今から30年ほど前、日本の高校を中退して単身アメリカに渡ったひとりの学生がいました。
彼の夢は起業して世界一の企業を創り上げること。
そのために一生懸命ビジネスの勉強をします。
彼は大学在学中に将来の軍資金を貯めるために思いを巡らします。
学生の身分ですから正社員として働くこともできなければ、
かといってハンバーガーショップなどでのアルバイトでは手にできる報酬はたかだかしれています。
しかも彼が勉強以外に自由に使える時間は1日たった5分。
自給1200円で働いたとしても、1日わずか100円しか稼ぐことができません。
このような状況では普通に考えれば起業のための軍資金を貯めることなど到底叶うはずがありません。
ほとんどの学生がお金を稼ぐことを諦めて学業に専念することでしょう。
ただ、彼はどんな状況に置かれようが諦めることはありませんでした。
1日たった5分で画期的な発明を考え出し、
そのアイデアを企業に売り込んで莫大な資金を作り出すことを思いついたのです。
その日以来、彼は来る日も来る日も発明のためのアイデアを究極の集中力を発揮して出し続けます。
そして250ほど考えたアイデアの中から、最終的に最もビジネスになりそうなものに絞り込んで実現に向けて計画を立てていきます。
彼が絞り込んだアイデアは“自動でしゃべる翻訳機”。
知りたいフレーズを日本語で入力すれば、自動で様々な国の言葉に翻訳して、しゃべってくれるという機械です。
当時としては画期的な自動翻訳機のアイデアですが、彼にはそんな機械を開発する能力も時間も持ち合わせていませんでした。
そこで、彼は同じ大学の優秀な教授や学生をスカウトして、試作機の製作を試みます。
もちろん、試作機を作るための資金のない彼はメンバーに成功報酬を約束することで、優秀なプロジェクトチームを作り上げていきます。
そして、苦心の末出来上がった試作機をバッグに詰め込み、彼は夏休み日本に帰省した際にあるメーカーの担当部長に直接売り込みを図ります。
しかし、結果は惨憺たるものでした・・・
担当部長は製品自体のコンセプトの面白さは認めたものの、実際に売り出した時にヒットさせることは難しいという判断を下して彼のオファーを却下したのです。
新製品開発の担当部長に断られ、行き場を失ったかに見えた彼でしたが、
そんな状況でも決して諦めることはしませんでした。
大見得を切って多くの人を巻き込んだプロジェクトだけに引くに引けない状況だったのです。
そこで彼はメーカーの直接決裁権限を持つ人物を探し出し、直談判を試みます。
担当の専務は彼の熱意と試作品の素晴らしさに心を動かされ、遂に契約金として2000万円を支払う決断を下します。
自動翻訳機はその後製品化されてヒットを記録すると、彼の元には1億円を優に超える資金が転がり込むことになるのです。
そして、今や彼はその軍資金を元手に破竹の勢いで世界一の企業を作るという
夢を一歩一歩現実のものとしています・・・
そう、彼の名は孫正義・・・日本を代表する企業家です。
この孫氏の若かりし頃のエピソードはあまりにも有名ですが、私達ビジネスパーソンにとって非常に多くの示唆に富んでいます。
たとえば、現状サラリーマンの生涯賃金は大学卒で3億円弱だそうです。
サラリーマンは30年以上掛けて3億円の報酬を手にすることになりますが、
孫青年は1、2年でその3分の1にも達する1億円を手にしたのです。
しかも使った時間は1日たったの5分だけ・・・
これは孫氏が一般的なサラリーマンの数十倍の才能を備えていたから、実現できたことでしょうか?
確かに孫氏は才能的に優れていることは明らかですが、私たちと結果ほどの開きはないはずです。
このようにビジネスの世界では、ほんの少しの能力の差が数十倍にも数百倍にもなって結果として現れるというわけです。
そこで、私達も最小の労力で最高の結果を望むことは自然の流れだと思います。
ただ、高い結果を出すために自分の労力だけで何とかしようと考えるようでは、
望む結果を手にできる可能性は低くなります。
孫氏のエピソードからもわかるように、ビジネスで生産性を劇的に上げる秘訣は“てこの法則”にあります。
自分でできなければ“他人の労力”や“他人の金”、そして“他人の知識”をフル活用すればいいのです。
ビジネスではこの3つはOPE(Other People's Efforts)、OPM(Other People's Money)、OPK(Other People's knowledge)と呼ばれて、3つの“てこ”として頻繁に活用されています。
ビジネスで最も付加価値の高いものは私達が仕事のほとんどを費やす肉体的な労働ではなく“アイデア”です。
アイデアを十分に練った上で行動を起こすことにより自身の生産性の飛躍的な向上に繋がっていきます。
飛躍的な成果をあげたければ、まずは明確な目標を描いてそれを実現するためのアイデアをいくつも考え、目標実現に相応しい人財をプロジェクトに引き込んでいきましょう。
そうすれば、てこの法則を活用して短期間で驚くほどの価値を生み出すことも難しいことではないといえるのではないでしょうか。
「【MBA講座】1日5分で1億円を手にした学生に学ぶ仕事術とは?」より
なお、孫氏は司馬遼太郎の『竜馬がゆく
』を読み、脱藩に憧れて渡米決意したそうです。
自分はソフトバンク携帯のサポート対応は好きではありませんが、
ソフトバンク自体はチャレンジ精神が旺盛なので好きです。
そんな孫正義氏のお勧め本です。
志高く 孫正義正伝 井上篤夫
成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 レイ・クロック
成功の法則92ヶ条 三木谷浩史
(楽天の三木谷さんの本ですが面白いです。)
