チャンピオンズリーグは激戦の末、PKでチェルシーの物に。

最高レベルの戦いというのは、どんなジャンルでも見応えがあるものですね。



キングダム 26
原泰久


今もこの先百年も秦の敵は誰一人としてここを通れぬ

それが秦 国門函谷関だ!


既巻紹介  1-9巻80点 10-20巻85点 21巻80点 22巻80点 23巻80点 24巻80点 25巻85点


秦の始皇帝即位前の戦乱の中華を、若き李信の視点から描いた一大スペクタクル。

NHKでアニメも6月4日から放映開始。


そして、昨日も書いた通り、今ソーシャルキングダムという企画が行われています。

http://socialkingdom.jp/

プロの漫画家や声優さんも含む1000人で1冊の漫画を描こうという、その題材にもなっているこの26巻。

こういう形で、1冊丸ごと読めてしまうというのも新しく、面白いですね。

私の描いた酷い李牧も掲載されています(笑)

荒木飛呂彦先生や井上雄彦先生の描いたコマも見られるこのサイトは眺めているだけで面白いです。



そんな今巻描かれるのは、ついに勃発した秦国VS合従軍による最大規模の戦争、函谷関の戦い。


史上一度も落とされた事のない難攻不落の函谷関。

圧倒的な高さを誇る城壁は、梯子も矢も届かない。

しかし、それに対し魏軍の総大将・呉鳳明が用意したものとは……


マンガソムリエ兎来栄寿のブログ 先刻の箚記(さっきのさっき)-ipodfile.jpg

信達は趙軍を迎え撃つ。

李牧すら模擬戦で敗れた事もある、という智謀の持ち主の慶舎。

計略を見破る事にかけては追随を許さないヒョウ公と激突する。


マンガソムリエ兎来栄寿のブログ 先刻の箚記(さっきのさっき)-ipodfile.jpg

本能型の将軍同士の知と力のぶつかり合い。

堪らなく面白いです!


そして、最大兵力同士の激突となる蒙武・騰連合軍九万VS楚軍十五万。


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五万人ずつ三部隊からなる楚の臨武君。

変な髪型ながら、白麗の姉でもある奥さん白翠がとても美人。


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秦の王賁、蒙恬と楚の項翼、白麗。

抜きん出た若武者達も一堂に会し、激突する。

今までの描写の積み重ねで作られて来たキャラクター同士の対戦は、得も言われぬ愉悦がありますね。



他にも、桓騎が!オギコが!オルドが!そして我らが信が!

それぞれの思惑と武力が交錯し、躍動する戦場。

面白く無い訳がありません。

まだまだ伏竜となって出番を待っている武将達の活躍も楽しみです。


しかし、何と言っても今巻は表紙にもなっている騰に尽きますね。

王騎の真似をしている所は笑いましたが、この道化た髭面が異様に格好良く見えて来るので困ります。

ファルファルファルファル。


面白過ぎるキングダム。

三国志などが好きな方は是非とも読むべきです。



80点。





賭博覇王伝 零 ギャン鬼編(4)
福本伸行


安全完全十全に勝つ!

そんな不当な勝負ばかりしてきたからさ!

見失う!

リスクを冒すことがギャンブルだって事を!


既巻紹介 1巻60点 2巻70点 3巻70点


「カイジ」「アカギ」「銀と金」などの福本伸行先生による、ギャンブル漫画。


最近の福本作品の中では一番好きなこの「零」。


マダムジュンコとの100枚ポーカー勝負を終えた零。

しかし、勝ち逃げを許さず即座に再戦を申し込んでくるジュンコ。


そこで零は「ぼくのかんがえたきゅうきょくのカードゲーム」を提案する。


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何となく、「天」のナインに似た印象のあるゲームですが、同じ強さであってもスートによる優劣があるので駆け引きの要素は多くて面白いですね。


そして、零のセリフが素敵。


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案の定飛びついた

無思慮なダボハゼが!


思わず噴き出しました。

麻雀を撃って、筋引っ掛けなどをした時に言ってみたいセリフです。


「勘」でなく神がかる!!


など、往年のセリフの切れ味が戻って来ている気がしますね。


ところで、ジュンコってレースクイーンだったんですか!?(笑)

この巻最後の超展開も、福本さんらしくて笑いました。


連載も順調でテンポ良く進んでくれているので、純粋に楽しんで読めています。

次巻の悪徳芸能事務所社長というのは個人的に気になるテーマで楽しみです。



70点。




四月は君の嘘(3)
新川 直司


挑戦するのも生み出すのも苦しいよ

でも充実してる

だから ありがとう

僕の体に積もったホコリを払ってくれて

ありがとう

僕と出会ってくれて――


あの日から僕の世界は鍵盤さえ

カラフルになっていたんだ


既巻紹介 1巻70点 2巻75点


神童と呼ばれたピアニストの主人公・有馬公生。

しかし、彼はある事情からピアノが弾けなくなっていた。

友人や幼馴染に心配されつつも、モノトーンの日々を送る。

しかし、ある日ヴァイオリニスト宮園かをりに出逢った時、彼が見る世界は色付き始める――

各所で話題を読んでいる、キラキラと輝く、青春&音楽ストーリー。

清冽な感情が迸っていて、紙面から聞こえてくる音と共に心が洗浄されるような作品です。


君は何のためにピアノを弾くの?

自分のため?誰かのため?

君はこの曲をどう弾きたい?

本当の君はショパンをどう弾きたい?

かをりに駆り立てられた公生は、再びピアノを始める。

母親の影に囚われていた公生の演奏は、完璧に過ぎるものの面白味がないと評されていた。

そんな彼の演奏は、彼の思いと共にどう変化して、どう人に影響を与えていくのか。


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幼い頃から、公生が居た為に一番になれなかった相座武士と井川絵見。

コンクールに帰ってきた公生に対し、二人は雪辱を誓う。


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海外のコンクールを蹴ってまで、公生との再戦に燃えていた相座。

彼の演奏が、公生にも火を点ける。

そして、それを受けての公生の演奏は――

友人を好きな女の子に惹かれながら弾くピアノは如何許でしょう。

一方で、幼馴染の椿との関係性も絶妙です。

青春ですねぇ。

いやぁ、面白いです。

早く続きが読みたい病が発症しました。

青春恋愛物、音楽、どちらかのキーワードに惹かれる方にはオススメです。

個人的に、1巻で切らず2巻までは一気に読んだ方が良いと思います。



75点。