顧客から「聞く」だけでは差別化できない
これまでの記事で、
などの記事を書きました。いずれも必須事項ですが、
本当に顧客のニーズを捉え、差別化した提案をしていこうとすれば、
実は、「聞く」だけでは足りません。
あなたがもし機械メーカーであれば、顧客の施設課などの担当者と話をして仕様を打ち合わ
せるだけではダメ。
顧客の製造現場に入らせてもらい、既存設備の稼働状況を自分の目でチェックする、
その機械のオペレーターさんの話を伺う、作業の実際の動作を観察する。
そういう現場に入り込んだ情報の取り方もしなければなりません。
なぜそれが必要か?
事務所で、担当者から話を聞くだけでは、
競合他社も、同じ情報に基づいて提案を考えるから、差別化が難しい
ここに尽きます。
でもこの話をクライアントですると、「いまどき、工場はセキュリティが厳しくて入れてくれませんよ」
などというエクスキューズが入ることがあります。でも
「実際に、これこれこういう目的で、入れてくださいと頼んだことがありますか?」
というと、ほぼ黙ります^^
「万一ダメでも、オペレーターさんに事務所で話を聞かせてもらうことくらいはできるでしょう?」
実際、顧客の設備担当者が、現場のオペレータの声をきちんと聞いて要求仕様に反映できて
いるかというと、決してそうではありません。
オペレーターさんも、聞きだし方によって、「そういえば・・・」と思い出して答えてくれることが
多々あるのです。
農家向けの商品を製造されている、あるメーカーさんでは、商品開発担当者が実際に農家
に出向いて、農作業現場を観察し、農家のおじいちゃん、おばあちゃんとお話して、
埋もれていたニーズを見出すことを、 「会社の仕組み」としています。
単に「何か困っておられることはないですか?」と聞くだけでは、
「別に問題ないよ」と言われるだけですから。
嘘をついているわけではなくて、それを問題と気付いていないことばかりなのです。
そして、そういうところにネタが眠っているわけです。
この会社では、現場に出向き、観察する。これが他社と差別化する原点となっています。
ちなみに私の場合は、コンサルティングのご相談をうかがう際に、
必ず、その会社にお伺いするようにしてします。
肌で感じることは、とても大事なことです。
頭だけでやるコンサルタントにはなりたくありません。
さて、一言で言うと現場主義。
事件は現場で起こっている!ですかね^^