映画『プライド』(ネタバレしまくり)

『プライド
監督 金子修介
脚本 高橋美幸、伊藤秀裕
プロデューサー 坂井洋一、伊藤秀裕
撮影 高間賢治
出演 ステファニー、満島ひかり、渡辺大、及川光博、キムラ緑子、五大路子、ジョン・カビラ、黒川智花、新山千春、高島礼子、由紀さおり、長門裕之
音楽 清水信之
主題歌 ステファニー『Pride?A Part of Me? feat.SRM』
原作 一条ゆかり『プライド』
上映時間 126分
【あらすじ】
名門の三田音大4年生の史緒(ステファニー)の住む豪邸に、ハウスクリーニングのアルバイトで、二流大学である千住音大3年生の萌(満島ひかり)が訪れる。
自分の部屋にグランドピアノがあるほど裕福な史緒は、萌に5万円のオペラのチケットを渡してオペラに出掛けるが、会場で格差を思い知った萌は思わず激しい嫉妬(しっと)を史緒にぶつけてしまう。
境遇も性格も正反対の音大生の女の子同士が、オペラ歌手の夢を目指し互いに切磋琢磨(せっさたくま)していく青春ストーリー。
オペラの世界を本格的に描いた一条ゆかりの同名マンガを基に、『DEATH NOTE デスノート』シリーズの金子修介監督が映像化。
美ぼうと才能に恵まれた史緒を5オクターブの声域を持つ歌手のステファニーが演じ、ライバルの萌を満島ひかりが演じる。
映画史上初めて使用の許可が降りた新国立劇場でのロケーションも見逃せない。(シネマトゥデイ)
【予告編】
一条ゆかりの『プライド』を映画化。
原作の漫画はなんじゃこりゃってなかなかのものでしたが、この映画版も負けてません。
しかし、映画版の方が同じク○でも笑えるところが多いのでましかも。
満島ひかり、高島礼子あたりの演技がうまいせいか、ステファニーの異次元の演技から目が離せません。

原作は14巻ぐらいまであるので、そこまでを1本の映画にするのはさすがに無理なので、史緒くんと萌が留学するところまででまとめています。
オペラ歌手を目指す音大生の緑川萌(満島ひかり)が、アルバイトで訪れた豪邸で、同じく音大でオペラを学ぶ麻見史緒(ステファニー)と出会う。
史緒に誘われて一緒にオペラを見に行くが、方やオペラ歌手の娘、方や貧しい母子家庭育ちの自分。
生まれながらにしての二人差を見せつけられ、激しい嫉妬を覚える。
しかし同じ日、史緒は父から破産を告げられる。
海外留学がつぶれ、夢への道を突然絶たれた史緒は、チャンスを掴むためオペラコンクールに出場。
同じコンクールに出場していた萌から出番直前にかけられた言葉に動揺し、優勝を奪われてしまう。
さらにひったくりにあい路頭に迷っているところを、同じ大学のピアノ科に通う池之端蘭丸(渡辺大)に助けられ、彼の母親が経営する銀座のクラブで歌手として働き始める。
一方、萌はコンクールを主催したレコード会社副社長の神野隆(及川光博)に恋心を抱き、彼に会うために彼が通うクラブでホステスとして働きはじめる。
それぞれ違った目的で同じクラブで働くことに。
しかし、神野は留学と援助を条件に史緒に結婚を申し込んでいた。
ある日、史緒が遅刻し代わりに萌がステージに立つと、その歌声は聴くものを魅了。
それを目にした史緒は自分の歌を磨くため、オペラを続けることを条件に神野と婚約する。
しかし、史緒と萌が客のリクエストでデュエットを行うと、息もピッタリな最高の歌声を披露する。
それを聴いた蘭丸はついに自分のディーヴァを見つけたと興奮し、なんとか二人を説得して3人でユニット“SRM”を結成し、ニューヨークの音楽プロデューサーが参加するコンサートに出場することに。
だが、史緒と神野の婚約を知った萌は、怒りに任せて彼女を殴り飛ばしてしまう。
コンサートには史緒と蘭丸二人で参加することになるが、SRMの出番になると客席で萌が歌い始める。
SRMは大成功をおさめ、史緒と萌はそれぞれ海外へ留学する。
こんな流れです。
ステファニーの異次元の演技の異次元の演技と書きましたが、無表情でただの棒読みなため演技してるのかさえ謎です。
これが世間知らずのお嬢様っぽいといえないこともないのですが、やはり怪演。
終盤からは演技よりも胸とアゴが気になって気になって・・・。
さらに序盤での父役ジョン・カビラとのシーンは抱腹絶倒。
父親役のジョン・カビラは土下座して史緒くんにあやまり、破産を告げるのですが、その土下座が速い。
普通土下座って土下座して頭を下げたままあやまってるところに相手から「そんな・・・もういいから頭をあげて!」みたいに言われてから土下座をやめるものだと思うのですが、ジョン・カビラは違います。
やおら椅子から立ち上がり、土下座し、即座に再び椅子に座りなおして話を再開。
この映画はもしかして・・・と疑い始める瞬間です。
とりあえずジョン・カビラはどげせん
一方の満島ひかりはといえば、演技は頑張っているのに演出で完全に足を引っ張られています。
笑いなしではみられないミッチーを巻き込んでの日本刀シーン。

