2002 年の夏に、ホワイトバス狙いでグランドリバーの河口にある防波堤で釣っていた時にかかったのが、初めて釣ったフレッシュウォータードラムだった。35 センチくらいだったろうか。タックルはホリデー白糸に棒ウキ仕掛け。エサはデューワームだった。中硬調子のへら竿だったので相当な引きを味わえた。


初めて釣ったフレッシュウォータードラム


その風貌、特に菱形の尾びれからわかるように、ニベの仲間だ。スズキ目ニベ科 Aplodinotus 属。一属一種の魚で、ニベ科の中では唯一、淡水のみで生涯を過ごす魚種である。北はカナダから南はメキシコにかけて、西はロッキー山脈から東はアパラチア山脈まで分布し、北米の魚の中では最も広い原産分布を持つ。最大全長 120 センチで 30 キロ近くに達する。湖、貯水池および河川の中下流域の砂泥底を好む。グランドリバーの場合は、カレドニアの堰が釣れたのを見た上限だった。

フレッシュウォータードラム、つまり淡水ドラムという名は、この魚が水中でウキブクロを振動させて音を出すことから来ている。ちなみにこれはニベ科の魚の特徴でもある。私もある夏の明け方の薄暗がりのグランドリバーの河口で、水中からその鳴き声が無数に響いているのを聞いたことがある。ウシガエルのような鳴き声だったと思う。ちょっと不気味な感じだった。

ニベ科のシログチやニベはイシモチとも呼ばれるように頭骨内に大きな耳石を持っていることも特徴であるが、フレッシュウォータードラムもご多分に洩れず、大きな石を頭の中に二つ持っている

蔑視の意味を込めてシープスヘッド (羊の頭) と呼ばれることの方が多い。私も試したことがないが、食味は水っぽくてにおいがきついと言われ、あまり食べられることはないようだ。ニベの仲間ならそれなりに食べられそうだが。

ルアーへの追いはよく、ジャンプこそしないものの、その平たい巨体から繰り出すファイトはキングサーモンのような感じもするので、専門的に狙っても面白いと思う。レッドフィッシュやオオニベの人気を考えると、これからのスポーツフィッシングターゲットになるかもしれない。

Kiyo のつれない日記」の Kiyo さんが言っていたが、釣り上げると目を下に向けて困ったような顔をするので憎めないターゲットだ。グランドリバーの河口で、エコギアのグラスミノーで爆釣したのが懐かしい。いつかまた最盛期に狙ってみたい。

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2004 年6月にグランドリバー河口で釣ったフレッシュウォータードラム。カーリーテールジグスピン使用。

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2012 年5月にマニトバ州レッドリバーのロックポートダムで釣った自己最高記録 61 センチのフレッシュウォータードラム


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最盛期の6月ではなかったものの、2012 年7月にグランドリバーの河口で念願かなってまた爆釣を経験できた。これより先にマニトバ州のレッドリバーロックポートダムでドラムの爆釣をしたのでグランドリバーではやらないつもりだったが、夕マヅメにシャッドダートを表層曳きしたら入れ食いになった。


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2013 年5月にミネソタリバーで釣ったフレッシュウォータードラム。若い個体はひれが大きく体色に光沢があり優雅だ。



2014 年10 月にインディアナ州で釣ったかわいいサイズのフレッシュウォータードラム



2014 年10 月にインディアナ州で釣った立派なサイズのフレッシュウォータードラム、56.5 センチ



2013年10月にテネシー州のリールフットレイクで釣れたフレッシュウォータードラム




フレッシュウォータードラムのハビタット


英語だが、本種のさばき方と、調理方法(パンフライとそのエビのような身のテクスチャを活かした塩茹で)は、以下の動画で観ることができる。
[さばき方]
https://www.youtube.com/watch?v=A-m0_cUBBzA
[調理方法]
https://www.youtube.com/watch?v=vsMFHiEwZsA