パナソニック汐留ミュージアムで開催された「ルオーとフォーヴの陶磁器」展web内覧会に行ってきました。
web内覧会の進行スケジュール
18:00~ 受付開始
18:15~18:45 自由内覧(*写真撮影は第1章のみ)
18:45~19:15 ギャラリートーク
パナソニック汐留ミュージアム 学芸員 萩原敦子
19:15~20:00 自由内覧
20:00 内覧会終了
館長挨拶:
・「ルオーとフォーヴ」展、フォーヴって誰と聞かれた。
・フォーヴはワイルド、野獣派。
・壁の色は、第1章は青、第2章は白、第3章はゴールドに塗った。
・この美術館ならではの、
・天井はパナソニックの照明器具、微光色ライトを使用。
・パナソニック製品「スペースプレーヤー」を使用。
・担当学芸員の萩原敦子が、5月3日NHK日曜美術館のアートシーンに出ます。
ギャラリートーク:学芸員 萩原敦子
*第1章の解説のみ、以下に掲載
・ルオー展は、ルオー財団と緊密に連絡を取り合い、年1回開催。
・ルオーは、マティス、ブラマンク、ドランなど、フォーヴの人たちと交流があった。
・フォーヴの陶磁器としては、展覧会で紹介されることは稀で、日本では初めて。
・特徴は、鮮明な色彩、激しいタッチ。
・フォーヴの人たちが、同時期に陶磁器に手を染めていたことは、あまり知られていない。
・陶芸家メテは、日本ではまったく知られていない。
・メテは49歳で亡くなる。
・メテは、作家性のあるものを作りたかった。
・焼物の三つの技法
炻器
ファイアンス
施釉陶器
・メテのモティーフは古今東西の様々な模様
・メテの作品は、使われることを前提に作ったわけではない。
「ルオー・ギャラリー」新収蔵作品
(ルオー晩年の作品)
・「アクロバット(軽業師Ⅶ)」1913年
・「秋の夜景」1952年
展覧会のみどころ
○ルオーもマティスもヴラマンクも夢中になった
陶磁器の絵付け。待望の日本初展覧会。
強烈な色彩を特徴とする絵画を発表した1905年のサロン・ドートンヌの展評に由来して「フォーヴ(野獣)」と称されたルオー、マティス、ドランらの画家たち。彼らが、一時期夢中になった陶磁器の絵付けについて、日本で初めて紹介する展覧会です。
○陶芸家アンドレ・メテの生涯と作品を日本で初めて紹介
フォーヴの画家たちが陶芸に取り組んだのが、陶芸家アンドレ・メテ(1871-1920)の工房です。並外れた才能をもつメテの陶磁器は、探究心と高い技術に支えられ、優雅でありながら大胆な造形性をもち、その美しさで鑑賞者を魅了します。
○来日する陶磁器約70点が日本初公開。
メテの陶磁器18点は世界初公開。
作品は、パリ市立近代美術館、パリ市立プティ・パレ美術館、グルノーブル美術館など、フランスの有力な美術館の他、個人の所蔵家より出品。フォーヴの画家とメテによる陶磁器は、日本ではほとんど所蔵がなく、本展はそれらを鑑賞する貴重な機会といえます。
○フォーヴィスムと装飾芸術の密接な関係を検証
陶磁器や家具など、当時の装飾芸術振興の中心だったサロン・ドートンヌに注目し、装飾芸術と密接な関係にあったフォーヴィスムの見過ごされがちな一側面を明らかにします。
展覧会の構成は、以下の通りです。
第1章 陶芸家アンドレ・メテ―その作品と生涯
20世紀初頭のフランス陶芸史に名を残したアンドレ・メテ André Metthey (1871-1920)は、陶磁器の装飾に力強さを復活させ、色彩と形態への飽くなき探求を続けた陶芸家です。初期の炻器作品から鮮やかな色彩で彩られたシンプルなファイアンス、そして後期の繊細で優美な装飾の施釉陶器まで、フォーヴの画家の重要な協力者だった陶工メテの活動と作品を紹介します。
第2章 フォーヴの陶磁器―火の絵画
マティス、ドラン、ヴラマンクらが絵付けした作品を「フォーヴの陶磁器」として一堂に会して紹介します。彼らは1906年頃よりメテの工房で陶器の絵付けに取り組みます。ファイアンスの光沢ある白い釉に、画家たちの軽快なタッチによる色彩が美しく発色する彼らの作品からは、それぞれスタイルやモティーフは異なるものの、各画家の関心と個性が溢れ出ています。「フォーヴの陶磁器」は1907年のサロン・ドートンヌにまとめて出品されました。
第3章 ルオーと陶芸―色彩とマティエール
陶器制作に長期にわたり熱中し、実り多き活動をした画家、それがジョルジュ・ルオー Georges Rouault(1871-1958)です。1906年から13年までの7年間に、豊富な作品群が生まれました。釉薬の輝きを生かしたルオーの陶磁器には、彼の絵画と同様の青を基調とする鮮やか色彩が用いられ、描かれた主題は、裸婦、道化師など絵画となんら変わることはありませんでした。
陶芸家アンドレ・メタの作品(第1章)
アンドレ・メテ:陶器下絵
「スペースプレーヤー」
「ルオーとフォーヴの陶磁器」展
1906–11年、パリ近郊、陶芸家メテの工房。
―芸術の革新を担う若き画家たちが魅せられた、絵画と陶芸の競演。
1900年代初頭のフランスで、新しい表現を模索していたルオー、マティス、ドランなどの画家たち。激しい色彩を特徴とした彼らの作品が飾られた1905年のサロン・ドートンヌの批評に由来して、「フォーヴ(野獣)の画家」と称されたことはあまりに有名です。しかし、同じ時期に彼らが陶磁器制作に没頭していたことは日本ではほとんど知られていません。画家たちは画商ヴォラールの誘いもあって、パリ近郊にあるアンドレ・メテ(1871-1920)の工房に通います。色彩が釉薬に溶けて輝きを帯びる陶磁器の制作に魅せられた画家たちは、メテの用意する皿や壺に、大胆な表現と巧みなタッチによる絵付けを施します。その新しい装飾性と色彩の輝きは、批評家やコレクターを大いに魅了したのです。本展は、およそ5年間に集中して制作されたルオーとフォーヴの画家による陶磁器を日本で初めて紹介します。特に実り多い陶磁器制作を行ったルオーと、画家たちの創作に重要な役割を果たしたメテに焦点を当てながら、陶磁器のほか、油彩、水彩、デッサンにより、20世紀初頭における絵画と装飾芸術の関係を探ります。フォーヴの陶磁器とメテの作品は、日本ではほとんど所蔵されておらず、フランスから約70点が初来日となる本展は貴重な機会となります。
*会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
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