灯火を掲げて |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

<意志こそが運命を変える>の続編です。

かず(ママ)さん、ありがとうございます。そのように考えて頂けると、嬉しいです。

でも。
前回の記事を読まれた方の中には、こんなふうに思われた方も多いと思います。
「協調が大事だっていうのは分かるけど、そうはいっても相手があることだからな。こっちが協調しようと思っても、相手がまったくその気がないんじゃ、どうにもならないよ」
はい。まったくその通りです。
人にはそれぞれ置かれた環境があり、その中にはどうしようもない相手というのがあります。
こちらが良いことを言っても耳を貸さず、正論を吐けば逆ギレし、一方的に自分の意見だけを押しつけてくるような相手。あるいはいくら好意を示しても無視する相手。

重々承知しております。私もそんな人間とまったく接触がないわけではありませんし、ホテル業界など、接客業ですから、さぞかし人格的にも穏やかな人間が多いんだろうなと思ったら大間違い。実際には普通以上に感情的になる人間が多いと、私は感じます(占星術的にはそれは理由があるんですが、まあ、それは今回の本論ではありません)。
そのような相手に対してどう対処したらいいのか。これもまた、ここで論述していると遠回りになってしまうので、別な機会に譲りたいと思います。

私が「協調」の重要性と、それを意識して行う人の意志が重要だというのは、そのことによって大局的な運命さえ変え得ると考えたからです。
個人の努力や意志が、世界の大きな運命の前にはまったく無力で、何をやっても同じだというのなら、私は今後、未来予測などいっさいしない方が良いからです。
そうですよね?
変えられないのなら、予測など出すな、という話です。結果は同じなんですから。

しかし、そうでないよ。個人の意志は世界をやがては変えることさえできるよ、ということを皆さんに示し、そして私自身に納得させる必要がありました。この光を灯さずして、先へ進んだら私は世間を騒がせているエセ予言者となんら変わりがなくなってしまいます。
この光があれば、少なくともこれまでの記事を読んで下さった皆さんは、いくらか暗い未来が提示されても、「いや、それでも変えられるんだ」と思い直すことができます。

そのためのプロセスでした。
大きな世界的な潮流の中で、私たちはただ翻弄されて生きるのでしょうか? それとも自分なりに船を漕いで、少しはましなルートを選択できるのでしょうか?
大地震、戦争、テロ、地球温暖化がもたらす異常気象の数々、2012年問題。
そんな漠然とした不安の中で、私たちは具体的にはどうすればよいのでしょうか? 今身の回りにいる愛する人達ともっと一緒にいたい。この地上で生きていたい。そのためにはどうすれば――?
そのより具体的な答えがこれです。
意識的に生きて下さい。そしてそばにいる人、心をわずかでも通わせ合える人からでいいのです、相手の存在を認め、許し、愛して下さい。協調して下さい。
そして今そばにいる人と、もっともっと幸せになって下さい。
そうやってあなたが、自分自身と自分の身の回りの幸せを少しずつ増やしていくこと、それが未来を良い方向へ変えるはずです。長い目で見たら、それは絶対間違いのないことだということが分かるはずです。
あなたが、あなたのたとえば夫や子供との関係をより良いものにすれば、そこに幸せな家庭環境というものが生まれ、あなたの子供はより良い家庭運を持って大人になり、やがて自分も同様な家庭を作りやすくなります。この話は前にしました。
両親が喧嘩ばかりして、いつも不仲で、お父さんは浮気をする、お母さんは自分勝手ばかりするといった家庭環境で育った子は、男女の間柄にも夢が持てず、夫婦というものにも不信を抱き、男と女なんて所詮、身体だけの関係だと思い、自分の肉体の尊厳も軽んじるようになる。結果的に女の子は処女喪失が早く、やがては援助交際などにもつながっていく。男の子は女性をモノ扱いし、最悪の場合、自分の欲求を解消するためには乱暴なことも平気で行うようになる。
しかし、両親が仲むつまじいと、子供は夫婦っていいものだ、男と女の関係には素晴らしいところがあると感じ、自分をも大事にするようになる(やがて出会うであろう自分の愛する人の為に)。
そんな記事を前に書きました。これは私の考えではなく、統計に基づいた情報です(ラジオで聞いただけなので、どこの情報か忘れましたが)。

私たちは自分と、自分に関わる人との関係を大事にし、そこに協調を作り出していくことは、やがては世の中を良くしていくし、次世代になるとさらにその幸せは増殖すると考えられます。
今はそういう意味では、精神面で最低の世の中かも知れませんが、そうやって少しずつ変えていけばいいのだと思います。

また誰であろうと、なんとしてでも協調、みたいに思い詰めないで下さい。
今まさに自爆しようとしているテロリストに、「協調」なんて言っても無意味です。そんなことより、早く現場から逃げなさい、というのが正解だと思います。
幼児を裸にして殺してしまえる犯罪者と、殺された子の親に協調しろ、なんていうのもナンセンスです。そんな情の抜けた理想論が言える人間は、すでに協調など難しいかも知れません。

だから、できる人との間でやっていけばいいのではないでしょうか?
まずはうまく行ってなかった自分の親、とか、最近はちょっと気持ちが冷めてしまったような気がしていた夫、とか、叱りつけてばかりだった子供、とか、あんまり好きでなかった近所の誰かさん、とか。

これは未来を覗くときの灯火です。
私たちは自分たちの未来がどうなるか、考えることがあります。
十年後、二十年後。
どうなっているでしょうか。それを思うとき、あなたの身の回りに協調の関係が一つでも二つでも多くあるとき、あなたはごく自然と良いビジョンを抱けるのではないでしょうか?

私も未来を覗くとき、この灯火をかならず掲げて行くことにします。