麻雀教室の営業
コメント で「ノーレートフリーのみの店だと、風適法の申請をしていないところがありますが、麻雀自体がアウトなら摘発されることになりますか?」という質問をいただきましたので、それについてお答えしたいと思います。
まず、質問における『麻雀自体がアウトなら』という点に関しては、正確には『設備を設けて麻雀を打たせてお金を徴収する』という行為を無許可で行うことが風適法に抵触する場合があるということです。
それから、質問における『ノーレートフリーのみの店』の営業内容が明確にはわからないので、先に風適法の申請をしなくても雀荘的な営業ができる『(カルチャースクールとしての)麻雀教室』について説明したいと思います。(雀荘が開く麻雀教室とはまったくの別物。)
ノーレートフリー雀荘と麻雀教室の明確に違う点は、『カルチャースクールとして麻雀を教えているという体裁が整っている』ということです。(カルチャースクールは行政への申請が必要ない。)
具体的な違いとしては以下のようなものがあります。
・講師が常駐している。
・講師1人に対する生徒数の比率が大きすぎない。
・講師が生徒に直接指導を行う。(指導の一部としての対局がノーレートフリー的な場合がある。)
・貸卓営業を行うことはできない。
・料金体系が「1ゲームいくら」などのノーレートフリー的でない。
ただ、カルチャースクールに関する法律というのは存在しないので、各都道府県の公安委員会の判断によって若干基準が異なる場合もあります。(例えば「常設の麻雀教室は不可」など。)
また、一見するとノーレートフリー雀荘のような見た目・営業内容だが、上記の条件を満たしていることから風適法の申請なしで営業できている麻雀教室というのも実際に存在しています。
それで質問の件に関してですが、「そのお店がどのような営業を行っているのか?(麻雀教室の要件を満たしているか?)」と「その営業内容を公安委員会がどう判断するか?(これは警察の生活安全課に問い合わせできると思います。)」によってアウトかセーフかが決まると思います。
そのお店が単純なノーレートフリー雀荘だった場合は、もしかするとアウトの可能性もあるかもしれません。
まあ、行政への申請が必要ないとはいえ、普通はお店を開く前に警察に相談くらいはしてるはずとは思うんですが…。
これ以上は申し訳ありませんが現段階では何とも言えません。
【追記】
麻雀教室についての話題なので、ついでに『18歳未満の立ち入り』と『深夜営業』についても書いておきたいと思います。
カルチャースクールとしての麻雀教室は風適法の規制を受けません。
ですので、18歳未満が立ち入ることも麻雀を打つことも可能です。(その地域の条例などにより○時以降の立ち入り規制というのはあるが。)
また、深夜営業を行うことも可能ですが、一般的には自主規制で深夜営業はやらないというのが普通なようです。
賭け麻雀の是非5
今回から麻雀(雀荘)に特化して書いていきます。
まずは雀荘の営業に関して、コンプライアンス(法令遵守)という視点から賭博罪と風適法に照らし合わせて問題になりそうな部分を挙げてみます。(風適法に関しては、以前書いたこちら を参照してください。)
・賭博の有無
⇒『一時の娯楽に供する物』の範囲内であれば問題ないが、その明確な基準は存在しない。
⇒ほとんどの雀荘で公然と賭博が行われている。(ノーレートはごく一部でしかないが、明らかに違法な高レートというのもごく一部でしかない。)
⇒麻雀はそのゲームそのものが『射幸心をそそるおそれのある遊技』とみなされているので、ノーレート雀荘でも風適法が適用される。
・セットとフリー
⇒セットの営業は貸卓業であって基本的には違法要素はない。
⇒フリーの営業は(店側の主導による賭け麻雀で)賭博開帳図利とみなされる可能性が非常に高い。
・お金のやり取り(主にフリー)
⇒現金の代わりにチップやカゴをやり取りする場合があるが、むしろ賭博行為を助長しているとみなされる場合がある。
⇒雀荘は顧客に景品を提供することができないと規定されている。(三店方式的なことも不可。)
⇒自動卓の点数精算機能(受け渡し金額やゲーム代を表示)も同様に賭博行為を助長しているとみなされる場合がある。
・場代(ゲーム代)
⇒(自動卓の場合)1人あたり1時間630円以内と規定されている。
⇒フリーのルール・システムによっては、(平均で)これを超えてくる場合がある。
・営業時間
⇒日の出から24時までと規定されている。
⇒看板を下げたりシャッターを閉めるだけで、ほとんどの雀荘で公然と24時以降も営業している。
・宣伝活動
⇒路上等での客引きは禁止されている。
⇒射幸心を煽るような宣伝もしてはならないと規定されている。
⇒レートの表示は(それを暗示するようなものでも)違法。
・その他
⇒18歳未満の入店
⇒騒音
とりあえずこんなところでしょうか。
それでは雀荘のコンプライアンスについて考えていくのですが、ここで条件として(『一時の娯楽に供する物』の基準があいまいであることから)「○○円以上のレートはアウト(○○円以下ならセーフ)」的な部分は除外することにします。
これで『低レートは健全か?』とかいう無駄な議論は必要なくなると思います。(そもそも賭け麻雀の問題の争点はそこではありませんし。)