クラブで初めて歌を披露するときの意味のわからない安っぽいCG。
途中からは完全に昼ドラを見せられている気分に。
まぁ歌のシーンがウリだから歌唱力重視でのキャストだから仕方がないと納得しようとしているところに、吹き替え丸出しのオーディションでのオペラシーン。
歌のシーンを吹き替えでやるならキャストは誰でもよかったんじゃ・・・。
とはいえ、オペラ歌手を目指す二人の物語なのにオペラ歌うのはここだけで、あとはずっとポップソング!
だからこのキャストなんだね!
ラストのSRMの歌のシーンもいきなりミュージカルみたいなノリになって完全においてけぼりだったりで、歌のシーンもほとんど微妙ってゆー・・・。
そんなこんなで30点ぐらい。
女装した蘭丸が完全に男だったりとツッコミどころはまだまだあります。
女装した蘭丸とステファニーの絡みを見てると、どんどんステファニーも女装してる人みたいに見てきたりして・・・。
続編をつくれそうな終わり方でしたけど、続編はたぶんないだろうなぁ・・・。
映画『かずら』(ネタバレしまくり)

『かずら
監督 塚本連平
脚本 福田雄一、石川北二、塚本連平
出演 三村マサカズ、大竹一樹、芦名星、ベンガル、井森美幸、田中要次、正名僕蔵、酒井敏也、載寧龍二、岩松了、保積ペペ、長谷川朝晴、篠山輝信、入来茉里、尾上綾華、足立麻美、安藤玉恵、佐野泰臣、つぶやきシロー、手島優、板野友美、丘みつ子、麿赤兒
音楽 藤岡孝章
主題歌 かりゆし58『雨のち晴れ』
上映時間 94分
【あらすじ】
若ハゲに悩むサラリーマンの森山(三村マサカズ)は、東京への転勤を機に悩みの解決を決意する。
怪しげなカツラ店の主・大和田(大竹一樹)が作ったカツラをかぶり新たな人生をスタートさせるものの、頭上の悩みは尽きない。
大和田との間に奇妙なきずなが育まれていく中、森山は職場に新しく入ってきた同僚の涼子(芦名星)に出会い、恋に落ちるが……。
人気お笑いコンビ、さまぁ~ずが映画初主演を果たした涙と笑いのラブコメディー。
作家・小林信也の実体験に基づいたエッセイを原案に、若ハゲに悩むサラリーマンと怪しげなカツラ売りの二人が、コンプレックスを克服すべく奮闘する。
『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』の塚本連平がメガホンをとり、『大洗にも星はふるなり』の福田雄一が脚本を担当。
ヒロインには『カムイ外伝』の芦名星、そのほかベンガル、田中要次、麿赤兒ら個性派キャストが脇を固める。(シネマトゥデイ)
【予告編】
『板尾創路の脱獄王』を見た勢いで、今度はホリプロ・さまぁ~ず主演の『かずら』を見てみました。
『板尾創路の脱獄王』は期待はずれな感じでしたが、『かずら』の方はたいして期待していなかったおかげか楽しめました。
まぁ映画とゆーよりはかつらあるあるを使ったさまぁ~ずのコントっていった方が近いかと。
作り手の方も高得点をむりして狙わずに、肩の力を抜いて60点ぐらいを目指したって感じでしょうか。
三村の棒読みはさておき、大竹は演技する気がないってゆーか、コントの大竹そのまんま。
だからか三村も大竹との絡みの時はいきいきと。
物語は薄毛に悩んでて何事にも消極的だった森山(三村マサカズ)が、東京への転勤を機にカツラにすることを決意。
カツラ作成事情を調査するうちに時間的にも金銭的にも無理かなーとあきらめかけていたところに飛び込んできた「早い。安い。うまい。あなたのカツラ作ります」の看板。
怪しみながらも訪ねたところにいたのは大和田(大竹一樹)だった。
大和田の作ったカツラを装着し、新たな職場へ移ったが、そこで待っていたのはカツラがばれていないか不安との闘いだった・・・。
ここから牧田涼子(芦名星)と出会い、恋をするけれど立ちふさがるカツラの敵。
日常生活に潜むカツラの敵をカツラ仲間たちのカツラあるあるで紹介しつつ、大和田との特訓&サポートでのりきっていきます。
この後、カツラが気になって一歩踏み出せない森山に不安になった涼子は思い切って森山を温泉に誘うも、カツラーには地獄の温泉旅行。
父親が体調悪くて見舞いに実家にかえらないと・・・と断ると、私も一緒にいきます!といわれ二人で実家にいくことになり、ハゲがばれないように家族にもカツラをさせて誤魔化そうとするも家族に説得されカミングアウトすることに。
「頭に・・・(毛が)ないんだ・・・」との森山の告白をうけ、泣きながら実家を去る涼子。
なんでハゲに産んだんだよ!と落ち込み親を責める森山に、突然現れた大和田が涼子は「頭に・・・(結婚する気が)ないんだと」勘違いしたんだと気付かせる。
駅までおいかけてプロポーズしてめでたしめでたし。
カツラのことは初めて会った時から知ってたってまぁ予想通りのオチでおわり。
カツラをバカにしてるわけでもなく、カツラをカミングアウトしろといってるわけでもなく、人とのつながりってそんな悪いもんじゃないよと言ってるだけです。
このラストはけっこう好きです。

