長男(の高校のボウリング部)が「文部科学大臣杯・第30回全国高等学校対抗ボウリング選手権大会」に出場することになった。

 

 

 この大会、ボウリング界では「ボウリングの甲子園」と呼ばれるもので、どんなにマイナーなスポーツであっても(ボウリング自体は決してマイナーではないのだが、競技としてやる人が多くない)、学生時代に「全国大会」に出場するという経験は、なかなか貴重なものだと思う。

 

 実は、長男の通っている高校は、ボウリング業界では「名門」と呼ばれる学校で、これまで何人ものプロボウラーが出ているし、この「全国高等学校対抗選手権」にも、ほぼ例年出場しており、昨年は3位に入賞しているし、過去には男女とも「優勝」したことがある。

 この春、6人(男女各3人)もいた前・3年生が卒業してしまい、2年生になった長男の他には、新・3年生の先輩(男子)が一人だけ、という寂しい状況になっている。それでも、この大会は「2人チーム戦」なので、神奈川県予選を通過しさえすれば出ることが可能だった。

 

 卒業した中に、かなり上手い先輩がいて、今年も出場する新・3年生の先輩と二人がそれぞれ1ゲーム平均220ピン前後を叩き出し続けたのだが、長男はそこまでのレベルではないので(平均170~180くらい)、先輩に「AVG250くらい打ってね」とお願いしないと、決勝トーナメント(上位8校)は難しいだろうから、「参加することに意義がある」精神で挑んでほしい。

 2人チーム戦ではあるが、「補欠」1名が認められている。今年はそんな「人材」すらいないのだが、昨年はもう一人の前・3年生が入っていたので、長男は(予算の都合上)現地にも行っていない。

 

 実は、ボウリングの世界では、神奈川県は強豪とされていて、この大会の「出場枠」も全国で一番多い。東京都ですら5チームなのに、神奈川県からは7チームが出られる。女子に至っては、全国19チーム中、5チームが神奈川県という状況(実は6チームの割り当てだったが「そんなに選手がいない」ということで1チーム「返上」したらしい)。

 男子は全国から56チームが出場しており、これまでの「成績」から考えると、先輩は全国でもかなり上位の実力者とはいえ、「真ん中より上だったらいいかな」という感じ。それこそ「甲子園」で言えば「1回戦突破」が目標みたいなものか。

 

 ちなみに、この後誰も入部してくれないと、来年は「参加資格」さえなくなってしまう。

 また、女子は「かなりの広き門」になっているので、同じ高校に2人以上いれば、基本的に関東大会でも全国大会でも出られるような状況になっている。たまにボウリングをしたら「100点くらいは出るよ」(このレベルなら1年間きちんと練習したらAVG.で160~170くらいにはなるし,時々200以上出るようになるはず)という女子(とその親御さん)、是非!

 なお、長女(双子なので同じく高2)は、(マイボウラーではないけれど)意外にコントロールがいいので、たまに投げるとAVG.110~120くらいは出る。中学校に入るくらいまでは、長女のほうが長男より上手かったのだが、長女は中学校から吹奏楽部に入ってしまったし、長女の高校にはボウリング部などない(すぐ近くの工業高校には、やはり「全国制覇」したこともあるボウリング部があるけど)。

 

 閑話休題。

 この「全国高等学校対抗ボウリング選手権大会」の日程が、12月23日(土)・24日(日)と決定。これまでは金曜日からの3日間にわたって実施されることが多かったのだが、今年は予選1日+決勝半日に短縮したらしい。しかしその結果、第1日の会場入りが朝8時台になるため、当日の出発では間に合わないことになる。

 そのため、前日の22日(金)に出発し、午後に現地練習をして「前泊」する2泊3日の行程になった。22日は「終業式」だが、この場合は「公休」扱いなんだそうだ。

 

 医療処置の関係もあり、ついて行くことにはしていたのだが、平日が1日含まれているので、少し「100円テーリング」を仕込みたい。

 大会の当日は「応援」で終始すると思われるが、そもそも土日なので関係ない。

 しかし前日の「練習」を見ていても仕方ない。選手団には顧問の先生の他に、現役プロボウラーのOBが来てくれているので、筆者などがアドバイスをする必要もないだろう。筆者と長男ではAVG.も大差なく、むしろ長男のほうが上なんじゃなかろうかと思うくらいだし。

 

