。







第2駐車場は、標高1,300メートルほどの高さにある。


周囲の山を見上げると美しく色づいている。


快晴の空がまぶしい。







ここからロープウェイに乗り、標高2,100メートルの展望台に向かう。


ロープウェイの料金は、往復で2,800円と少し高い。


しかし天気が良ければ、その料金を払う価値はある。


標高2,100メートルの展望台からは、日本アルプスの山並みを見渡すことができるからだ。







前穂高、奥穂高、北穂高、南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳・・・笠ヶ岳、錫杖岳と連なっている(らしい)。


ロープウェイは、1分間に120メートルほどの速度で高度を上げる。


乗っているのは僅か7分ほどだが、その間に植物の様相がどんどん変わって行く。


ゴンドラの窓外を眺めるのは、とても楽しい。







展望台から見上げると、空が近い。







展望台がある「西穂高口駅」を拠点にして登山をする人々も少なくないようだ。


夕刻になり、登山者たちが続々と駅に帰って来るようになった。


終発に乗るために、山を降りて来たのだろう。


ぼくたちも再びロープウェイに乗り、宿泊先の白骨温泉に向かった。








宿泊したのは、「泡の湯 」という創業明治45年の老舗旅館。


オートバイを屋根の下に置かせてくれるなど、ホスピタリティは行く届いている。


白濁した源泉掛け流しの露天風呂が、この旅館の売り物だ。


荷物を解いて、早速温泉に浸かり、やがて夕食。







前菜三種とビールの写真を撮ったが、そこから先は写真なし。


すっかり寛いでしまった。


会席仕立てたの夕食(泡の湯会席・信濃コース)は正直に言うと凡庸だが、温泉リゾートの夕食としては十分に合格点に達している。


どれも美味しくいただいた。


地ビール(名前が分からない)も、美味しかった。


部屋に戻ってそのまま寝てしまうほどに、ぼくたちは皆満足していた。


部屋には、夜食用に野沢菜の小さなおにぎりが置かれていた。


(つづく)


金原亭馬治 「棒鱈」


桃月庵白酒 「首ったけ」


柳亭市馬 「片棒」


桂歌丸 「ねずみ」


柳家権太楼 「御神酒徳利」




会場は、有楽町の朝日ホール。


700席ほどがぎっしり埋まっている。


天気の良い日にわざわざ金を払って笑いに来る奇特な方々、だと言われている。





「棒鱈」は、難しい。


田舎侍は、単なるバカなのか、天然なのか。


田舎侍の描き方で、侍に立ち向かう町人のキャラも変わってくる。


実はこの噺を聞いて、面白いと思ったことがない。




白酒は、いつもながらの長マクラ。


まあ、面白いから良いけどね。


市馬の「片棒」、この日の一番でした。




歌丸師匠、足の具合が悪い。


中入り後の幕が開くと、高座に小さく座っている。


「入院以来足腰の具合が悪くて、舞台袖からここまで歩くのに45分かかります」と笑いを誘う。


力の抜けた、良い「ねずみ」だった。




トリは、権太楼。


「御神酒徳利」・・・金馬師匠の油の抜け落ちた噺を越えるものはないと思う。


権太楼の大仰な演じ方が好きな人もいるのだろうけれど、脂ぎった善六さんではこの噺の味わいは薄くなると思う。


善六さんは、自分がウソを言っている後ろめたさとか、人の役に立ちたいという単純な想いを抱えた、根っからの小市民であり善人なのだ。


権太楼の「御神酒徳利」は、ぼくの好みじゃない。




全部で6席をたっぷり味わえる、楽しい落語会でした。

ファジル・サイ(ピアノ)と須川展也(サキソフォン)のデュオ・コンサート。


1,600席の東京オペラシティ・コンサートホールが9割以上埋まっているのだから、ふたりの人気が良く分かる。


ファジル・サイの公演なので、トルコの関係者も少なくない。


顔の知られたサキソフォン・プレーヤの姿も見かける。


ぼくと同じように、このふたりの組み合わせは見逃せない、と思っているのだろう。







[第1部 ファジル・サイ ピアノ・ソロ]


モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番ハ短調K.457


モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番イ長調「トルコ行進曲付き」K.331


[第2部 須川展也(サクソフォン)&ファジル・サイ(ピアノ)]


フランク:ヴァイオリン・ソナタ (サクソフォン版)


ミヨー:スカラムーシュ


ファジル・サイ:組曲~アルト・サクソフォンとピアノのための Op.55




どんな展開になるのか、楽しみなプログラムだ。


ファジル・サイのピアノは、いつもと同じように変幻自在。


ときどき大きな手を空中に遊ばせながら、流れるように弾むように音楽を紡ぎ出す。




第2部は、圧巻だった。


フランクのヴァイオリン・ソナタ。


サイのピアノの音が、柔らかく丸い。


ふわりと宙に音を浮かせる須川のサックスとの追いかけっこは、見事な美しさでちょっとゾクリと来た。


ファジル・サイは、作曲家としても知られている。


アルト・サクソフォンとピアノという楽器のための作品は、今回が初演。


サイらしい異国情緒と優しいメロディ、そしてアクロバティックな緊張感を持つフレーズが散りばめられている。


第3楽章の驚速パッセージでは、サイは真剣に楽譜を読みながら演奏していた。


普段の演奏では見せないそんな姿が、とても新鮮だった。


須川の演奏も猛烈でほとんどフリーのノリだが、ていねいに音を拾っている。


第3楽章が終わった瞬間にワッと拍手がわき起こったのは、まあ当然だろう。


この音楽を聴いているのが、地球上でこのホールだけ。


それは非常に不思議な感じで、音楽が生まれる場所にいることがとても幸せに思えた。


アンコールでは、驚速の第3楽章を再演した上に、サイ作曲のバラードも演奏するオマケつき。




この日の演奏は、12月29日(月)午前6時から、NHK BSプレミアムで放送される予定。


忘れずに録画しなければ。


モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」序曲 K.384


モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467


サイ:交響曲 第1番 「イスタンブール・シンフォニー」


指揮は、飯森範親。







お目当ては、もちろんサイの「イスタンブール・シンフォニー」。


この曲には、トルコの演奏家たちが参加する。




ネイ(葦笛):ブルジュ・カラダー


カーヌーン:セルカン・ハリリ


パーカッション:アイクト・キョセレルリ




3人が、ソリストのように指揮者を囲む。


打楽器の種類も多く、ステージが狭い。




オーシャン・ドラムの波の音で、静かに音楽が始まる。


イスタンブールは、黒海とエーゲ海に挟まれた都市だ。


きっと美しいところなのだろう。


「イスタンブール・シンフォニー」は、7楽章で構成される交響的組曲。


葦笛(尺八に似ている)のテーマが分かりやすい。


全体を通して、NHKの大河ドラマのテーマ曲のような印象。


いわゆる「現代音楽」ではない。


辺境の西洋音楽だ。


トルコの楽器を多用しているがその主張は控えめで、クラシック音楽としては分かりやすい。


情景描写に優れた、良い曲だと思う。


最後は、オーシャン・ドラムの波の音で音楽が終わる。


その余韻の中でイスタンブールへの憧憬を呼び起こされるとしたら、大成功と言えるだろう。


しかし評価と好みは大きく分かれたようだ。


演奏が終わるとさっさと席を立つ人たちが、少なくなかった。


一方では、立ち上がって拍手を送る人もいる。


ピアニストとしてのサイは人気がある。


自作のピアノ曲も人気がある(ぼくも好きだ)。


ところがこのような大作になると、日本の聴衆は厳しいね。

でも、作曲家としての伸びしろは大きいのではないか、とぼくは思う。









尾瀬あきら作「どうらく息子」、第10巻の発売と連載100回突破を記念する落語会。


立川談春が「紺屋高尾」、柳家三三「鰍沢」。


この組み合わせには、かなりの期待が持てる。




最初は、尾瀬あきら氏と談春、三三の鼎談。


三三の監修で随分と絵の描き直しをさせられた、という尾瀬氏の話が印象的だった。


扇子の持ち方が逆だとか、着物の帯の幅が広すぎるとか、前座が楽屋でタタミのヘリを踏んでいるとか、上下(かみしも)の切り方が反対だとか・・・とても細かい指摘が最初の頃は続いたそうだ。