その上で、雀荘の明確なコンプライアンス違反となる部分は、『フリー営業』『深夜営業』『レート表示』の3つです。
さらに言えば『レート表示』はフリー営業の要件にも当てはまりますので、『フリー営業=賭博開帳図利罪』と『深夜営業=風適法違反』の2つに絞られるということになります。
風適法とダンス規制
雀荘関係の記事を書く為に風適法についても調べてたんですけど、ちょうどタイムリーな話題がありましたのでそれについても書いておきたいと思います。(ほとんど転載の手抜き記事ですけど…。)
そういえば、以前僕が書いた雀荘と風適法についての記事『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 』の中でも風適法とダンスについて少し触れていますので、よろしければこちらもご覧ください。
事の発端としては、2年ほど前から風適法違反でクラブが摘発されて閉店に追い込まれている事に関して、音楽業界の人間の呼びかけにより風適法改正に向けた活動が始まったということです。
詳しくは、『踊ってはいけない!?ダンス規制に反響 』あたりが簡潔でわかりやすいかと思います。
この活動を行っている『レッツダンス署名推進委員会 』の主張を要点だけまとめると、
・ダンスをすることは風俗や環境を乱すものではない。
・ダンスが中学校の必修科目になるというのにそれを規制するのか?
・風営法は終戦直後に売春を防止する為に制定されたもので、現在の実情にはそぐわない。
・憲法が保障する表現の自由に反する。
という感じで、『風適法の規制対象からダンスの要件を削除させよう』という署名活動を発展しているようです。(既に10万人以上の署名を集めているとか。)
ただ、彼らの主張にはいくつかの誤り(勘違い)が存在するようです。
風営法のハテナ 『ダンス規制撤廃運動と風営法のズレ 』やカジノ合法化に関する100の質問 『最近の風俗問題を考えてみる(2) 』などによると、
・風適法はダンス行為を不健全であるとはしていない。
・風適法はダンス自体の規制はしていない。(規制しているのはダンスを伴う営業。)
・風適法はあくまで業界の適正化を目指す法律である。(風営法は既に風適法に改正されている。)
・ダンスを伴う営業にもいくつかの種類があり、その中には年少者の立入規制、住宅街や学校等周辺での営業規制、店内で過剰な行動が起きないように店内の照度規制や見通し規制などが必要なものもある。
という感じで、そもそも『ダンスが規制される』というのが勘違いの始まりで、彼らの主張は筋違いに近いものです。(それまで摘発されてなかったとはいえ、風適法に違反または無届けでクラブを営業していた事実に違いはない。)
おそらく、業界に利害関係がなくて、風適法に関して多少の知識を有する人間なら誰でも(僕程度でも)同じような認識になると思います。(にもかかわらず、そういった活動を行う意図とは?)
ここからは僕の個人的な意見ですけど。
・著名人の名を借りて、感情論で人々を扇動するやり方は(理屈はアレでも)集客力に応じた効果がある。(人が動けば票が動く、票が動けば政治家が動く。)(風適法改正運動がいつの間にか選挙運動に利用されることも?)
・麻雀(雀荘)業界にはとてもやれない芸当ではある。(30年前にやれてれば?)
・今回の『風適法とダンスとクラブ』の関係は『賭博罪と麻雀(賭博)と雀荘』の関係に酷似している。
・風俗営業⇒泡沫的に開店と閉店が繰り返される⇒統括組織が存在しないし自主規制が働きにくい?
・賭博罪も風適法も、賭博の営業や風俗営業を規制するだけでなく、それと無関係な人との間に折り合いをつけるための法律としても存在している。
ざっくり書いてるので僕の認識に誤りがある可能性もありますが、とりあえずこんな感じで。
未来予想図
現在、『賭け麻雀の是非』として賭博関係の記事を書いてるんですが、僕としては「この先こうなって欲しい」というような意図は一切なく、今のところは興味があるので調べてみた知識をそのまま書いているだけです。
ただ、他の方の賭博関係の記述や発言を見聞きしてみて、どうも根本的な部分でのかみ合わなさというのを感じてしまいます。(まあ、僕の場合は何にでもそういう傾向があるけど…。)
業界の外の人は知識不足によって自分の願望を垂れ流しているだけだし、業界の中の人は(商売や人間関係の)しがらみによって現実逃避に終始しているだけでしかありません。
僕としては、今後の(雀荘)業界の取りうる具体的な選択までを提示する予定なんですけど、『その実行はおろか、その選択すら満足にできずに、このまま現状維持という名の緩やかな衰退をたどる』という未来がリアルに想像できてしまいます。
(毎日新聞『マージャン店:店舗激減に追い打ち、健全性に活路も 』より転載)
現在も麻雀人口の減少が叫ばれ続けていますが、麻雀人口の減少自体は既に下げ止まりを見せているように思います。
しかし、それはリアル麻雀からネット麻雀の移行によるもので、雀荘の客という視点で見ればまだ底は見えてない状況です。
それでも、『娯楽の分散』や『ネットの普及による交友の変化』という麻雀のユーザー層の変化もそう遠くないうちに均衡を迎えるはずです。
そうなった時、それでもある程度は雀荘で打ってくれる客もいるから大丈夫なのでしょうか?
