カナダでのライフリスト (生涯で釣った魚のリスト) も 46 種を数えたので、残りの魚種の中で釣れそうなものをリストアップするようになった。その中でもサンフィッシュの仲間は居場所さえ突き止めれば釣ることは容易だったので、最上位に位置していた。

そうして暇さえあればあちこち探索していた 2005 年6月の下旬、テムズ川の支流の一つが道路と交差する場所で、ロングイヤーサンフィッシュらしき魚が、岸近くの水草の近くにいることが橋の上から確認できた。車を U ターンさせて往来の邪魔にならない場所に停め直し、橋のたもとから竿を出した。タックルはホリデー白糸にコマウキ仕掛け。エサはグランドリバー支流の河原で調達したガーデンワームを切って使った。

サイトフィッシング (見釣り) なのであっけなく釣れて来た。手に乗せて確認する。たしかに耳 (鰓蓋の突端) が伸びているロングイヤーサンフィッシュだった。撮影後リリースした。

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初めて釣ったロングイヤーサンフィッシュ (改めノーザンサンフィッシュ)


スズキ目サンフィッシュ科レポミス属。パンプキンシードに似るが、鰓蓋の先端が長く伸びているのが特徴。耳の長さは地域によってバリエーションがある。暖地のクリークや中小河川のほとんど止水のプールのうち、水が澄んでいて底が岩や砂で水生植物のある場所や、池、それに小さな湖の同様の環境に棲む。カナダではオンタリオ・ケベック両州の境を流れるオタワリバーの下流域および、オンタリオ州の南西部と北西部に分布している。無脊椎動物食性。最大全長 24 センチ。

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2005 年8月にメイトランドリバーで釣ったロングイヤーサンフィッシュ (改めノーザンサンフィッシュ)


私は通常はなるべく人のいない場所や、人目につかない場所で釣るようにしている。好奇の目にさらされたくないからだ。どんなにいいポイントでもすぐ横に民家があったりすると、敬遠してしまう。しかしこの時はロングイヤーサンフィッシュが確実に釣れる場所だったので、対岸が人の家だったにもかかわらず竿を出した。が、案の定その家の犬に吠えられ続け、家の主を煩わせてしまった。

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2012 年3月にテキサス州のジャスティンというタウンを流れるクリークで釣ったセントラルウエスタンタイプのロングイヤーサンフィッシュ。上のノーザンタイプの亜種と比べて「耳」にこれだけ明らかな違いがあれば、いずれ別種になる可能性がある。


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2013 年4月にテネシー州ハーペスリバーで釣ったセントラルタイプのロングイヤーサンフィッシュ


<2013 年9月 12 日記>
上にも書いたように、ロングイヤーサンフィッシュの亜種はいずれ独立種になる可能性があると思っていたが、とうとうノーザンタイプの亜種である本種が独立種として認められ、ノーザンサンフィッシュとなったので、それにしたがって本種をロングイヤーサンフィッシュからノーザンサンフィッシュに替え、上の写真のウエスタンタイプとセントラルタイプのロングイヤーサンフィッシュをアメリカ第 44 種目とする。


2012 年7月にオンタリオ州で釣ったノーザンサンフィッシュ


ノーザンサンフィッシュのハビタット