想像以上に水不足が懸念される世界の8つの大都市(画像)

The Eight Major Cities That Are Running Out Of Water Faster Than You Can Imagine [IMAGES]

7月30日【Anonymous】http://anonhq.com/eight-major-cities-running-water-faster-can-imagine-images/ より翻訳


(Amando Flavio) 
今年3月に当サイトで報道していますが、29億人以上の人たちがこれから先10年の間に水のない生活に直面することが予想されています。

この予測は最新の国連の水に関する報告書によるもので、世界の48カ国が水不足に直面するということを記しています。

しかし「Searching for El Dorado(仮訳:エルドラドを探し求めて)」および「The Shores of Tripoli(仮訳:トリポリの岸辺)」の著者であるマーク・ハーマン(Marc Herman)氏によれば、次にあげる8つの大都市は他の場所よりも過酷な水不足に悩まされることになるだろうと予測しています。

ハーマン氏は第3次 国連世界水発展報告書を綿密に調査し、世界の8つの大都市の水不足の原因や、それぞれが水を保全しようと試みる方法をリストアップしています。

そしてその中で彼は、日本の首都東京を水不足が懸念される大都市の一位に位置づけました。



東京(日本)

ハーマン氏によれば、東京はシアトルやロンドンに近い平均降水量を楽しんでいるということです。しかしその降水量のすべては、一年の内でわずか4ヶ月の間に集中しており、このような短期間に東京のように人口の密集した都市に必要な水を確保し、貯蔵するのはかなり困難なことです。

また彼によれば、東京の約25,750kmに及ぶ水道システムは、70%は地表面の水(河川、湖、そして遠隔地の雪解け水)、そして30%は地下の帯水層、井戸に頼っているということです。そう考えると、この新しい周期的干ばつの間、代替の水源が十分でないということになります。

しかし彼によると、日本政府はこれまでのところ、降雨を集めるための世界でも最も積極的な計画を立てており、先見の明があるということを証明しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水不足に頻繁に悩まされている東京墨田区にある両国国技場では、約8,361平方メートルの表面積の天井部分が降雨をタンクへ流しこむ水路となるよう設計されており、そのタンクから雨水が飲料水以外の目的で利用されています。



フロリダ州マイアミ(アメリカ)

ハーマン氏のレーダーに引っかかった次の都市は、アメリカフロリダ州のマイアミです。彼はマイアミ・デイド郡に水を供給しているビスケーン帯水層が、大西洋からの塩水侵入の被害にあっているという米国地質調査所(USGS)の報告書を引用しています。

 

 


一年を通して激しい雨が帯水層を満たしてはいるものの、一定以上の塩水が混入してしまうと、帯水層内の水全体が使い物にならなくなってしまいます。

20世紀初頭に、マイアミを取り囲む沼地が排水された後から、問題が始まったと報告書は伝えています。つまり、浸透作用が巨大な吸引効果を作り出し、海岸沿いの土壌に大西洋の水が引き入れられたということで、今では海水は設置された制御構造を迂回し、帯水層に浸水しています。

USGSは海水の侵入箇所を地図上で確認するという点で進歩していますが、その箇所が的外れであったようで改良中です。

ハーマン氏は次のとおりUSGSの報告書から引用しています。

「海水面が上昇し続け、かつ、真水の需要が増加するにつれ、海水侵入を妨げるために必用な対応策はさらに(実施が)困難になるかもしれません」




ロンドン(イギリス)

 

 


ハーマン氏の考えによると、ロンドンは数世紀も前の配管システムからなけなしの水を搾り出して、急速に増え続ける人口を支える状況に直面しているということです。

ロンドン市の水道管理者らは、次の10年は水の需要を満たすことが可能だが、2025年までには新しい水源を見つける必要があると話しているそうです。

国連による解決策に従い、ロンドンの水道事業を管理している民間企業テムズ・ウォーター(Thames Water)は水の再利用(リサイクル)を検討しています。

水の再利用は、下水を浄化した水を飲むという「不愉快さという要因」を横においても問題が多いのですが、ハーマン氏は「『不愉快さという要因』は、ロンドンや他の場所に広がる水問題の解決策への障害となりえ」ると考えています。



カイロ(エジプト)

 

 

 

 

 

 

 


エジプトの首都カイロは水に関してナイル川に大きく依存していますが、ハーマン氏によると、カイロは50以上の十分に規制されていない工場や農業排水、複数の下水システムがナイル川に流れ込んだ後の下流に位置しているということです。

今年、公開されたユニセフ(UNICEF)・世界保健機構(WHO)の調査によると、エジプトの半数以上が住んでいるカイロ市から南部にあたる郊外の地方は、かんがい(注水)や飲料水以外にも、廃棄物処理の目的でもナイル川に依存しているということです。

ナイル川は、その巨大なサイズのため、歴史的には廃棄物を安全なレベルに薄めるのに十分でしたが、今では2,000万人の人たちがナイル川に廃棄物を投入し、負担が大きくなりすぎたために限界に達しています。