「どうらく息子」に登場する惜春亭銅楽という名前は、尾瀬あきら氏が高校の落研で名乗っていた名前という話にも驚いた。


談春と三三の掛け合いを中心に、爆笑鼎談は気がつけば50分も続いていた。


いったん幕が下がるが、休憩無しに落語に突入。


柳家三三の「鰍沢」。


熱演。体温の上がり下がりまで感じられるようだった。


最後は、サゲに合わせるように軽く流して終わる。


大したもんだね、三三は。




休憩を挟んで、談春の「紺屋高尾」。


今日の「悪い電気屋さん」は、脱線を繰り返す。


「熱演てのは疲れるね、聞いている方も」


「オレもね、昔は落語に対してもっと純情だったんですよ」


「今日はもう三三の話だけで十分でしょう」


勝負に勝ったのは、三三。


でも、拍手を多く集めたのは談春。


「談春さんの紺屋高尾は、昔の話なのか今の話なのか、聞いてて分からなくなるね」


と同行者が言っていた。


なるほど、そのあたりを狙って演じているのだろうね。







「どうらく息子」の中から、「紺屋高尾」と「鰍沢」を収録した小冊子を配布していた。良いお土産だ。


大満足の落語会だった。

東京ジャズ・フェスティバルの2日目。


都合により、本日聞くのは以下の1ステージだけ。


『小曽根真 featuring No Name Horses VS クリスチャン・マクブライド・ビッグバンド』


ふたつのビッグ・バンドが対決するという、異色プログラムだ。




先日「ROAD」という傑作アルバムを発表したばかりの小曽根率いるNo Name Horsesは、まさにいぶし銀の味わい。


日本のビッグバンドの先頭に立っているのは、間違い無く彼らだ。





対するクリスチャン・マクブライド・ビッグバンドの実力は、昨晩モーション・ブルー横浜でしっかりと味わって来た。





ステージの中央には、2台のコンサート・グランドが置かれ、その左右にひな壇が組まれている。


こんなステージは見たことが無い。


まさにこれから、東軍と西軍が相まみえようとする決戦の場。


予定より15分ほど遅れて、各軍の猛者たちが登場した。いずれ劣らぬ一騎当千の強者どもだ。


おのおのの手には、頼みとする光り物が握られている。


挨拶がわりに、両軍が一緒になって軽く一曲。


ボクサーが試合前にグローブを合わせる仕草と同じだ。


挨拶がわりとはいえ、ふたつのビッグ・バンドが同時に押し出す迫力はものすごい。


あれは、対決を前にした鬨の声であったか。


続いて両軍の大将が登場し、にこやかに会場に挨拶をした。


大将同士は、仲が良い。昨晩も、一緒に演奏している。


だが、対決となれば別だ。きっと火花散る演奏が見られるに違いない。




最初に西軍、クリスチャン・マクブライド・ビッグバンドの演奏。


"SHAKE'N BLAKE"、"IN A HURRY"など、彼らのCD「The Good Feeling」収録曲を演奏するのは、前夜と同じだ。


フフフ、そちらの手の内は分かっておるわい、と思ったのだが前夜よりも力強さが増している。


どうやらトランペット・セクションは、昨晩は三味線を引いていたようだ。


今日は東軍と向き合い5,000人の観客を前にして、本気で咆哮している。