 ボウリング部の詳細な行程が確定しなかったため、こちらは先に往復の新幹線を確保することにした。

 宿こそ同じホテルを予約したが、四六時中ついて行く必要はない。ボールが大荷物だが、既に「ゆうパック」で会場となるボウリング場に発送済。長男のボールなどは、金曜日の午前中には到着している筈だ。

 

 そうなると、なるべくテーリングに時間を確保したい。

 

 新幹線で西に向かう時のセオリーとして、小田原に停車する「ひかり」を捕まえる、というのがある。

 しかしこれが2時間に1本というレアものなので、小田原発8時07分の「ひかり633」号の一択になる。小田原の次は名古屋まで停まらないので、この区間の走りっぷりは「のぞみ」と遜色なく、しかも「ひかり」なので「のぞみ」よりも特急料金も安い。

 これで名古屋には9時14分に着くので、9時37分発の快速「みえ3」号・鳥羽行に乗れ、大会会場や宿のある津には10時30分に到着する。テーリングには5時間以上を確保できることになる。

 

 なお、最終日は、万一「決勝トーナメント」に残ってしまった場合は、昼過ぎまでかかってしまう。その場合は、ボールの返送やらレンタカーの「延長」やらの可能性が発生するが、(そんな可能性はかなり低いので)そうなったらそうなったで考えることにする。

 ただし、新幹線は名古屋発15時31分発の「ひかり654」号(小田原着16時38分)を確保した。一回なら乗車変更もできるし、名古屋でなら如何様にでも時間を潰せるだろう(流石にボウリング場には行かないと思うが)。

 

 ということで、東海道線で小田原に向かう。

 平日の朝なので、新横浜や品川に向かうよりは、こちらのほうが全然快適だ。

 とは言っても、下り列車も意外に混んではいる。しかし、たまたま現在「JREポイント」400Pで「Suicaグリーン券」に引き換えられるので、大した距離ではないもののグリーン車を奮発。更に楽に移動できた。

 

 朝、少し早く自宅を出たため、朝食を後回しにしてしまっており、小田原で駅弁を調達。ビールでも付けたいところではあるが、本日はこの後、レンタカーでのテーリングなども控えており、コーヒーでお茶を濁す(コーヒーかお茶かどっちやねん)。

 飛行機で言うところの「バルクヘッド」席に当たる一番前の2人掛窓側(E席)を予約していたが、そこそこの乗り具合の割には隣に客はおらず、名古屋までだと途中から乗ってくることもないので、実に快適に移動できた。

 一方で、名古屋からの快速「みえ」は、かなりの混雑。4両編成と短く、指定席の1号車も満席。

 自由席車も通路まで一杯で、指定席を購入しておいて正解だった。

 

 ちなみに、ボウリング部は名古屋と津の間の移動手段を確定していなかったのだが、結局、快速「みえ」に乗ったらしい。

 新横浜10時07分発の「のぞみ65」号で出た筈なので、名古屋着が11時25分。11時37分発の快速「みえ」7号に乗って12時31分に津に到着したと思われるが、名古屋では12分しか接続時間がないので、乗り込んだ時にはやはり満員だったらしい。

 

 津に到着し、まずは予約した駅前の「ホテルグリーンパーク津」へ。

 

 

 スーツケースを預け、代わりに「前日ホテル到着指定」で送っておいた自分のボールバッグ一式を受け取る。これは過日、広島・大阪への「修学旅行」に随行した際にも利用した手段だが、20kgほどもある(飛行機で預けると、上級会員特典とかなければ追加料金を取られるほどである)のに「重い割にはサイズがコンパクト(何せ『120サイズ』に収まってしまう)」なので、2K円もかからず送れ、かなりリーズナブルだと思う。「ゆうパック」をはじめとする宅配便の料金は、基本的に重量ではなく「サイズ」で決まるのだ。

 なお、仮に新幹線に持ち込んで運ぶ場合は、所謂「特大荷物」になってしまいそうにも思うが、実はそうではない。JR東海などのウェブサイトによると「ただし、スポーツ用品・楽器・車いす・ベビーカー等については、そのサイズに関わらず事前のご予約は不要です」とあり、「特大荷物」としなくても可(勿論、特大荷物として専用スペース等を予約することも可)とされている。

