▼ジョニーのブログ
わたしはとても不思議な役をいただきました。
舞台上で説明のない不思議な存在だったので
お客様によっても解釈は様々だったろうし
よく分からなかった!って人もいたのではなかろうかと思います。
逆に正解もありません。
ただ、主人公の中にある少女性と少年性が
舞台の上でかたちになった、そんな役で、
私は少年役の子とペアの、少女の役でした。
真っ白の世界の中の青。
先にもかいたように、
主人公の中にあるものを表現したような役なので、
主人公の心が動いたり乱れたりするときに現れます。
「理想の家族」を演じたかと思えば、
暴力的になったり。
かと思えば無邪気になったり。
そして、ことあるごとに、
主人公に何かを問うように見つめるシーンがあります。
理想と現実、
希望やフラッシュバックに
ぐちゃぐちゃになったり、
そんな自分を自分の中の自分が見つめていたり。
抽象的ですが、
観ている人の中に感覚的に刺さるものがあればなと思いました。
答えはなかったので、
わたしの役作りも稽古場でひとつひとつヒントを拾い集めていくようなイメージでした。
思えば前回ブログに書いたアンドロイド役の次にセリフのない役でした(何故かセリフない役の振り返りシリーズに。笑)
でもすごく私のなかで特別な役でした。
稽古場で帆足さんがどこかのシーンの演出をつける際に伝えるイメージの一つ一つがヒントでした。
みんなを、
そして主人公であるアヤセという役を、
ひたすら見ました。
そこで渦巻く感情が役作りの手がかりでした。
楽しそうな海賊のシーンも出れないし、みんなの輪にあんまり入れないのは寂しかったですが(笑)、たくさん見守っていたら何だかすごく愛おしい舞台になりました。
そんな、このサルベーションという舞台自体や、
みんなとの稽古の日々、
そしてその中で自分が行う役作りの時間が、
すごく私にとって神聖なものでした。
舞台袖で、舞台上の台詞をききながら、
最後に撒く小道具の花びら1枚1枚を丁寧に手の中におさめている時間すら、大切なこの“少女”としての時間でした。
主人公アヤセを最後お見送り。
暗闇から光に向かって歩き出せたかな?
タイトルも救済という意味ですが、
人によって何が救済になり、何をもって前に進めるかは違うかもしれないけど。
天動虫の舞台が誰かの小さくてもいいから救いになったらいいなと、
そういう舞台をこれからもつくり続けたいなと思います。