長期予測 part.2 (恐慌問題を含む) |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
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 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

※注 以下の予測はホロスコープ・チャートから解読した、ある傾向に過ぎません。あくまでも占星学上の研究による「予測」であり、世間で言われる意味合いでの「予言」「予知」といったものではありません。すべては占星学上の法則と過去の統計に拠っています。
12星座と各感受点(星)の位置や角度には意味があると考えるのが占星学ですが、それらと世の中に起きる出来事との間の因果関係は未だ科学的には立証されておらず(未来においては立証される日も来るとは思いますが)、現代の科学合理主義的な考え方では非科学的なものです。
また予測の中心は、やはり災害や事故、事件といったものが中心になりがちです(希望となるものも書くようにはしておりますが)。これは皆さんに注意を促す目的が一つ、もう一つは悲惨なことも多い世界の現実から目を背けず、なんとか良い方向へ変わって欲しいという願いを込めてのことです。いたずらに皆さんを不安に陥れるためのものではありませんし、未来は決して決まっているものでもありません。
この点については、過去記事の<腐った林檎><千の果実こそエデン><意志こそが運命を変える><灯火を掲げて>などをご参照下さい。
未来は決まっていませんし、意志の力で変えることができます。そして個人の意志は、全体に対しても決して無力ではありません。
ただ、どのような意図で書かれたものであれ、悪いことはいっさい聞きたくない、聞くと本当にそうなってしまうような気がする、という方は、お読みにならないで下さい。この点については、強くお願い申し上げます。
上記の点について、ご了承頂いた方のみ、お読み下さい。



青木泉さんの疑問にお答えする形で、この記事を書いています。
世界恐慌などの大規模な経済や金融に関わる星の配置やハードアスペクトがあるのだろうか、というお話でした。これについて私はまずお礼を申さねばなりません。
というのは、いつも申しておりますように、私は占星術としては発展途上です。このブログで占星術予測を行うときに使い手法を、マンディーンやホラリーというのですが、過去、私はこれらをあまり重視してきませんでした。もっぱら個人の鑑定を主眼にやってきたので。
しかし、昨年から本格的にこれを研究する必要があると思うに至り、自身の修練のためにも予測という形でブログにUPして参りました。未熟ゆえに外した予測を出すこともありますし、また研究不足のために知識として抜け落ちている部分もあるのです。
経済や金融に関するものも、たしかにこの一つでした。私の興味は主に地震などの災害、あとは戦争や紛争、テロといった事件に向けられていたので。
けれど、過去の歴史を振り返ってみると、戦争も経済原理の中で引き起こされる側面があることが分かります。そうすると次なる戦争への布石として、経済破綻や恐慌などが起きるということもあり得るわけです。また事実、そうでした。
今回、まだ十分ではありませんが、過去の世界恐慌のマンディーンやホラリーについて調べていくと、歴史は生き物である、そしてすべてがつながっているのだという実感を強く持ちました。

さて、理論的に詰めていくとすれば、世界恐慌といったものを引き起こす星はあるのか? という問いに関しては、次のようなことが考えられます。
まず金融などに関する星は金星です。これは<10月の占星術予測>でも、この月はお金、経済に関することがメインだということで予測を出していますが(今の世の中を見て頂くと、予測が現実化していることは言うまでもないと思います。あの予測を出した時点では、ここまでの事態は想像も付きませんでした)、まさにこの金星に関する解読からきています。
しかし、金星の作用というのは、どちらかと言えば短期的なものです。より長期的な作用、全体的な傾向を見ていくときは、土星に注目しなければなりません。なぜなら、土星は現実世界のあらゆる側面で、試練や抑圧、削減、減少、衰退といったものをもたらし、過去の大戦や経済危機を引き起こしてきたことで知られているからです。
そして、さらに現在の経済システムなどを見ていると、海王星も絶対に無縁ではないと考えます。海王星は漠然とした不明瞭なものの象徴で、インターネットなどの様々な情報通信で形成される現代の経済構造を裏側から支配していると思われます。また海王星には、「不安定」「不安」という意味もあります。恐慌という事態は、結局のところ経済に安定感が感じられない投資家たちの心の問題、不安感から生じる出来事だとも言えます。
また暴落、急落といった出来事には、暴走作用のある火星やアクシデントの天王星も絡みそうです。
しかし、強いて限定的に「主犯」を定めるなら、その元凶は土星にあると考えて良さそうです。