 ただし「手回り品」としての規定上「携帯できる荷物でタテ・ヨコ・高さの合計が250cm(かつ最長辺2m)以内で重さ30kg以内のもの2個まで」という縛りもあるので、そこは注意が必要かも知れないが、大抵のボウリングのボールバッグなら、この範疇には収まる筈である(4個入だとヤバいかも。15ポンドボール4個だとそれだけで約27.22kgとなるので、バッグ自体やシューズ・小物を加えると30kgを超えそう)。

 

 この後の予定が確定していないものの、テーリング後に近くのボウリング場を巡ろうとも思っているため、下手をすると戻ってくるのがかなり遅くなりそうだが、ここでスーツケースを預けておけば「ノーショー」扱いにはされまい。一応、もしかすると22時前後になるかも、とは告げておく。

 

 本来ならば、すぐ斜向かいにある筈の「トヨタレンタカー・津駅前営業所」は、改装工事のため、と、100mほど離れた仮店舗で営業しているらしいのでそちらへ。

 11時から丸2日の予定で予約しているのだが、万一「決勝トーナメント」に残ってしまった場合は少し延びてしまうかも知れず、一応「1~2時間延長するかも」とは伝えた。そのくらいなら大丈夫ですよ、とは言われたものの、念のためである。

 

 実は、このレンタカーについても色々なことを考えた。

 

 まずは、この初日のテーリング。

 これは、津到着からその日の夕方まで、絶対に必要である。要するに【最優先・最重要事項】ということだ。

 

 次に、このテーリング後に予定している「ボウリング場めぐり」。

 自分だけならば、最低シューズだけ持ってきて、ハウスボールでも、というスタイルも少し前まではよくやっていた。しかし、このところ「極力、自分のボールも持って行く」形に変化しているし、そもそもこの辺りのボウリング場が、いずれも公共交通機関で行くことが難しい所ばかりなのだ。

 こうなると、テーリングに使用したレンタカーでそのまま回るほうが理に適っているし、であればマイボールを運ぶことも容易である。

 ボールバッグは2個入だが、普通のマイボウラーなら「一投目ボール(ガチなリアクティブウレタン)とスペアボール(端のピン用の曲がらないポリエステル)」という組合せにするところ、筆者の場合は「スイッチボウラー」なので「右投げ用と左投げ用」の2個で終わり。スペアボールを入れる余地がないので、普段から「スペアボールは使わない派」だ。

 レーンコンディションでボールを使い分けるということもできない「ボール1個縛り」になる(普通の人なら「(オイルに)強いボール」と「弱いボール(これにスペアボールを兼ねさせる)」という組合せにもできる)のだが、それすらも諦め、恰も「ドライバー1本で勝負する(バンカーショットどころかパットしてるのさえ見たことない)『プロゴルファー猿』のようなスタイル」で挑戦している。

 

 これらが終わった後に、20時までの営業所にレンタカーを返却するのは難しいと思われるため、金曜日から土曜日にかけての夜間は、レンタカーを借りたままにすることになる。

 

 後は、大会終了後にボールを返送する際、津中央郵便局まで運ばねばならない。

 自宅に送るなら、会場から「着払いの宅配便」で発送することはできるようだが、筆者や長男の場合には、ロッカーのあるボウリング場に送るほうが色々と都合がいい。そうなると「発払い」にする必要があり、宅配便の営業所なりに持ち込まねばならない。

 「ゆうパック」の場合だと、日曜日なので津中央局くらいしか、確実な発送所がないのだ。

 予選で終わった場合にも、終了が土曜日の19時前後になってしまうため、そこからだと間に合わず、日曜日の発送になってしまう。

 なお、場合によってはこの「予選終了後」にも「ボウリング場めぐり」が入る可能性がある。

 従って、土曜から日曜にかけての夜間も、レンタカーが使える状態にしておくことが好ましい。

 

 これらを勘案した場合、24時間以内を2回に分割するという選択肢がないでもないが、48時間連続で借りるほうが(保険などは暦日ごとにかかるため、分割すると2日目が重複する)結局安くなる。

 ただし、宿には駐車場がないらしく「近隣のコインパーキングをご案内します」とある。リサーチしたところ、1泊600円から千円程度でいくつもあるようで、これは「必要経費」となろうか。

 借りたのは「鈴鹿」ナンバーのトヨタ・M700A「パッソ」(2021年式)。走行2万km超だが、車体は綺麗で程度は悪くなさそう。

 