孫正義 世界20億人覇権の野望 大下英治
孫正義語録―孫氏の兵法 孫氏の兵法製作委員会
彼の夢は起業して世界一の企業を創り上げること。
そのために一生懸命ビジネスの勉強をします。
彼は大学在学中に将来の軍資金を貯めるために思いを巡らします。
学生の身分ですから正社員として働くこともできなければ、
かといってハンバーガーショップなどでのアルバイトでは手にできる報酬はたかだかしれています。
しかも彼が勉強以外に自由に使える時間は1日たった5分。
自給1200円で働いたとしても、1日わずか100円しか稼ぐことができません。
このような状況では普通に考えれば起業のための軍資金を貯めることなど到底叶うはずがありません。
ほとんどの学生がお金を稼ぐことを諦めて学業に専念することでしょう。
ただ、彼はどんな状況に置かれようが諦めることはありませんでした。
1日たった5分で画期的な発明を考え出し、
そのアイデアを企業に売り込んで莫大な資金を作り出すことを思いついたのです。
その日以来、彼は来る日も来る日も発明のためのアイデアを究極の集中力を発揮して出し続けます。
そして250ほど考えたアイデアの中から、最終的に最もビジネスになりそうなものに絞り込んで実現に向けて計画を立てていきます。
彼が絞り込んだアイデアは“自動でしゃべる翻訳機”。
知りたいフレーズを日本語で入力すれば、自動で様々な国の言葉に翻訳して、しゃべってくれるという機械です。
当時としては画期的な自動翻訳機のアイデアですが、彼にはそんな機械を開発する能力も時間も持ち合わせていませんでした。
そこで、彼は同じ大学の優秀な教授や学生をスカウトして、試作機の製作を試みます。
もちろん、試作機を作るための資金のない彼はメンバーに成功報酬を約束することで、優秀なプロジェクトチームを作り上げていきます。
そして、苦心の末出来上がった試作機をバッグに詰め込み、彼は夏休み日本に帰省した際にあるメーカーの担当部長に直接売り込みを図ります。
しかし、結果は惨憺たるものでした・・・
担当部長は製品自体のコンセプトの面白さは認めたものの、実際に売り出した時にヒットさせることは難しいという判断を下して彼のオファーを却下したのです。
新製品開発の担当部長に断られ、行き場を失ったかに見えた彼でしたが、
そんな状況でも決して諦めることはしませんでした。
大見得を切って多くの人を巻き込んだプロジェクトだけに引くに引けない状況だったのです。
そこで彼はメーカーの直接決裁権限を持つ人物を探し出し、直談判を試みます。
担当の専務は彼の熱意と試作品の素晴らしさに心を動かされ、遂に契約金として2000万円を支払う決断を下します。
自動翻訳機はその後製品化されてヒットを記録すると、彼の元には1億円を優に超える資金が転がり込むことになるのです。
そして、今や彼はその軍資金を元手に破竹の勢いで世界一の企業を作るという
夢を一歩一歩現実のものとしています・・・
そう、彼の名は孫正義・・・日本を代表する企業家です。
この孫氏の若かりし頃のエピソードはあまりにも有名ですが、私達ビジネスパーソンにとって非常に多くの示唆に富んでいます。
たとえば、現状サラリーマンの生涯賃金は大学卒で3億円弱だそうです。
サラリーマンは30年以上掛けて3億円の報酬を手にすることになりますが、
孫青年は1、2年でその3分の1にも達する1億円を手にしたのです。
しかも使った時間は1日たったの5分だけ・・・
これは孫氏が一般的なサラリーマンの数十倍の才能を備えていたから、実現できたことでしょうか?
確かに孫氏は才能的に優れていることは明らかですが、私たちと結果ほどの開きはないはずです。
このようにビジネスの世界では、ほんの少しの能力の差が数十倍にも数百倍にもなって結果として現れるというわけです。
そこで、私達も最小の労力で最高の結果を望むことは自然の流れだと思います。
ただ、高い結果を出すために自分の労力だけで何とかしようと考えるようでは、
望む結果を手にできる可能性は低くなります。
孫氏のエピソードからもわかるように、ビジネスで生産性を劇的に上げる秘訣は“てこの法則”にあります。
自分でできなければ“他人の労力”や“他人の金”、そして“他人の知識”をフル活用すればいいのです。
ビジネスではこの3つはOPE(Other People's Efforts)、OPM(Other People's Money)、OPK(Other People's knowledge)と呼ばれて、3つの“てこ”として頻繁に活用されています。
ビジネスで最も付加価値の高いものは私達が仕事のほとんどを費やす肉体的な労働ではなく“アイデア”です。
アイデアを十分に練った上で行動を起こすことにより自身の生産性の飛躍的な向上に繋がっていきます。
飛躍的な成果をあげたければ、まずは明確な目標を描いてそれを実現するためのアイデアをいくつも考え、目標実現に相応しい人財をプロジェクトに引き込んでいきましょう。
そうすれば、てこの法則を活用して短期間で驚くほどの価値を生み出すことも難しいことではないといえるのではないでしょうか。
「【MBA講座】1日5分で1億円を手にした学生に学ぶ仕事術とは?」より
なお、孫氏は司馬遼太郎の『竜馬がゆく
自分はソフトバンク携帯のサポート対応は好きではありませんが、
ソフトバンク自体はチャレンジ精神が旺盛なので好きです。
そんな孫正義氏のお勧め本です。
志高く 孫正義正伝 井上篤夫
成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 レイ・クロック
成功の法則92ヶ条 三木谷浩史
孫正義 世界20億人覇権の野望 大下英治
孫正義語録―孫氏の兵法 孫氏の兵法製作委員会