夏バテや風邪予防には、発酵食品の飲む点滴がおすすめです | 心と身体のライフスタイル「漢方」

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漢方は漢方薬だけでなく、心と身体からの声を読み解く智慧です。薬に頼るだけでなく、生活習慣や心の持ち方を見直すことで、あなたが本来の自分に戻り、健やかで美しく幸せに暮らす「わくわく養生」を薬を売らない薬剤師・国際中医師の藤巻祥乃がお伝えしています。

こんにちは。
薬を売らない薬剤師・国際中医師の祥乃です。
漢方を使った生活習慣カウンセリングをしています。



昨日に引き続き、
風邪を引きやすい原因についてです。


漢方では、つぎのような言葉があります。
「邪のあつまる所には、
その「気」が必ず虚(不足)している。
正気(免疫力)が内に存すれば、
邪は独りにておかすべからず」。

つまり、病気を引き起こす根本は、
正気(免疫力)の不足にあり、
邪気は病気を引き起こす
条件にすぎないということです。

漢方で「気」とは、
主に生命力エネルギー、免疫力のことです。





体の表面のバリア機能
(「気」の働き)の不足する2種類について、
それぞれの養生法をです。


1)体全体の「気」が不足した状態
「気」を体内で増やすには、
呼吸で取り込んだり、
食物を消化吸収することで作りだします。
そのため、腹式呼吸を心がけたり、
五臓の「脾」の働きを良くすることがポイントです。

風邪以外の症状。
疲労感・倦怠感・やる気の低下・胃腸の不調・
多汗・立ちくらみ・めまい・寒がり・
膀胱炎などの感染症にかかりやすい・不妊・下痢・便秘


「気」が不足した時の養生のヒント
・夜間に体や頭を過剰に活動することを控える。
・生もの、冷たい物、甘い物を控え、早食いや食べ過ぎに注意。
・昼間はよく体を動かすと五臓の「脾」の働きが良くなり、「気」を作りだす。
・おすすめ食材
鶏肉、牛肉、海老、鯛、鰯、うなぎ、山芋、
豆類、キノコ類、くるみ、栗、ブロッコリー、
ジャガイモ、サトイモ、カボチャ、アスパラガス、
キャベツ、カブ、トウモロコシ、松の実、もち米など




2)「気」が滞っているために表面に行き渡らず不足した状態
通常、「気」は中心から末端に流れますが、
過労や緊張(ストレス)から五臓の「肝」の働きが
乱れることで「気」が中心に滞ります。

そのため、表面の「気」が不足して
邪が侵入してしまうので、
五臓の「肝」の働きを整えることで
「気」がめぐるようになります。



風邪以外の症状
イライラ・膨満感・自律神経の乱れ・
不眠・不安・のぼせ・頭痛・皮膚の炎症・
手足の冷え・ゲップ・のどの違和感・下痢・便秘

「気」が滞った時の養生のヒント
・「肝」の働きを高めるため、柑橘類や酸味のあるものを積極的に摂る。
・スポーツ、散歩、ストレッチなどで楽しく体を動かす。
・考え込まず、自分で心地よい事を作り、気分転換でリラックスする。
・おすすめ食材
香り野菜、柑橘類、梅干し、アサリ、シジミ、
タマネギ、シソ、ニラ、ピーマン、ミョウガ、
カジキマグロ、鮭、レバー、大根、パセリ、
豆腐、ジャスミン茶など





夏バテや風邪予防には、
甘酒(麹のもの)もおすすめです。

甘酒は「飲む点滴」というくらい、
栄養が豊富に含まれています。
甘酒というと冬のイメージが強いけど、
俳句で季語に使われるほど、
昔から夏に飲まれていたんです。

甘酒は豊富なビタミンB類、アミノ酸、
食物繊維、ブドウ糖などが含まれ、
夏に汗で消耗して
不足しがちな栄養が補給できます。

また発酵食品なので、腸内環境も整え、
免疫を上げたり、ダイエットにも最適です。


乾燥麹から作るのは面倒という方は、
最近は、お砂糖や添加物が入っていない
すぐに飲めるタイプも売ってますので、
活用してください。




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