 津駅前からのスタートだと、お手軽なのは津市や松阪市といった「郵便局密集地」を巡るようなコースなのだろうが、徒歩ならともかく、せっかくレンタカーを借りるので、どうせなら駅から近くないエリアを攻めたい。

 

 この辺りの郵便局としては、津駅に近い津駅前、津塔世橋、三重県庁内の各局を1990年3月に訪問しているくらいだ。これは「最長片道切符の旅」の途上だった。この時には亀山でも乗継の合間に途中下車しており、亀山、亀山駅前の2局に寄っている。

 亀山にはその後、2010年2月にも行っており、これは「平成22年2月22日に局番号『22222』の亀山井田川局を訪問」するという、定番?のイベントによるもの。その際、同局に居合わせた「同業者」のレンタカーに便乗させてもらい、亀山本町局にも寄っている。

 あとは1989年5月に、四日市市北部と三重郡川越町あたりで数局巡ったのと、2000年3月に奈良県の「今はなき伝説のオフライン簡易局」として知られる「東の川簡易郵便局」への途上、熊野市や南牟婁郡紀和町(当時・現在は熊野市)の局にも寄り、「東の川」後の「再入力」処理も兼ねて尾鷲局に立ち寄ったりしている。

 

 

 1992年8月に桑名局に寄っているのだが、これはこの年に「国際ボランティア貯金ラリー」に本格参戦したため、所謂「マルチ稼ぎ」のために名古屋方面からの「タッチ&ゴー」的なテーリングをしたためである。

 

 実は、三重県ではこの程度しか訪問履歴がない。

 通算16局だけで、そのうち「郡部」が三重郡川越町と南牟婁郡紀和町(当時)の2局。

 今回の舞台と言える津市でも3局、松阪市はゼロだ。

 そしてその南側には、伊勢市との間に多気郡(明和町・多気町・大台町)と度会郡(玉城町・度会町・南伊勢町・大紀町)が広がっている。2郡合わせるとかなりの局数があるので、流石に完訪は無理だと思うが、今回はこの2郡をメインに据えたい。

 

 そうは言っても、実は津中央局すら未訪なのは気になる。

 三重県ではゆうちょ銀行の直営店が、四日市と松阪にしかない。県庁所在地の津にはないのだ。このような事例は三重県だけである(ただし「中央郵便局」に直営店が入居していない事例は他にも複数ある)。

 また、津中央郵便局については、明後日「ゆうパック」としてボールバッグを発送するために来なければならない。これまでにもこのような理由で「(貯金窓口の)有効時間帯以外に訪問」した郵便局としては、横浜中央、横浜金沢、高崎の各局があるが、いずれもテーリング的には「既訪局」である。ただし厳密には、これら3局はいずれも「直営店入居局」であり、民営化後には「高崎店」だけが未訪(高崎局としては既訪)ではある。

 

 そんなことで、22001:津中央郵便局だけは立ち寄っていくことにする。

 しかし、レンタカー営業所を出発し、国道23号を進んでいくと、郵便局は進行右側。大きな交差点だが、右折レーンがあり局の前には出られるものの、駐車場に入るにはどこかで方向転換しなければならない。

 そして、どうにか駐車場入口に入れるレーンに辿り着いたものの、年末とあって大混雑。なかなか入庫できず、局前で10分ほど待つ羽目になる。

 津中央局は、交差点の「角」に面した中央の入口に向かって左が「郵便」、右が「貯金・保険」と分割された構造になっている。ただし駐車場やATMは「郵便」側にある。

 「貯金・保険」側は、隣接する「三重会館」(三重交通の本社などが入居)と接続するような構造になっているので、待ち時間に御手洗を借りられたのは助かった(御手洗を開放している郵便局はほとんどない)が、貯金窓口も「8人待ち」とかなりの混雑だった。

 駐車場が「ATM利用15分・窓口利用30分」が無料らしいので、30分で終わるかどうか微妙ではある。

 

 番号札を引いてから20分ほどで呼ばれ、何とか無料で出ることはできた。

 しかし、この分では、明後日の「ゆうパック」差出が非常に不安ではある。テーリングならともかく、20kgを超えるボールバッグ2個を持ってくるには、自動車でないと無理だろう。駅前ならともかく、ここまでは駅からだと、手ぶらで歩いたとしても25~30分程度かかると思われる。

 

 何とか津中央局でのミッション「パート1」を終え、再び国道23号を南下し、まずは多気郡明和町方面に向かうことにする。

 

 (つづく)