他にもカツラ作成過程の「ピザみたい」とか、大和田に相談にくてると他のお客さんに「ちょっと待っててね。今、カツラの人がきてるから」って言っちゃうところとか、カツラあるある空港編とか笑いどころは満載でした。
欠点もいろいろありますけど、そんなところよりも好きなところが勝ってしまう映画でした。
そんなこんなで65点ぐらい。
吉本も真面目な映画作ろうとせずに、笑える映画を作ればいいのに。
ちなみに関西でカツラネタと言えばこの人。
ポッドキャスティングで数々のカツラネタを披露しています。
個人的には関空レポート事件が好き。
映画『板尾創路の脱獄王』(ネタバレしまくり)

『板尾創路の脱獄王
監督 板尾創路
脚本 増本庄一郎、板尾創路、山口雄大
出演者 板尾創路、國村隼、オール巨人、阿藤快、榎木兵衛、笑福亭松之助、石坂浩二、ぼんちおさむ、千原せいじ、宮迫博之、木村祐一他
音楽 めいなCo.
上映時間 94分
【あらすじ】
昭和初期の信州第二刑務所。
そこに、拘置所を2度も脱走したいわくつきの囚人、鈴木雅之(板尾創路)が移送されてくる。
簡単には脱獄できないはずの信州第二刑務所を、鈴木は1時間もたたないうちに脱獄。
その後、刑務所近くの線路沿いで身柄を取り押さえられた鈴木だったが、看守長の金村(國村隼)はそんな彼に興味を持ち始める。
シュールかつ洗練された笑いのセンスで熱狂的ファンを生むばかりか、さまざまな分野のクリエイターたちから熱い支持を受ける奇才・板尾創路の監督作。
『空気人形』の熱演も記憶に新しい彼が自ら主演も務め、何度も脱獄を繰り返す男と、彼を見つめ続ける看守の心の交流を描く。
主人公を追う看守を演じているのは、日本映画界の名優・國村隼。
そのほか人気芸人たちが友情出演を果たしているのも見逃せない。
観る者全員の予想を覆すラストにも注目だ。(シネマトゥデイ)
【予告編】
ごっつ世代で、ガキの使い・ケータイ大喜利好きなのでずっと気になってたので、DVDで観ました。
結果からいえば、ラストのオチが好きか嫌いかで評価が分かれる感じですかねー。
と言っても、ラストのオチのために延々90分ほど同じようなことが続くんでオチが気に入ったところでどうなるもんでもない気もしますが。
板尾創路演じる鈴木雅之が脱獄を繰り返してはあっさりとつかまり、看守たちにぼっこぼこにされるも、再び脱獄を繰り返す。
「鈴木はなぜ脱獄をくりかえすのか?そもそもなぜ脱獄したのに簡単につかまるのか?」
この疑問だけで引っ張り続けます。
予告編とか見て勝手に想像していたのは、脱獄自体が目的で脱獄のアイデアとか技とか看守たちとの知恵比べ的な感じでひっぱりと思ってたのですが、肝心の脱獄シーンはあんまり描かれません。
脱獄の方法も、関節外してとか血でさびさせてとか特に目新しいものもなく・・・( ´・ω・)
なので、本当に「脱獄した― → 捕まったー → ぼこられたー → 脱獄した―」の繰り返しなので、正直飽きる。
んで、鈴木の目的ってゆーのが、究極の刑務所である監獄島に収監され、そこにいる自分の父親をみつけて脱獄させること。
そのために無銭飲食で捕まっただけだったのを、脱獄を繰り返すことで罪を重くし監獄島にいこうとしていたわけです。
そして、間違えて別人と監獄島からハングライダーで脱出して、國村隼が渋い声で「鈴木、間違えてるぞ」とつぶやくとゆーかつっこんでおしまい。
そんなこんなで40点ぐらい。
ライトをよけまくるとことか、タイトル2回やるとか好きなとこもあったけど、テレビとかコントでやれよ感はいなめない。
大日本人のときも思った気がする・・・。