ウォルター・アイザックソン:著
土方奈美:訳
『レオナルド・ダ・ヴィンチ』上・下巻を読みはじめました
井上靖『天平の甍』が薄い割に、全く読み進められなくて。
やっとこさの読後、しばらく夏目漱石を読み返ししておりました
『天平の甍』が日本の若き僧と唐の寺・修行・旅の壮大な話なのに対して、漱石の本は人間の心の中の表現が多く、大変内向きなので、全く性質が違っていて良い気分転換になります
そんなある日の朝
電車を待っていた駅のホームで、なんの前触れもなく唐突に「あ、ダ・ヴィンチについて知りたいな。」と、思いついたのです
思い立ったが、吉日
電車に乗り込み、すぐさま調べて即購入
ポチッ
読みたい本が見つからなくて困っていたし
よくぞ思いついた、私っ
たまにこんな感じで、見たいものが降って湧いてくることがあるんだよね〜
ダ・ヴィンチ関連の本は数多くありましたが、1番新しく、読みやすそうだったのでこちらに決定
しかし失礼ながらこの著者さんは存じ上げず。
どうやら「スティーブ・ジョブズ」「イーロン・マスク」「アインシュタイン」などの本を書かれている伝記作家さんのようです。
また翻訳者の土方奈美さんも有名らしく、ノンフィクションの翻訳をされている様子。
レビュー・口コミなどで『土方さんだから買ってみた』と言う人が多く『ほぉ、なかなか安心して読める方なんだな』と、信頼して購入しました
やっぱり翻訳が良くないと、読む気失せるからねっ
この本のジャンルは、はて、ノンフィクション・・・と言えるのか
はるか昔の偉人のため[ノン]とは言い難いと思いますが。
ダ・ヴィンチって、ちょっと変わり者で、研究熱心な画家で、医学や発明や科学にも精通しているし、絵はもちろん有名だし、そこそこ知っているつもりでいたけど・・・そういえば、詳しい人となりは知らないなーと
とはいえ、真面目な伝記を読む気にはならないのです。伝記って、何年に何があったという事実はわかるけど、人間的なところがわかりにくいよねっ
私は、今までも歴史上の人物のそういう人間性の部分は、小説的に表現してあるような、夢か現か、フィクションかノンフィクションか、という間の本を読んで来たので、そんな表現の本が読みやすいし覚えやすいのです
この作者さん、ダ・ヴィンチの残した手記 7,200枚全てに目を通しているらしいっ
ダ・ヴィンチの手記って、鏡文字(左右反対)とか、暗号的な文字とか、あと思考があっちへこっちへ飛んでアイデア豊富だった(=飽きっぽい)からメモが途中で終わっている、なんてこともあるような人だし、読むのだけでも難解だと思うんだけど
それを読み解いて、時系列でまとめていること自体が、尊敬
文庫本なのに、随所にカラーで年表や絵や手記が配されています
読みやすそう
過去に紹介した伝記的小説本(ワタクシおすすめ。)↓↓↓
★オスマン帝国で、優美なモスクをいくつも建設した 建築家シナンのお話。
★浮世絵師 葛飾北斎と娘・応為のお話(著者が外国人です。全くそうは思わせない内容の濃さ。)
★画家 ピカソのお話(原田マハさんは画家系の小説多数あり)
★国宝【松林図屏風】を描いた絵師 長谷川等伯の半生。
家督を継ぐはずの息子を早くに亡くすシーンは、何度読んでも辛くなります。
そういえば『天平の甍』も、このジャンルになるのかも
唐に渡った若い僧の成長物語として読むと難解でしたが、鑑真和上の渡日のための歴史冒険小説として読むと、なかなかに趣深い本でした
遣唐使として船で大陸に渡ったり、また日本へ戻ったりするのは、こんなに大変なものかと思い知らされます。
このジャンルの中に『レオナルド・ダ・ヴィンチ』も入るのでしょうか
これから読み進めていくの、楽しみですっ
Amazonの【本の概要】貼り付けておきます
↓↓↓
「あまたあるダ・ヴィンチ本のなかで、これが決定版だ」ーービル・ゲイツ絶賛
ニューヨークタイムズベストセラーリスト 第1位!
世界的ベストセラー『スティーブ・ジョブズ』の評伝作家がダ・ヴィンチの遺した全7200枚の自筆ノートをもとに執筆。その天才性と生涯のすべてを描き切った、空前絶後の決定版。「モナリザ」「最後の晩餐」ーー没後500年、最難関の謎が、遂に解かれる。
【上巻要旨】
「芸術(アート)」と「科学(サイエンス)」を結び「創造性(クリエイティビティ)」を生み出した。科学者であり、軍事顧問であり、舞台演出家だった。光学、幾何学、解剖学などの、点と点を結ぶ芸術家であり人類史上はじめて現れたイノベーターだった。同性愛者であり、美少年の巻き毛の虜となった。
【下巻要旨】
人類の、自然の、宇宙の秘密を、いつも知りたかった。死者の顔の皮膚を切り取り、筋肉を研究したことであのえもいわれぬ「モナリザ」の微笑を生み出した。
「最後の晩餐」で試みたのは、単純な遠近法だけではない。彼の真髄を理解するには「科学」が絶対に必要なのだ。没後500年の歳月を経て、初めて明かされる制作意図。誰も知らなかったダ・ヴィンチのすべてがここに。