さて、私は今回、1929年10月24日、ウォール街で株価が大暴落したことに端を発する、大恐慌、世界恐慌について調べてみました。
そして、今回の事態との、ある共通項に気づきました。
<10月の占星術予測と長期予測>を参照下さい。ここに私は、土星と天王星のハードアスペクトが、今年から来年にかけて強力に作用することを述べています。
じつはこの解読は、まだ十分に行っていません。まだ書くべきことはあったのですが、来年の予測に含めた方が良いかという判断もあり、すべては書かなかったのです。というのは、過去、この二つの星の関連が生じたときに、重大な事件や戦争が起きているからです。
しかし、現実がここまで進行している今、はっきり書いておいた方が良いでしょう。私たちはそれに備える必要があるからです。

たとえば1941年のこの星の合の年、太平洋戦争が始まっています。もちろん、ヨーロッパでは第二次大戦ですでに死闘が繰り広げられていました。要するにこの41年が、まさに世界中に戦火が拡大した、もっともひどい年だったと言うことができます。
土星と天王星のハードアスペクトが誤差なしで生じる年。
これが長い目で見たときには一つの目安になるように思います。

その前は?
じつは1931年なのです。その年は29年から始まった株価暴落以降、もっとも被害が甚大になった年で、オーストリアの大銀行クレジットアンシュタルトの破綻など、世界恐慌の本格的な始まりの年であるとされています。
世界恐慌時の各国の工業生産推移を見てみても、31、32、33年が最悪です。
また産業革命後、工業国では10年程度のサイクルで恐慌が起こっているのですが、おそらくこの背景にも土星・天王星のタッグが潜んでいると思われます。なぜか? この二つの星が強いハードアスペクトを起こすのが、約10年の周期だからです。
これら過去のデータは、ちょっと今は、すべては調べ切れません(申し訳ありません)。

土星・天王星の組み合わせは、それまでの古い体質や体制から、一枚脱皮するといった質があります。10年ひと昔、とよく言いますが、世代的なギャップもこうして生み出されると考えられます。たしかにそこで時代には一区切りつけられてしまっているのですから。

ところで、土星・天王星が誤差ゼロになる年が、その前後の一定期間のいわゆる「最悪の時」だというのは、どういうことでしょうか? その何年も前から、その星は作用しているのか? 
いえ、占星術にはオーブ(許容角)というのがありますが、世界恐慌の発端の年にはまだ作用していませんでした。
この点については、こう考えるべきだと思います。

人間でもたとえばひどく健康を害すれば、入院して手術というようなこともあります。
このもっともひどい時期、発病と闘病、手術などの時期が、この場合の土星・天王星のハードアスペクト誤差ゼロとお考え頂いたらいいでしょう。
しかし、病気になるには原因があります。毎日暴飲暴食すれば、未来の時点においての「成人病」という現実は、そのアスペクトが発生する以前から、せっせと実現に向けて力を注がれていたわけです。
つまり、非常に強力なアスペクトが設定されているとき、そこへ向けて引き寄せられるという効果が、アスペクト効果が発生する以前からあると考えられるのです。これを「未来は決まっている」と短絡しないで下さい。詰まるところ、未来は日々、我々が徐々に創造しているということなのです。
行いを変えれば、未来は変わる。
これは当然です。

では今年、来年はどうなのか?
すみません。時間がなくなってきたので、この続きはまた明日。