人の皮膚や胃の細胞に3種類の遺伝子を導入し、肝臓の幹細胞を作成することに、国立がん研究センターの石川哲也室長(幹細胞生物学)らのチームが初めて成功した。体外で安定して増やすことができ、医薬品の毒性検査などに利用できると期待される。6月に開かれる研究会で発表する。

 成人の肝臓細胞は、体外で培養してもほとんど増やすことができない。また、あらゆる細胞に分化する胚(はい)性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、安定して増える肝臓幹細胞を作ることに成功した例もなかった。

 石川室長によると、市販の皮膚細胞や日本人ドナーの胃の細胞にウイルスを使って遺伝子を導入。3~4週間後、幹細胞や肝臓で作られる特有のたんぱく質をつくる遺伝子が機能していることを確認した。約200日間、安定して培養でき、凍結保存して再び増やすことにも成功したという。

 肝臓は、体内に入った薬物を解毒するなど多様な働きをしている。新薬を開発する際、肝細胞を使って解毒できるかどうかを調べれば、臨床試験の前に副作用の有無を確認でき、開発費用・期間を大幅に削減できる。また、B型・C型肝炎のウイルスを細胞に感染させ、新薬の治療効果を見るなど、抗ウイルス薬や高脂血症薬の開発にも期待される。【須田桃子】

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 日本精神神経学会など、うつ病の診療・研究にかかわる関連4学会は22日、広島市で会見し、「対うつ病10カ年計画」の策定など国家レベルでの対策を求める共同宣言を発表した。年間3万人を超える自殺者の背景に大きく関与するうつ病を「がんに次ぐ重大な社会的損失をもたらす疾病」と位置付け、治療と研究、啓発に緊急に取り組むよう求めている。うつ病問題で医療を担う学会側が公式見解をまとめたのは初めて。

 他の3学会は、日本生物学的精神医学会、日本うつ病学会、日本心身医学会。同日まで広島市で開かれた日本精神神経学会の総会後、発表した。

 共同宣言は、うつ病を含む精神疾患で働き盛りの貴重な人材を失う結果になっていることを重視。うつ病をがん、心臓病と並ぶ「3大疾患」と位置づけ、「国民病」として啓発活動に力を入れるよう求めた。

 そのうえで、専門的治療と臨床研究を進める「うつ病センター」の設置や、診療報酬体系の見直しによる人的資源の充実などを図るよう提言。産業精神衛生の専門家の育成や、若年層からの対策として児童精神科医の養成にも力を入れることも盛り込んだ。数万人規模を対象とした大規模なプロジェクト研究などを「10カ年計画」として国家レベルで取り組む必要性を強調した。

 学会は、共同宣言の関係省庁への提出を検討している。日本生物学的精神医学会の武田雅俊理事長は「うつ病の専門家がレベルを上げるのはもちろん、世に広く知ってもらい、政策を動かしたい」と話した。【井上梢】

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