※注 以下の予測はホロスコープ・チャートから解読した、ある傾向に過ぎません。あくまでも占星学上の研究による「予測」であり、世間で言われる意味合いでの「予言」「予知」といったものではありません。すべては占星学上の法則と過去の統計に拠っています。
12星座と各感受点(星)の位置や角度には意味があると考えるのが占星学ですが、それらと世の中に起きる出来事との間の因果関係は未だ科学的には立証されておらず(未来においては立証される日も来るとは思いますが)、現代の科学合理主義的な考え方では非科学的なものです。
また予測の中心は、やはり災害や事故、事件といったものが中心になりがちです(希望となるものも書くようにはしておりますが)。これは皆さんに注意を促す目的が一つ、もう一つは悲惨なことも多い世界の現実から目を背けず、なんとか良い方向へ変わって欲しいという願いを込めてのことです。いたずらに皆さんを不安に陥れるためのものではありませんし、未来は決して決まっているものでもありません。
この点については、過去記事の<腐った林檎><千の果実こそエデン><意志こそが運命を変える><灯火を掲げて>などをご参照下さい。
未来は決まっていませんし、意志の力で変えることができます。そして個人の意志は、全体に対しても決して無力ではありません。
ただ、どのような意図で書かれたものであれ、悪いことはいっさい聞きたくない、聞くと本当にそうなってしまうような気がする、という方は、お読みにならないで下さい。この点については、強くお願い申し上げます。
上記の点について、ご了承頂いた方のみ、お読み下さい。
<長期予測 part.2>の続編です。
約10年の周期でハードアスペクトを結ぶ土星と天王星。
そして過去、このハードアスペクトの下で戦争や恐慌が起こってきた。
ということを知ったら、「さあ、大変だ。だって今年、来年、このハードアスペクトが強力なんだろ? どうしたらいい?」と思われるかも知れません。
しかし、まず冷静に考えてみて下さい。10年に一度ということは、人類は今までに数え切れないほど、これを経験してきているということを。
<2012年の真相(個人的見解ですが)>の中で、私は冥王星と天王星とのハードアスペクトについて述べています。
この組み合わせは、人類や世界の根底的な刷新をもたらそうとします。周期も34、5年に一度という長いものです。
これに比べると、可愛いものといったら語弊があるかも知れませんが、大ばっぱなみかたをするとそうです。
こう想像してみて下さい。
土星・天王星の組み合わせは世代を分ける原動力になっていると、前記事で書きましたが、たとえばプロ野球球団でいえば、その球団内での選手の世代交代、新旧交代みたいな出来事が、土星・天王星です。あるいは監督の入れ替えとか。しかし、冥王星・天王星の組み合わせになると、球団そのものの身売りとか新球団設立とかリーグの改編とか、大きな話になってしまうというわけです。
だから、土星・天王星でそう慌てる必要はありません。ただ――
「10年に一度で発生するアスペクトなら、これでかならず恐慌が起こるという保障もないわけだな? じゃ、安心していいんだな?」
こう問われると、実は「うーん」と唸らざるを得ません。
なぜか?
じつは1929年からスタートした恐慌と、今回のケースには符合したもう一つの要素があるからです。
それは何か?
こういった経済とか金融とか、きわめて現実的な問題を考えるときには、占星術ももう少し現実的なアプローチをする必要があります。
それは現在の経済を牛耳っているのはどこか、世界の金融にもっとも大きな影響を与えるのはどこか、という問題です。
いうまでもなく、アメリカですね。
このアメリカのコンディションについて、占星学的に考えてみる必要があるのです。とくに恐慌が起きる前夜の状態です。
そしてそれを調べたときに浮かび上がってくるのは、1929年のケースでも今回のケースでも、アメリカの財政・金融に大きなアクシデントや試練が起きることなのです。これについては<2008年後半期の占星術予測>に、はっきりとそのような状態であることは書いております。
つまり、「10年に一度の土星・天王星のハードアスペクト」+「アメリカの経済危機運気」の二つの条件が整ったとき、恐慌という事態が引き越されるのだと考えられます。
今回、ざっとですが、調べてみたところ、前回の土星・天王星のハードアスペクトが発生したのは、1998年~99年にかけてなのですが、この頃のアメリカの経済は危機的状況が示されておりませんでした(多少の問題点は示される場合も確認できましたが)。
しかし、前々回の状態を調べると、明らかに法則性のようなものが浮かび上がってきて驚かされます。
前々回は1987年~1988年上記の二つの条件が満たされていたとき(厳密には若干、救いの要素が入っているのですが)、ブラックマンデー(87年10月19日)が起きているのです。
このときは29年の大恐慌以上の下げ率を記録し、慌てたG7各国は協議を行い、「これ以上のドル下落を望まない」との共同声明を同時に発表、事態の沈静化に努めました。
今ちょうどG7が同様な協議を行い、「公的資金の活用」を明記した声明を発表しましたが、まったく同じような流れだと思います。
個人的にはこれで1987、88年と同様なプロセス辿るだろうと予測します。
ただ、完全回復には当然、しばらく時間がかかります。ハードアスペクト自体は、まだ元気が良い状態なので。
過去の世界恐慌のときと異なるのは、世界が経済原理というものへの理解を深め、様々な対応策を用意しているということです。交通事故にあったときの保険が用意されているということですね。しかし、昔はろくな保険もなく、最悪の事態に進むのを手をこまねいて見ているしかなかったのではないでしょうか。
ただ、来年の日本のことを考えると、経済・金融はまったく楽観できません。
この点については、また別な機会に譲りたいと思いますが、とりあえず恐慌や金融危機に関わる占星学的な考察には一区切り付けたいと思います。