昨年暮れに続いて,三重県に行くことになった。

 

 (昨年暮れについては未執筆のため↑から参照されたい。)

 

 それも「郵便局が廃止になる」とか「乗りたい列車がある」とか「マニアな『ブツ』をゲットしたい」とか「期限の迫ったポイントが……」とかいう「いつものような動機・理由」ではなく,前回も今回も「長男が部活(ボウリング部)で全国大会に出場する」ためである。

 

 

 こうなってくると,最早「ボウリング部の大会」が「いつものような理由」の一つにすらなってくるのだが。

 時期がずれた二つの「全国大会」の会場が,ともに三重県なのだが,これは別に三重県に「高校野球でいうところの『甲子園球場』みたいなボウリング場」がある訳ではない。

 そもそも,ボウリング場ならば「数百円払えばだれでも使える施設」であることがほとんどなので,甲子園球場とはかなり違う次元の話ではある。尤も「ボウリングの甲子園」と称される大会があるのも確かだが(後述)。

 高等学校,またそこで活動する高校生を対象にしたボウリング競技の全国大会としては,3つある。
 夏の「JOCジュニアオリンピックカップ 全国高校ボウリング選手権」,冬の「文部科学大臣杯 全国高等学校対抗ボウリング選手権」,春の「全国高等学校ボウリング選手権」で,夏の「高校選手権」は個人戦,冬の「学校対抗」は「ボウリングの甲子園」とも呼ばれるチーム戦,春の通称「春高ボウリング」は団体戦と個人戦(両者を通算する「個人総合」も)を行う。
 「高校選手権」と「学校対抗」はJBC(全日本ボウリング協会)が主催するが,「春高ボウリング」は全国高体連のボウリング専門部が主催しJBCは「後援」である。

 ここしばらく,「高校選手権」は愛知県の「稲沢グランドボウル」,「学校対抗」は三重県の「津グランドボウル」が会場なのだが,「津グランドボウル」の縮小(レーン数が56から28に半減)に伴い,次年度からは変更になるようだ(京都府だと聞いている)。
 それに対して「春高ボウリング」は,都道府県持ち回りで開催されていて,昨年度は青森県,次年度は大分県らしいのだが,今年度はたまたま三重県に当たっていたため,重なった,という背景らしい。

 

 今年度の「春高ボウリング」の会場は,鈴鹿市にある「鈴鹿グランドボウル(JB公認:123-056)」。


 ちなみに,長男は出場しないが,この「春高ボウリング」の直前に「文部科学大臣杯 全日本ボウリング選手権」(高校生だけでなく全世代が対象で都道府県対抗形式で行われる)が「稲沢グランドボウル」で開催されるので,例年「全日本選手権」と「春高ボウリング」の両方に出場する選手は,そのまま「はしご」するケースが多いらしい。今年度は隣県なのでまだいいが,昨年は愛知から青森へと「大移動」だし,来年も愛知から大分までの移動になりそうだ。

 昨年暮れの「学校対抗」は,3年生の先輩がかなりの上級者なので「連れて行ってもらった」ようなものだが,「春高ボウリング」の出場資格は1・2年生に限られ,現在の部員が長男だけなので「個人」の成績で県予選を突破しなければならなかった。
 それでも,恐らく県内の高校2年男子では「5本の指」に何とか引っ掛かるレベルなので,「団体枠」ではなく「個人枠」の4枠に2位で入り込んだというところ。
 長男よりも上位の選手は,小学生の頃からジュニアクラブなどで活動していたような人ばかり。長男がボウリングを始めたのは中2からなので,高校から始めた選手よりは多少有利だろうか。
 それでも,誰もが知っているスポーツで「全国大会」に出場するという「経験」は,そうそうできるものではない。ボウリング競技が「競技自体の知名度の割にはかなりマイナー」という特殊事情があるのだが,その意味では「高校から始めても『全国大会』レベルが夢じゃない」競技ではある。
 特に女子は,その傾向がもっと顕著な上に,神奈川県などは「過去の実績」と「競技人口」の多さもあるため「割当枠」も多いので,年によっては「誰でも全国大会出場できる」という状況になったりする。割当の多い地域にお住いのJKの保護者の方,是非どうぞ(笑)。

 さて,長男の医療処置の関係もあるし,そもそも筆者自身も「競技ボウラーの端くれ」ではあるから,「ボール運搬係 兼 マネージャー・現場コーチ」として,またまた三重県に行くことになった。
 折角,遠路遥々行くのだから,ついでに「あれやこれや」と,やっておこうと考えてしまう。その中には,筆者自身の「ボウリング場めぐり」も含まれる。

 そもそも「ボウリング」が契機となって三重県に行くのだから,と,ボウリング場の所在も確認してはいるが,桑名市や三重郡,四日市市にあるセンターは,それこそテーリングのついでにも行けるかも,とは考えていた。
 前回は,津市に3軒,松阪市に1軒あるうち,「学校対抗」の会場だったため一般営業を休止していた「津グランドボウル」以外は巡った。
 それ以南は,賢島にあるホテル「賢島宝生苑」内の「アストロボウル」があるが,宿泊しないとハードルが高いので,今回も見送り。ただし,この「アストロボウル」は,全国でも恐らくあと2箇所となっている「絶滅危惧種」な「手書きスコア」であり,設備も「相当にレトロ」であると聞いており,行くなら早目のほうがいいことは承知している。
 今回の遠征先である鈴鹿市にも,会場の「鈴鹿グランドボウル」の他にもう1軒あり,南西方向に進んだ「伊賀国」域の伊賀市に2軒,名張市に1軒あるようだ。