賭博に関するリスクもしばらく大人しくしてほとぼりが冷めれば大丈夫なのでしょうか?
(何十年もそのチャンスを逃してきた)雀荘業界の構造改革は必要ないのでしょうか?
これまでの業界の動向から鑑みるに、それに対しては無言の肯定をしているということなのかもしれません。
もしそうでないというのであれば、ぜひ業界関係者からの意見なりコンタクトなりあれば僕としてはうれしいのですが…。(今のところあるのは無視or逆ギレだけ。)
賭け麻雀の是非4
今回は賭博の合法化に必要なものとして『賭博の管理』について書きたいと思います。
賭博には「合法か?そうでないか?」という区別以外にも、その賭博が行われる場が「賭博開帳図利によるものか?そうでないか?」という区別が存在します。
賭博開帳図利とは、読んで字のごとく『賭博場を開帳して利益を図る』ということです。(いわゆる胴元の存在とテラ銭の徴収。)
その賭博の場が賭博開帳図利によるものでない(個人レベルの)場合、『一時の娯楽に供する物』の範囲内であれば逮捕されることはありません。
逆に、その賭博の場が賭博開帳図利によるものであった場合、1円でも賭けていたら逮捕される可能性があります。(正確には『賭博開帳図利の取締りの巻き添えになる』ことがある。)(逮捕後に『一時の娯楽に供する物』の範囲内と認められれば不起訴となる。)
つまり、この賭博開帳図利が『小額の賭博(一時の娯楽に供する物の範囲内)であるはずにもかかわらず逮捕されるリスク』の元凶となっています。
賭博の存在については善悪諸説ありますが、人間の射幸本能を利用したものであることからある程度管理されるべき存在であることは間違いありません。
しかし、賭博の管理というのは、個人レベルに関して行うのは非常に困難であるというのが実情です。
よって、基本的に『賭博をやらせる側(賭博開帳図利)を管理する』ことが賭博の管理ということになります。
また、その管理には『営業』『連携』『利権』の3つがポイントとなります。
【公営ギャンブル】
公営競技(競馬・競輪・競艇・オートレース)と公営くじ(宝くじ・ナンバーズ・ミニロト・ロト6・toto)がある。
・それぞれについて営業の根拠法が存在する。(営業)
・それぞれについて担当の省庁が監督する。(連携)
・売り上げの一部が地域振興やスポーツ振興などに充てられる。(利権)
【パチンコ】
以前書いた『パチンコ業界の仕組み(仮) 』を参照してください。
現時点では合法ではないが、表向きは『賭博ではなく娯楽である』として営業が行われている。
『パチンコ税の導入による合法化』という意見もあるが、法整備の難しさや利権を手放したくないことなどから根強い反対意見もある。
【麻雀】
以前書いた『雀荘業界はお墨付きもらえるのか? 』を参照してください。
麻雀(雀荘)関係については、次回以降で重点的に書いていきます。
【公営カジノ】
現時点でも導入について活発に議論されている。
新しい税収や雇用の創出というメリットがあるが、治安の悪化や他のギャンブル業界の反発、政局の影響などにより今後の動向は不明。
ただ、カジノの種目として、パチンコや麻雀が採用される可能性はほぼないと思われる。(カジノ内で合法のパチンコや麻雀が存在するということは、巷のパチンコや麻雀が明確に違法ということになる。)
【その他の賭博】
・裏カジノ
⇒密かに営業している場合と合法的な営業施設内で賭博をやらせている場合がある。(どちらも違法)
⇒カジノの種目以外にも裏パチンコやマンション麻雀なども。
・ノミ屋
⇒スポーツやゲームなどを自ら開催することなく、その結果で賭博を行わせる私設の投票所。(違法)
⇒海外で言うところの『ブックメーカー』のこと。
・オンラインギャンブル
⇒現時点では「サーバが海外にあるから安全」とも言われている。(まだ法整備が進んでいない)
⇒アメリカでは合法化して税収化しようという動きがある。