トロンボーン・セクションもサックス・セクションも、負けじと咆哮える。


大将のウッド・ベースもぶんぶんばりばり唸りを上げて、全軍を率いて前に出る。


それでもバランスの良さと柔らかな音楽性を失わないのだから、このビッグバンドは素晴らしい。


そんな演奏を、東軍の大将・小曽根は楽しそうに聞いている。余裕だ。


西軍の演奏の後には、もちろん大きな拍手が送られた。


これがジャズだと、誰もが大きく頷くようなファンタスティックな演奏だった。


敵ながら(敵なのか?)まことにあっぱれ、と言うべきか。




続いて、東軍の演奏。


小曽根が立ち上がり、両腕を上げる。


まさに全軍突入の構え。


弾き振り(演奏しながら指揮する)であれば、ベーシストよりもピアニストが有利。


そして始まったのは、「ラプソディー・イン・ブルー」・・・うわぁ、そう来たかあ・・・。


西軍がパワーで押し出すなら、東軍はテクニックで勝負ということか。




この演奏も、実に素晴らしかった。


素晴らしいというだけでは足りない、それ以上の演奏だった。


小曽根がクラシック音楽の仕事を重ねて来たのは、ダテじゃない。


ビッグバンドなのに、オーケストレーションの広がりはもっと大きく感じられる。


オーケストラの演奏を聴くような、豊かな音色と繊細さを感じられる。


ウインド・オーケストラに匹敵する音楽を、僅か15人で作り上げている。

ビッグ・バンドでこんなことができるのか?


その音楽の豊かさと広がりには、圧倒された。


東軍と西軍の対決は、それぞれの旗印を鮮明にした戦いとなった。


まるで俳句VSラップ、京野菜VSアメリカンビーフ、プリウスVSムスタング・・・。


どちらも素晴らしく、味わい深い。ビッグバンドって、いろんなことができるんだなあ。




ふたつのビッグ・バンド対決というアイデアは、3年ほど前からあったそうだ。


それが、東京ジャズ・フェスティバルでようやく現実になった。


確かにひな壇をふたつ並べるようなステージは、そう簡単には実現できないだろう。


クリスチャン・マクブライドが「このままツアーに出たいけれど、金が掛かりすぎるよなあ」と言っていたが、その通りだろう。

そんな夢のステージを実現したふたつのビッグバンドは、まだまだいろいろな可能性があることを見せてくれた。


そしてジャズという音楽の楽しさ・豊かさ・素晴らしさを、たっぷりと味あわせてくれた。




最後に、東西両軍が一緒になって、小曽根の曲を演奏。


開演3時間前に書き上げたばかりという、「Bouncing in Different Two Shoes」。


2度と演奏されることがない、今回このステージだけでの演奏。


生まれた瞬間に消えて行く音楽、その一期一会の楽しみをホール全体で熱く共有している感じがする幸せなコンサートだった。


両軍の猛者たちが肩を組み合って舞台挨拶をし、コンサートは終了した。


ホールにはキャロライン・ケネディ駐日大使が姿を見せていたことも、最後に報告しておこう。




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東京ジャズ・フェスティバルのステージは、以下の日程で放送される予定。


