今日から、二十四節気「清明」の次候「鴻雁北(こうがんかえる)」(十四候/七十二候)(4/9~4/13)に入りました。
初候の「玄鳥至(つばめ きたる)」では、代表的な「夏鳥」であるツバメが南から渡り鳥として飛来し繁殖期を迎える一方、それとは対照的に、次候の「鴻雁北(こうがんかえる)」では、代表的な「冬鳥」である雁(鴨より大きく白鳥より小さいマガン、カリガネ、ヒシクイなどの水鳥の一群の総称)や白鳥などが、半年にわたる日本での冬越しを終えて、北帰行(ほっきこう)の時季を迎えています。
古人(いにしえびと)も春に飛来するツバメと入れ替わるようにして、日本を離れていく雁の姿に四季の移ろいの心情をうたに詠んでいます。
『つばめ 来る時になりぬと、かりがねは本郷 (くに)思ひつつ、雲隠 (くもがく)り鳴く 』
大伴宿禰家持 (おおとものすくねやかもち)
現代語訳:(つばめ がやってくる 季節 となり、 雁 (かり) が故郷を思って雲 (くも) に隠れて鳴いています。)
『帰る雁にちがふ雲路のつばくらめ こまかにこれや書ける玉章(たまあづさ)』
西行法師(さいぎょうほうし)
現代語訳:(北へ帰る雁と入れ違うように南からやってくるつばめ。雁と比べ小さなつばめの飛ぶ姿が、申し送りのようなあれこれ細かく書いた美しい詩文のようです。)
クロツグミ(オス)
これから本格的な「夏鳥」の渡りのシーズンを迎えます。
大きな池があるお山では、あれほど多くいた「冬鳥」の水鳥の姿も、一部の残留組を残しほとんど見られなくなりました。かわって、林道沿いの奥まった薄暗い林の中に「夏鳥」のクロツグミが確認できました。