クリスト&ジャンヌ=クロードの新たなプロジェクト! | とんとん・にっき

クリスト&ジャンヌ=クロードの新たなプロジェクト!



代官山の「ヒルサイドフォーラム」で、クリスト&ジャンヌ=クロード「ザ・ゲート(門)、ニューヨーク、セントラルパークのためのプロジェクト」にあわせて、クリストの作品を展示している、ということを聞きつけて、さっそく行きました。展示内容は、ドローイングが2点、「梱包されたライヒスターク」と「ザ・ゲート(門)、ニューヨーク、セントラルパークのためのプロジェクト」でした。他に、これまでの主なプロジェクトの写真が数点、展示してありました。という記事を書いたのが2005年2月ですから、今から2年と9ヶ月前です。


「梱包されたライヒスターク(帝国議会議事堂)」(1995年、ドイツ、ベルリン)と、「門」(ザ・ゲーツ)(2005年、アメリカ、ニューヨーク)は実施に移され、実現しました。僕はその前のプロジェクト、「アンブレラ・プロジェクト」(1991年、アンブレラ、日本とアメリカ合衆国のためのジョイント・プロジェクト)を3回ほど現地に見に行ったのですが、このブログでは記事にしましたが、画像は紹介していませんでした。FUJICOLOR SLIDE FILEで一箱ですから、スライドフィルムで200枚ほど、その時に写していました。なにしろ写真を撮影したときは、暗いうちから現地に入って朝焼けから、そして夕日が沈むまで撮影して回りました。まあ、その頃は若かったということですが。


さて、クリスト夫妻の新しいプロジェクトふたつ。ひとつは「オーバー・ザ・リバー」。米コロラド州のアーカンソー川の、60キロのうちの10キロの川面に布を張る、という計画です。布は水面の幅で、両岸の土手から渡されたケーブルで張られます。州や軍など多方面の許可が09年に下りれば、12年にも夏の2週間、実現させるという。予算総額は55億円前後と見積もっています。


もうひとつは、アラブ首長国連邦の砂漠での実現をねらっている「マスタバ」。頂が平らなピラミッドのような構造物をドラム缶を重ねてつくります。高さ150メートルで底面は300メートル×225メートルになります。ピラミッドをしのぐほどの大きさで、構造体の周りにドラム缶約39万本を積み重ねていくという。それにしても驚きました。この「アブダビのマスタバ」プロジェクトは、1979年頃にはそのドローイングがあります。美術出版社板の「現代美術の巨匠・クリスト」(1991年11月20日第1刷)に載っています。


 

現在、作業の打ち合わせなどで来日中、講演やインタビューを通し、進行中の二つのプロジェクトへの思いをあちこちで語っています。1935年、クリストはブルガリアで、ジャンヌ・クロードさんはカサブランカでフランス人家庭に生まれ、今はニューヨークを拠点に活動しています。共に72歳、いつも一緒、「2人で1人」と言い切ります。資金をはいつものことながら、クリストが描くドローイングを売ってまかない、「喜びと美しさの芸術を、自分のために、完全に自由な環境で作る」(ジャンヌ・クロード)のが信条だという。



以下、「アンブレラ・プロジェクト」(1991年、アンブレラ、日本とアメリカ合衆国のためのジョイント・プロジェクト)、このプロジェクトは日本とアメリカで、同じ日にクリストが立ち合い、アンブレラを開くという構想でしたが、日本側が雨のため、アンブレラを開くのが1日延期されてしまいました。つまり、日本の候補地は成田空港に近いところが選ばれたというわけです。ちょっと枚数は多いですが、茨城県内の国道349号線と黒川の周辺地域、里美村、常陸太田市の画像を載せておきます。





un11


un9


un8


un7


un6


un5


un4


un3


un2


un1


過去の関連記事:
代官山の「ヒルサイドフォーラム」

クリストとジャンヌ・クロードの「門」、NYに

アンブレラ、日本とアメリカ合衆国のためのジョイント・プロジェクト

ゲート、ニューヨーク、セントラル・パークのためのプロジェクト

「クリスト&ジャンヌ=クロード講演会」