NHK BSプレミアム


10月14日(火) 23:45-25:15


10月21日(火) 23:45-25:15


10月28日(火) 23:45-25:15






クリスチャン・マクブライドは、当代のジャズ・アコースティック・ベーシストの中で、トップのひとりに間違いない。


そのクリスチャン・マクブライドが率いるビッグ・バンドが日本にやって来た。


9月6日、モーション・ブルー・ヨコハマ、2ndステージ。


とても寛いだ雰囲気のステージだが、演奏は半端じゃない。


もちろん腕達者が集められているのだが、無理がない無駄がないムラがない。


どんな演奏をしても、まったく軸がぶれない。


さらりと流した演奏でも、推進力がある。大きな排気量のエンジンを乗せた、アメ車の雰囲気だ。


奇をてらうようなところは一切なく、ジャズの王道を真っ直ぐに進んでいる。


そして音楽の喜びを、メンバーが皆共有している・・・そんな風に感じられた。


良いバンドだ。バランスがすごく良い。




この日は、セカンド・ステージに限って小曽根真が参加した。


昼間、マイク・スターン、ランディ・ブレッカー、小曽根真の演奏を国際フォーラムで聴いてきたばかりだが、小曽根の演奏はこちらの方が確実に楽しそうだった。


「オゾネは大切な友人で、彼と演奏するのはいつも楽しい。それに彼は『ナンデヤネン!』という日本語を教えてくれた恩人だ」とクリスチャン・マクブライド。


「そこで手をフリップするんだろ?」とオゾネが応える。


まあそんな感じで、とても楽しいライブだった。


そして赤煉瓦倉庫からJR桜木町までの道を、楽しく歩いて帰ったのでした。




ジャガジャジスト


上原ひろみ&ミシェル・カミロ


マイク・スターン&ランディ・ブレッカー&小曽根真




こういうプログラムを受け入れる日本のジャズ・ファンは懐が深い。


ぼくは、ミシェル・カミロを除いて、すべてライブを見ている。


ジャガジャジストも上原ひろみも一押しだ。マイク・スターンの音楽も好きだ。


好きなものがいっぺんにお皿の上に並ぶ喜びはあるけれど、取り合わせはどうなんだろうか?



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ジャガジャジストは、急用が生じて聴けなかった。


ロビーで聴いた感じだと、エレクトニック寄りにサウンドを先鋭化させているようだ。


彼らの音楽をライブで聴く数少ないチャンスを逃したのは、とても残念。


今日の演奏は、10月14日(火)にNHK BSプレミアムで見られるらしいので、それを待つことにする。



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ミシェル・カミロ、ライブで聴けて良かった。


CDで聴く印象とは、全く違っていた。


器用なだけのラテン系というのは間違いだった。


テクニックは、抜群。攻めて良し、守って良し。しかも長距離(ピアノ)ヒッター。力強くて繊細。


こういうピアニストは好きだ。


上原ひろみとは9年ぶりのデュオだそうだ。


まあ、ふたりとも良く攻め続けたよね。


それにしても4手のピアノというのは不思議なものだ。


4本の手がからまりあいながら、1つの音楽を作り上げる。


ふたりの息を合わせるだけじゃ、追いつかない。もっと根源的な交わりというか、理解がないとできないような気がする。


山下洋輔&スガダイロー、小曽根真&児玉桃など、4手の面白さを味わう機会が多い1年だったな、今年は。


上原ひろみ&ミシェル・カミロは、大勢の客を湧かせて盛大な拍手を受けていた。



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マイク・スターン、前回ブルーノートで聞いた時よりも全然良い。


少しダイエットしたみたいだ。顔も身体もひとまわり小さくなっている。


音のキレがまるで違う。


ランディ・ブレッカーもサポートに徹している(1曲だけ彼の曲をやった)。


小曽根のハモンド・オルガンがスパイシーで良かった。


マイク・スターンの曲の面白さを味わい直せて、うれしかった。




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東京ジャズ、1日目はこれで終了。


明日もフェスティバルは続く。

指揮 コルネリウス・マイスター


ピアノ アリス=紗良・オット

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番  ハ長調作品15

R.シュトラウス:アルプス交響曲 作品64




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コルネリウス・マイスターは、読響初登場。


ドイツの若き天才と言われている。


24歳で史上最年少の音楽総監督に就任したというのだから大したものだ。


まだ30代なのに、どこか老練さを感じさせる。華やかさと若々しさと老獪さが同居している指揮者。


アリス=紗良・オットの赤いドレスの裾からは、はだしの足が見える。


はだしのピアニストは、美人というよりも可愛らしい感じがする。


ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番、夢見心地にさせてくれる良い演奏だった。


アリス=紗良・オットは、演奏することをとても楽しんでいる。しかもピアノを弾く姿が美しい。


女優がピアニストを演じるように、演奏を見せる術を知っているのだろう。


このピアニストと指揮者の組み合わせは、もっと聞いてみたい。



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後半は、アルプス交響曲。


パイプオルガンを含む大編成オーケストラでの演奏だ。


バックステージのバンダ(ホルン12、トランペット2、トロンボーン2)を合わせると、120人くらいになる。


打楽器も、大太鼓、シンバル、トライアングル、小太鼓、タムタム、カウベル、ウインドマシーン、サンダーシート、グロッケンシュピール、ティンパニ2というバラエティにとんだ楽しい構成。


