明治神宮文化館宝物展示室で「菱田春草」展(後期)を観た! | とんとん・にっき

明治神宮文化館宝物展示室で「菱田春草」展(後期)を観た!

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明治神宮文化館宝物展示室で「菱田春草」展(後期)を観てきました。もちろん山種美術館などで菱田春草の名前と作品は少しは知ってはいましたが、いわばちゃんと観るようになったのはこの「菱田春草」展が初めてでした。今回纏まって観たこともありますが、それを機に横山大観らとの活動を知ったことや、また早くして亡くなったことを知ったことが、春草についての興味を深くする切っ掛けとなりました。前期を観てから、大観や観山らの活動を知る機会があり、追っかけるように、松岡美術館でも幾つかの作品を観たし、この「春草展」で知った長野の水野美術館まで春草らの作品を観に行くことにもなりました。また栃木県立美術館の「再興院展の輝き」を観たりもしました。


そして今回、「菱田春草」展の後期を観てきたというわけです。今回のピカイチはなんと言っても横山大観との共作の作品でしょう。大観の「牧童」、春草の「秋草に鶏」、ともに個性豊かな画家ががっぷり四つに組んで持ち味を発揮した二曲一双、と言えるでしょう。また、春草そのものと言える「武蔵野」や「雀の鴉」など、素晴らしい作品がズラリと並んでいますが、なんといっても今回は「動物」を描いたものに優品がありました。例えば「竹に猫」や「白い猫」、そして「鹿」が、春草の優しい人柄を表しているのではないでしょうか。人物を描いた作品が2つ、薄絹を身にまとった美女を描いた「羅浮仙」と、満月に照らされた薄野をそぞろ歩きする若い美女を描いた「秋の夜美人」は、ともにふっくらとした顔立ちで、衣服の描き方に春草らしい特徴があります。


春草の最高傑作である2つの「落葉」、「永青文庫蔵」と「福井県立美術館蔵」、いつか観る機会があると思うので、今から楽しみにしています。今回の「菱田春草」展、展示された作品の数は前期が33点、後期が34点、前後期ダブっているものもあり、作品数としては決して多いとは言えませんが、それでも作品の内容を考えると、かなり密度の濃い展覧会であったように思います。いずれにせよ、この「春草展」から、雅邦、大観、観山、等々へと興味が広がっていったことは、僕にとって得難い経験でした。

















「明治神宮」ホームページ


とんとん・にっき-syu1 特別展「菱田春草」

図録

発行日:平成21年10月3日

発行所:明治神宮










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