今日は、”マイ・ブラザー”の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
アフガニスタンで兵役に当たっている夫・サム(トビー・マグワイア)の帰りを待つグレース(ナタリー・ポートマン)の元に、サムの訃報が届く。絶望のふちにいるグレースと二人の娘を慰めてくれたのは、サムの弟、トミー(ジェイク・ギレンホール)だった。何ヶ月か後、まさかの帰還をしたサムだったが、まるで別人のように変ぼうしててしまっていた。
というお話です。
デンマークの女性監督スサンネ・ビア作品『ある愛の風景』のリメイク作品です。私は、この元の作品は知らなかったのですが、一緒に観た友人が元作品も観ていて、ほとんど内容は一緒で、キャストが違うだけだよって言ってました。
2007年に夫サムがアフガニスタンに派遣され、戦火の中に入っていくのですが、アメリカに残っている家族は、普通の生活を送っているんですよね。だから、どんなに大変な事だと思っていても、戦争の酷さ、悲惨さなどは、家族には伝わらないんです。そんなところに、酷い仕打ちを受けてボロボロになったサムが戻ってくる。映画を観ているこちらには、どんな目に合ってきたかが解かっているのですが、彼を迎える家族には、それは伝わっていないんです。そういう、バランスの悪さというか、伝わらない悲しさがとても良く描かれていて、グッとくる作品でした。
アカデミー賞の”ハートロッカー ”、今公開中の”グリーンゾーン ”で、戦争の酷さを描いていますが、そういう映画での戦争というものを踏まえて、この映画を観ると、戦争というものが、どういう状態で、どうして始まって、どういう影響を国民に与えるのかが良く解かります。こんな事、やっぱり納得が行きません。いつも辛い思いをするのは、現場に行く兵隊とその家族なんですよね。国の偉い人達は、利益だけを追って、安全な場所に居るだけ。許せんっ!!
帰ってきた父親が変わってしまっていて、娘たちは恐がり、素直に甘えられなくなってしまうところが、とっても可哀想で、グレース=妻にどうにかしてよ~って言いたいんだけど、そのスレースさえも、サムが自分を避けている雰囲気を感じて、行動がぎこちなくなってしまう。その姿を観て、またサムが、自分に閉じこもってしまうという悪循環で、だんだんと事態は悪い方向へ行ってしまうところが、見ていて辛かったですね。
傷ついてしまった心を、どうやって開いたら良いのか、癒す事が出来るのか、誰が助けられるのか、もう、その辛さを見ていると、涙がウルウル出てきました。グレース役のナタリー・ポートマン、サムの弟役のジェイク・ギレンホール、サム役のトビー・マグワイアが、とても良い、静かな演技をしています。そして、トムとグレースの子供役の2人が、とってもかわいくて、その子供の素直さゆえに、残酷な言葉を言ってしまうという難しい役を上手く演じています。
この映画、私は、お奨めします。心に響く映画だと思います。出来れば、”ハートロッカー””グリーンゾーン”と合わせて考えてみて下さると、大きな動きとアメリカのジレンマが見えてくるのではないかと思います。
ぜひぜひ、観に行ってください。お奨めします。
・マイ・ブラザー@ぴあ映画生活
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