スカルピン (カジカ) 類の同定は種類によっては難しく、玄人でさえ同定不能としたり、誤同定をする場合もある。

スライミースカルピンとモトルドスカルピンもその一例で、両者の形態上の違いは腹びれの条数が前者で3本なのに対して後者は4本ということだけなので、両者が混棲する地域で釣ったものはあまり信用できない。

その点、ニューブランズウィック州に棲息するスカルピン類はスライミースカルピンだけなので、2012 年夏のカナダ横断釣りすごろくの旅ではぜひその機会を生かして釣りたかった。

州都であるフレデリクトンを流れるセントジョーンリバー中流域から探索を始めたが、大河すぎる上、この辺りから下流まではずっと泥底でおらず、支流もトロ場すぎてダメ。次にカナーンリバーの支流へ行ってみたが、タンニンが強すぎて魚そのものがほとんどおらず、本流の方でもフォールフィッシュがスカルピンタックル (振り出し竿の穂先にハリスを直接付けたもの) で釣れた他はホワイトサッカースモーリーを一尾見ただけだった。

州南東部のモンクトンに移動後は小さなクリークでいい感じの石組みのポイントを見つけたがスカルピンはおらず、意外な難航にたじろぎ、オンタリオのモトルドスカルピンやブリティッシュコロンビアのプリックリースカルピンの釣れ易さをうらやましく思い出したりした。

そしてバンディドキリーフィッシュマミチョグと仕留めた後に Kouchibouguacis River で二晩アメリカウナギに失敗、ある湿地でのフォースパインスティックルバックも失敗に終わった後、ミラミシーリバーの支流で再度スライミースカルピンに挑戦しようと思ったが、規制が多いリージョンなのでやめ、その北のリージョン2を流れるリトルエスケデロックリバーに行ってみた。そしてその一角だけにあった石の重なったポイントでようやくスライミースカルピンをゲットすることができた。

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初めて釣ったスライミースカルピン


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スライミースカルピンの3本の腹びれ条数



スライミースカルピンの俯瞰


カサゴ目カジカ科カジカ属。最大全長 12.8 センチ。冷たい水の流れるストリームの砂礫または岩底の早瀬や、湖の深部の水温が低い岩底の環境を好む。適水温9~14 度。カナダではノバスコシア州を除く全州と全準州に分布が見られるが、オンタリオ州のエリー湖の個体群はすでに絶滅した。無脊椎動物食性。