昨日は、”ハート・ロッカー”の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
2004年、イラク・バグダッド。駐留米軍のブラボー中隊・爆弾処理班の作業中に爆発が起き、班長のトンプソン軍曹が爆死してしまう。トンプソン軍曹の代わりに派遣されてきたのは、ウィリアム・ジェームズ二等軍曹。彼はこれまでに873個もの爆弾を処理してきたエキスパートだが、その自信ゆえか型破りで無謀な行動が多かった。部下のサンボーン軍曹とエルドリッジ技術兵は彼に反発するが、ある事件をきっかけに打ち解けていく。
というお話です。
すごいショックを受ける作品です。
もちろん、これは映画なのですが、イラクで実際にテロが行なわれていて、その犠牲者が山ほど居るのは現実です。そして、それを止めようと、アメリカ軍の爆発物処理班が行動しているのも現実です。
そんな危険な仕事があり、そしてその危険な仕事をしている人も、私達と同じ、普通の人間なんだということを、この映画は、とても良く解らせてくれます。今日、一緒に買い物をして、一緒に食事をしていた主人が、明日は爆発物を処理しに戦地に行くなんて、あって欲しくないし、信じたくないけど、そういう暮らしをしている人達がアメリカにたくさん居るということなんです。
平和な日本に居ると、こんな戦争があったこと、そして今もテロの脅威があることを忘れてしまいます。確かに、先日感想を書いた”グリーン・ライン”という映画でも描かれていたように、大量破壊兵器があるからと言って戦争を始めたのはブッシュ前大統領ですし、それで泥沼になっているのも事実です。日本が起こした事ではないけれど、でも、同じ人間が殺しあっているのを見て見ない振りをしている日本って、どうなんでしょうか。自衛隊は、絶対安全なところにしか行かないし・・・。この映画の中にも、国連軍が出てくるのですが、危ないところには行かないんですよ。アメリカ軍に行かせるの。これって、どうなのかなぁ・・・。
この映画を観ると、今、生きている自分の立ち位置は、本当にこれでいいのかって考えさせられます。何もせず、ただ自分が生きるためだけに仕事をして楽しい事をして、アホな政治家が給油活動をやめさせるだの自衛隊は撤退させるだの、くだらない事を議論しているのを横目で見て、バカだなーと思っているだけ。イラクのアメリカ兵が、今日死ぬか、明日死ぬかって思いながら仕事をしている時に、こんな自分って・・・。と自己嫌悪に陥ります。
一本の映画だけど、色々な事を考えさせてくれる映画です。とっても男っぽい映画だし、アクション映画のようにバタバタする訳じゃないですけど、この映画は、真剣に観ると、すごく惹きこまれると思います。
映画好きならば、この映画がどれほど深くて、色々な問題を描いて、訴えているのかを感じて欲しいです。こういう映画、アカデミー賞協会、好きですよね~。ま、他の作品を観ていないので解りませんが、いくつかの賞はもらえるんじゃないかなぁ。期待してます。
映画に楽しい事を求める人には、あまりお奨めしません。でも、映画を観て考えたり、映像や演技、そして構成などを考える方には、ぜひ観ていただきたい作品だと思います。これだけアカデミー賞にノミネートされているのですから、分かりますよね。 作品の内容としても、とても面白いと思いました。私は、好きな作品です。
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