前々からどうにも思うのですけど、自由貿易を否定すると経済学徒、経済学者の殆どは怒ります。まるで自由貿易は神聖不可侵にして犯すべからざるもの、というような感じで。
んで自由貿易が「絶対善である」というのを支えるには、リカードの比較優位論が根底にあるそうです。
この理論を簡単に言っちゃうとこうです。
「世の中分業じゃないと成り立ちません、んじゃ分業のあり方は?てーとより自分が得意なこと、稼げることをすることで、機会損失が少なくなって皆豊かになれるよ?!」
一見正しく見える論なのですけど、上記がグローバリズムや新自由主義の根底にある、というのは多くの方が認めるところでしょう。
さて、上記の論は「自由で公正で機会の平等が完全に与えられている、完全競争」ならば成立は可能かもしれませんが、そのような世界は国際社会には「ない」と断言できます。
国際情勢学やら外交、パワーポリティクスなどを知らない、夢想家の戯れ言とすらいえます。
(まぁそもそも完全競争の定義自体が、この世にあり得ないのですけど・・・・フィクションです)
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まず第一に北米自由貿易協定と呼ばれるNAFTAの例を出してみましょう。
これはメキシコ、アメリカ、カナダで結んだTPPやTTIP、TiSAの前身とも言える、大変参考になる事例の自由貿易協定です。
上記を締結して何が起こったか?と言いますと、メキシコは主食であるトウモロコシのシェアをアメリカに奪われ、さらに自給していた時の8~10倍の値段で売りつけられています。
どういうことか?
つまりこうです。アメリカはメキシコのトウモロコシ市場を奪うために、政府が自国農家に給付金、補助をつけて格安でメキシコに遺伝子操作したトウモロコシを大量に売りに出す。
そうするとメキシコの農家は太刀打ちできませんので、廃業、撤退に追い込まれます。そうしてあらかた主要なところを潰し、シェアを奪った後にプライスメイカー(価格決定者)となったアメリカトウモロコシ農業は「前よりも高い値段で」利潤を求めて彼らに売る、という訳です。
これはかつて日本がアメリカにされたことと一緒です。
日本でもレモンはかつて国産でした。ところが規制緩和の結果、50円で自給できていたレモンがアメリカから10円で入ってきました。
そうして日本のレモン農家は転作、廃業に追い込まれシェアを失い、その後にアメリカは日本にレモンを100円で売りつけるようになったという訳です。
上記のような例は例えば韓国の白物家電でも同様に手口です。官民一体となって「シェアを奪いにくる相手」に日本企業は丸腰で立ち向かったら、そら負けるわと。
上記が国際社会における「現実的な貿易戦略、他国のシェアを奪う戦略」という訳です。
ここまで書いて、腹が立ってきて「比較優位がなんだって?アホか!」と叫びそうになっております(笑)
さて、このような「企業が政府と一体になって、他国のシェアを奪いに行く」のが貿易戦略であり、貿易のパワーポリティクスです。
その究極系がTPP、TTIP、TiSAというわけなんですけれども、自由貿易を「自由だ!」と勘違いしている人たちには、脳みそに政府とか戦略とか利潤の最大化のための謀術とかないんですかね?
ちなみにランチェスターの法則によると、勝つためには上記の戦略は非常に「当たり前」です。
ちょっと考えれば政治パワーでシェアを他国から奪って、産業を根絶やしにしたほうが「高く売れる」ということが、なんで自由貿易礼賛者には理解不可能なのでしょう?コテヤンと生きている世界が違うのか、それとも人間の欲深い性質を見誤っているのか、脳みそが悪いのか、意図的なのか。
どうも経済学の言うところの自由貿易とは、政府が関与しないという「単純で悲しくなるくらい素朴なもの」を想定しているようですけど、現世の何処にもそんなものはありません。
国内で分業が成り立つのは「共同体」であり、法の支配、秩序があるからです。国際的には成り立たないのは外交の現状、それがパワーポリティクスにほかならないからです。
つまり国際的な自由貿易論として、比較優位論を出すこと自体、現実を無視していると言わざるを得ません。
(もっとも宇宙人が攻めてきて、地球が一つの共同体になれば、比較優位論が地球規模で適用できる日が来るでしょうけど)
比較優位論の論者はこういいます。
「成り立たないなら自分で自給自足しろ!」
安全保障や共同体を理解していない、愚か者の言にまともに取り合うつもりも、脳みそが痛い人に聖人君子のごとく忍耐強く説くつもりもありませんが、いかに彼らが理論を盲信し、現実を自分で解釈できないか?という1つのものさしに、自由貿易論というのはなるかと思います。
共同体という概念、国家という概念、国際政治というものの本質、2008年以降の現実、これらをしっかりと考えると、少なくとも安全保障上、もしくは国民の生活のためには、野放図な自由貿易という名の「グローバル企業による国家主権の侵害」に対しては、断固として反対せねばならないと思います。
あと、移民もクソッタレですし、これを本質的に論じるのは次の機会に譲りたいと思います。
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本日の男の料理~アジの骨煎餅~
骨煎餅ってなんでこんなにうまいんやろ?と思うほど好きです。日本酒、ビールに合うおつまみですよっと。
材料
・アジの骨
・小麦粉
・サラダ油
・塩
1)さばいた後の残った骨に、軽く小麦粉をまぶして、サラダ油で低温でじっくりと揚げます。
2)揚げたあとに軽くし塩をまぶして出来上がり!柑橘系を何か添えて美味しく召し上がれ!