最近、アフリカ開発銀行(ADB)はナイル川へ排水する水に塩素処理を行うための計画に資金提出しました。



サンパウロ(ブラジル)

 

 


ブラジルのサンパウロにあるカンタレイラ貯水池は、同市の貯水池の中でも中心的なものの一つであると考えられています。しかし最近、カンタレイラ貯水池の水位は総容量の6%まで下がっており、ハーマン氏は次のように記しています。

「今世紀で最悪の干ばつの2年目を向かえ、サンパウロの複数の貯水池はかろうじて容量の4分の一1程度に留まっており、昨年と比較すると40%減となっています。

サンパウロ郊外の貯水池は汚染されていて、さらに最大能力を発揮できたとしても2,000万人の大都市圏へ水を供給するには小さすぎるものばかりです。

サンパウロ氏はアスファルトで舗装されており、排水路が乏しいためにたとえわずか6mmの降水でも市街の路上がひどい洪水になる原因となっています」


北京(中国)

 

 

 

 


中国の首都北京では、工場や農業による汚染が原因で市内で2番目の大きさの貯水池が1997年に閉鎖され、それ以来開かれていないと言われています。

世界の人口の21%を占める中国には、真水はわずか世界の6%しかありません。

現在、北京に水を供給している密云(ミユン)貯水池は、農家からのかんがいの需要の上昇が原因で、貯水量が3分の2近くにまで減少しており、さらに農業排水によって汚染もされています。




バンガロール(インド)

 

 

 

 


インドのバンガロールでは、家の新規造成があまりにも速く行われており、より多くの水が必要とされているにもかかわらず給水システムが崩壊しつつあるということです。

バンガロールの南部では、旧式の配管システムが原因で半分以上の飲料水が失われていると伝えられています。しかしまた、既存のシステムを修復し、失われている市の真水の半分を復活させる計画は依然として実施されていないとのこと。

コンサルティング企業マッキンゼー社が行った調査によると、インドの都市部の人口は2030年までには3.4億人から5.9億人に成長し、新しい都市部の住民が必要とする上水の需要に見合うためには、インド政府は1,960億ドル(約24兆円)の予算が必要になることが予想されています。



メキシコシティ(メキシコ)

 

 

 

 

 


当局者によると、メキシコシティは配管からの水漏れが多く、260ギャロン(約984リットル)を失っているとのことです。

7,000フィート(約2km)の海抜にあるメキシコシティは、飲料水のほとんどを、150マイル(241km)も離れた帯水層から苦労してくみ上げる水に頼っています。

2,000万人の住民が必要とする水を、老朽化した配管システムを利用して供給するのは困難なことですが、それだけの大量の水を空のような高さまで輸送するのは工学的挑戦です。

メキシコの水資源管理委員会は、配管の漏れが原因で、同市の飲料水の30~40%が失われていると発表しているものを、ハーマン氏は引用しています。

 



(翻訳終了)



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【コメント】

【参照】2014年度国連世界水発展報告書(国土交通局)(日本語)



水の豊富な日本の東京が一位というのは意外でした。でも、日本全体としてみれば水は豊富なのではないかと思いますが・・・。


サンパウロやロンドンの水不足に関してはよくニュースに見ますし、中国で水の汚染がひどいのも報道が多いですね。



ちょうどこの記事を見かけた時、ロンドンからそれほど遠くもない私が住んでいるところも晴天続きで、冬でも緑な芝生の部分が全体的に茶色になっていた時期でしたので、ロンドンの水不足も納得でした。イギリスは雨が多いというイメージがありますが、よく水不足になっています。

バンガロールはインド南部のかなりの内陸部にあり、他の都市に比べて穏やかな気候のためか、様々なハイテク産業の中心地的な存在です。ITなどを中心に経済成長の激しいインドで、バンガロールがさらに盛り上がっているのでしょうか。


アメリカのLAがここに入っていないのは、タイトルにあるように「想像以上の水不足」ではなく、すでに現実として水不足だからでしょうか。

カイロのナイル川じゃないですが、インドのバナラシのガンジス川もどこから何が入ってきているいるのかわからないくらい水がすごいことになっていましたが、勇気のある友人はそこで沐浴をして3日間ほど寝込んだそうです。


リストアップされた8都市では、全体的に

・都市部への人口流入が激しい
・配水システムの老朽化
・汚染によってきれいな水が失われている
・気象変動


などが水不足の原因になっているようです。

昔は「治水」と言われ、施政者にとって水の確保は政策の中でもかなり重要視されていたようですが、最近はきれいな水はかなり軽視されている感じがします。



最近のRTの記事にこのようなものがありました。

科学者ら:「気象変動、健康上の大惨劇を避けるために人類に残された時間は10年」(英語)

これから10年が、人類が生き残れるかどうかを分ける重要な10年になりそうです。






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