管楽器奏者は、さまざまな楽器を持ち替えながら演奏する。


フルート4(ピッコロ持替)、オーボエ3(イングリッシュ・ホルン持替)、クラリネット3(バスクラリネット持替)、ファゴット4(コントラファゴット持替)、ホルン8(ワーグナチューバ持ち替え)・・・という具合。


ハープやチェレスタも加わって、ステージが本当に賑やかだ。


そしてステージの上には、パイプオルガンがそびえ立つ。


これだけの楽器と演奏者で、夜明けから日没までのアルプスの光景を描き出す。


ウインドマシーンやサンダーシート、カウベルなどを使って、やたらに効果音を盛り込んでいる印象もある。


大河ドラマのテーマ曲みたいだったと言う女の子がいたが、なるほどそういう感じもする。


演奏するのも力業だと思う。


でも、次々に楽器が入れ替わりながら演奏が続くのは、楽しい。


コルネリウス・マイスターも、よく振り切ったな。


素晴らしかった。


今日も楽しい演奏会だった。


「Blast!」は、マーチング・バンドをテーマにしたステージ・ショーだ。


出演するのは、ブラス(金管)隊、パーカッション隊、カラーガード隊。


カラーガードは旗だけではなく、ライフルやサーベル(刀)もぶんぶん振り回す。


ライフルもサーベルもその形状は抽象化されているのだが、ステージで振り回す姿には微妙な違和感を感じる。


「Blast!」のユニフォームは、シンプルかつミニマルで美しく、武器を持ち歩く権威の象徴としての制服(自衛隊とか警察隊の)とは対極にある。


そのあたりに違和感を感じるのかも知れない。


とはいえ、ステージ用に抽象化してショーアップされたカラーガードの演技は、なかなか見応えがある。




「Blast!」の日本での初演は、2003年だそうだ。


過去に国内で621公演をこなしているというから、その人気ぶりは大したものだ。


2年ぶりとなる今回の日本公演では、全国47都道府県で公演するそうだ。


ツアースケジュールを見ると、宮城→千葉→山梨→石川→福井→兵庫→栃木→神奈川・・・と毎日移動と公演を繰り返しているのだから、すさまじい。


恐らく、あまり大きくないホールもあるのだろう。


国際フォーラムのホールCでも、コンパクトにまとまったステージ・パフォーマンスを見せていた。




それにしても、驚くべきは観客だ。


圧倒的に若い女性が多い。


観客席の7割が、10代20代の女性という感じだ。


しかも、かなりの数のリピーターがいるようだ。








途中の休憩時には、ロビーでパーカスのパフォーマンスが行われ、ロビー階段が臨時の客席になる。


良いポジションを確保するために、前半の終演と同時に駆け出す人々がいる。


最前列を確保するために、プレミアム・チケットを購入する人々もいる。


この人気の秘密はなんだ?


若いイケメンばかりを揃えたステージ、という訳でもない。


チケットだって、安くはない。


確かにダイナミックで楽しいステージだ。パーカスの迫力も素晴らしい。


ブラス隊も確かなテクニックを持っている。


だけどぼくは、リピートしようとは思わない(前半は寝ちゃったし)。


若い女性が押しかけるその秘密を、知りたい。


ぜひ、知りたい。


「Blast!」の魅力を語れる方、ご連絡下さい。




終演後に、近くの居酒屋で喉を潤したのだが、そこはまったくおじさんばかりの世界だった。


あまりの落差に、地獄でビールを飲んでいる気分になった。