 御存知の方もいると思うが,三重県は「律令国」で言えば「伊勢」「伊賀」「志摩」「紀伊」の4国に分けられる。
 面積が別格に広い北海道や,境界が微妙に異なるためごく一部が含まれるようなケースを除くと,このような「4国以上に分割される」例としては,他に大阪府(摂津・河内・和泉・丹波),兵庫県(摂津・播磨・丹波・但馬・淡路)くらいしかない。
 紀伊国の「本体」は和歌山県で,三重県に属するのはその「一部」だけなのだが,三重県を「代表」するような伊勢国だけではなく,志摩国と伊賀国も全域が三重県になっている。
 大阪府の4国中で,全域が大阪府なのは河内国と和泉国だけで,兵庫県でも但馬国と播磨国,淡路国ということになるから,島でもないのに3国(以上)が丸々包含されている三重県は特殊なケースだと思う。

 

 

 三重県内の「地域区分」的には,「北勢」「中勢」「南勢(伊勢志摩)」「伊賀」「東紀州」の5つに分けることが多い。
 この他に,自動車の「ご当地ナンバー」が複雑に絡んでいる。
 三重県は全域が「(中部運輸局)三重陸運支局」の管轄であるが,デフォルトの「三重」ナンバーの他に「四日市」(四日市市),「鈴鹿」(鈴鹿市・亀山市),「伊勢志摩」(伊勢市・鳥羽市・志摩市・多気郡明和町・度会郡玉城町,度会町,南伊勢町)の「ご当地ナンバー」が設定されている。
 北勢地域の中に「四日市」と「鈴鹿」という2つの「ご当地ナンバー」が存在するが,該当3市以外の北勢地域(桑名市など)は「三重」ナンバー。「伊勢志摩」ナンバーの範囲には南勢(伊勢志摩)とされる地域でも度会郡大紀町は含まれず,逆に中勢とされることの多い多気郡明和町が含まれているなど,ちょっとややこしい。この流れだと「伊賀」あたりはご当地ナンバーが導入されてもいいように思うのだが,ややこしさに更に拍車が掛かってしまいそうな気もする。

 前回(昨年暮れ)は,「中勢」の県都・津が「会場」かつ「宿泊地」だったため,筆者自身の「ボウリング場めぐり」や,郵便局めぐり「100円テーリング」の舞台は,「中勢」の津・松阪両市や多気郡が中心となったが,100円テーリングについては南勢の度会郡にも足を踏み入れた。
 今回は,「北勢」の鈴鹿が「会場」かつ「宿泊地」となるので,当初はこの「北勢」地域での「ボウリング場めぐり」とか100円テーリングを想定していた。

 しかし,大会最終日(2日目)の水曜日が祝日(春分の日)に当たり,部活の遠征としては,大会前日の月曜日に現地入りして「前日練習」するという,月曜から水曜(祝日)までの2泊3日の行程になったことを受け,詳細な計画を立てる際に再検討。
 いずれにしろ,月曜・火曜と連続して休暇を取るのならば,更に1日早く日曜日に出発すれば,大会自体は2日目(祝日)の昼頃には終わるから,自家用車でボールなどを運搬することもできなくはなさそうだ。
 レンタカーを借りるなどすれば同じことだが,このほうが現地での「動き」も取りやすい。
 昨年暮れの「学校対抗」の際には,ボールの運搬は「ゆうパック」で行ったが,現地での「活動」と,帰りのボール発送のために郵便局まで運搬することを考慮して,現地でレンタカーを借りた。自家用車で行けば,これと現地までの往復もまとめられて効率的だろう。

 そうなってくると,何も北勢地域にこだわる必要もないかも知れない。
 名古屋までの距離も近く,また何かの機会に来ることが難しいとは思えない地域なので,今回でなくともいいかも知れない。
 伊賀地域にもボウリング場は複数あるし,その周辺の伊勢・伊賀の山間部は,郵便局的にも「手付かず」だ。
 地図をよく見れば,伊賀地域は京都府や奈良県,滋賀県にも隣接していて,その府県境周辺も当然ながら手付かず。JR関西本線の賀茂駅に近い「山城加茂郵便局(44036)」には訪問しているが,そこまでは「空白地帯」のままなのだ。
 そこで,北勢地域の「郡部」である「三重郡・桑名郡・員弁郡の郵便局と,三重郡や桑名市にあるボウリング場」という組合せを巡るのではなく,この「府県境周辺の郵便局と伊賀地域のボウリング場」という組合せのほうが面白そうだと考え始めた。

 

 

 尤も,現地まで片道500kmを超える距離を,往復とも運転した上で,更に府県境を越えて,となるから,その運転による「負荷」は大きい。
 長男は,部活の顧問と新幹線や近鉄で往復するので,基本的には「一人でただひたすら黙々と運転する」ことになってしまう。

 実際には,これで現地まで行ってみてから,本当に大丈夫そうかどうか検証してから,最終決定することにしよう。