「夏の風物詩」に向けて。。第54期王位戦紅白リーグ戦開幕
将棋界「夏の風物詩」と言えば、王位戦。
今期の第53期王位戦7番勝負には、羽生善治王位の挑戦者に
藤井猛九段が名乗りをあげ 、大いに盛り上がりました。
現在、年度末の二大決戦
王将戦の真っ只中 で、来週には棋王戦の開幕 を控える将棋界ですが
来期の第54期王位戦挑戦者決定リーグ戦(紅組、白組)の火ぶたも
静かに、そして熱く切られています。。
【 紅組 】
紅組には
前期の挑戦者・藤井九段と前王位である 広瀬章人七段を中心に
実力者が星をつぶしあう、厳しいリーグ戦となりました。
明日は注目の藤井九段が1回戦を戦います。。
<第54期王位戦挑戦者決定リーグ戦・紅組/1回戦>
藤井猛九段-大石直嗣四段
藤井九段の今期ここまでの成績は
37戦24勝13敗(.649)。順位戦はB級2組で7勝1敗。
今期は王位戦挑戦後から
何かが吹っ切れたかのように白星の量産体勢にはいった藤井九段。
先週の金曜日 には竜王戦ランキング戦1組/1回戦で飯島栄治七段に
「相振り飛車」で勝利をおさめ、2回戦進出を決めるなど
好調さは年が明けても維持されており、紅組でも本命と目されます。
対しますは予選勝ちあがり組で
森信雄七段門下の期待の星・23歳の大石直嗣四段。
大石四段の今期ここまでの成績は
42戦29勝13敗(.691)。順位戦はC級2組で4勝4敗。
居飛車党の大石四段は
今期、第25期竜王戦でも決勝トーナメントにも進出 を果たしており
実績と経験を積み重ねた、飛躍のシーズンとなりました。
明日は振り飛車党のカリスマ・藤井九段を相手に
どのような将棋が披露されるのか、実に楽しみ。。。
両者は明日が2度目の対戦。
2011年8月の初手合いは藤井九段が勝利をおさめています。
【 白組 】
白組は何と言っても、渡辺明竜王。
9連覇を達成した竜王戦 を含め、来週開幕の棋王戦 まで
4タイトル戦連続登場が決定済。
さらにA級順位戦でも首位・羽生三冠に星ひとつ差の2位 につけ
「春の本場所」名人挑戦も視界に捉える充実の王者に
誰がストップをかけるのか。。
それが白組の最初のテーマとなりそうです。
おなじみ「羽生世代」の雄
佐藤康光王将、丸山忠久九段と並んで、注目されるのが
大石四段と同じく森七段門下の21歳の新鋭・澤田真吾四段。
澤田四段の今期ここまでの成績は
35戦26勝9敗(.743)。順位戦はC級2組で7勝1敗。
すでにNHK杯本戦出場 などの実績はあるものの
これほどまとまってトップ棋士との対戦を経験するのは
初めてとなる澤田四段。
思いっきり
自分の将棋をぶつけて欲しいところであります。
紅組、白組ともに楽しみなメンバーがそろいましたが
激戦を勝ち抜き、この夏、羽生王位の前に姿を現すのは
果たしてどの棋士となりますでしょうか。。