第71期A級順位戦/7回戦「羽生三冠-三浦八段は相矢倉脇システム」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

第71期A級順位戦/7回戦「羽生三冠-三浦八段は相矢倉脇システム」

名人戦棋譜速報(有料。要登録。)  



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3手目▲6八銀。


上図での持ち駒


▲三浦八段: なし

△羽生三冠: なし



本日行われています

注目の第71期A級順位戦/7回戦

「羽生善治三冠-三浦弘行八段」は、三浦八段が先手。


初手から▲7六歩~△8四歩~▲6八銀~の出だしとなり

今期のA級順位戦でほぼ全ての棋士が参加し意欲的に採用されている

「矢倉」を目指す展開となりました。





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13手目▲6七金。


上図での持ち駒


▲三浦八段: なし

△羽生三冠: なし


後手・羽生三冠も先手の動きに追随し

「相矢倉」模様で進行。。


上図13手目は三浦八段独特の矢倉の駒組み手順。

通常では▲7八金~▲5八金~とするところを

早々に右の金を繰り上げ、矢倉の屋台骨を支えます。


三浦八段の今期ここまでの成績は

25戦14勝11敗(.560)。順位戦は4勝2敗。


ここまで全勝で突っ走る羽生三冠とは星2つの差ながら

本日の直接対決に勝利をおさめれば、残り2戦に他力ながら

プレーオフ進出、名人挑戦権獲得の可能性を残す三浦八段。


三浦八段と言えば

4月20日に行われる第2回電王戦の大将戦出場

すでに発表されていますが。。。


よくよく考えてみると


例年、名人戦7番勝負真っ只中であるはずのこの時期に

将棋ソフトとの非公式戦の相手に選ばれたということは

A級ブランドから落ちることはないし、名人に挑戦することもない

と、事前に第三者に判断されたということでもあります。


12年連続A級在籍、第68期名人戦出場 の実績を誇る一流棋士

三浦八段にとってはリスクばかりが大きく、これと言って名誉でもない

イベントにお呼びがかかったとも言えるわけで、昔気質な棋士ならば

「馬鹿にしてるのか」と、怒り出しても不思議はありません。


三浦八段の器のでかさと自らの実力に対する信頼が

ゴーサインを出したのでしょうが、こうなるとA級の残り3戦で意地を見せ

名人戦登場、電王戦キャンセルという男前な展開も、何だか

見てみたい気がしてきます。。。


そのためには、本日

大の苦手としている羽生三冠からの勝利が絶対条件となります。


ちなみに今期の順位戦では

2回戦・屋敷伸之九段戦(先手○)、6回戦・渡辺明竜王戦 (後手●)で

三浦八段は「矢倉」を採用。




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27手目▲4六角。


上図での持ち駒


▲三浦八段: なし

△羽生三冠: なし


互いに玉の入城を目指す持久戦模様から

先に変化したのは、三浦八段。


後手の角の飛び出し(26手目△6四角)に対し

▲6八角と自重することなく、自らの角も戦場へと送り出し

天王山5五の地点をはさんで双方の角が睨みあう「脇システム」を採用。



この形はまだ記憶に新しい

今月7日に行われました 第38期棋王戦挑戦者決定二番勝負/第2局

「渡辺明竜王-羽生三冠」と同じ。。


この時、後手番で完敗を喫し

棋王戦挑戦の権利を逃した羽生三冠とっては、すぐに敗因の修正を試す

願ってもない機会となりました。



羽生三冠の今期ここまでの成績は

58戦44勝14敗(.759)。


順位戦は開幕から無傷の6連勝中で

すでに7回戦を戦い終えた渡辺竜王(5勝2敗)と

本日対戦中の三浦八段(4勝2敗)に星2つの差をつけ

2年連続全勝優勝、名人挑戦へとひた走ります。。


今期の順位戦では

第2戦・郷田真隆棋王戦 (先手○)、第4局・屋敷伸之九段戦 (先手○)

の2局で、いずれも先手番で「相矢倉」を戦い勝利。


しかし

後手番で「矢倉」を受けること、そもそも2手目△8四歩を

ここしばらく避けていた羽生三冠。


上記の棋王戦挑決/第2局

実に半年ぶりの後手番「相矢倉」となりました。


様々な憶測が囁かれましたが

本局の後手番矢倉、しかも敗れたばかりの「脇システム」ということで

羽生三冠の見解、真価が問われます。



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41手目▲6四角。


上図での持ち駒


▲三浦八段: 角

△羽生三冠: なし



定跡手順の進行となり

先・後同形から端歩を受けあい、上図41手目に三浦八段から角交換。




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47手目▲1五同香。


上図での持ち駒


▲三浦八段: 角、歩

△羽生三冠: 歩


角交換成立(42手目△6四同銀)から

▲2六銀~△6九角~▲1五歩~△同歩~と

棋王戦挑決/第2局と全く同じ進行を辿りましたが

先に手をかえてのは、その時勝利をおさめた先手を持つ三浦八段。。


上図47手目で渡辺竜王が▲同銀と「棒銀」に出たところを

三浦八段は直線的に香車を走らせました。




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55手目▲2七香。


上図での持ち駒


▲三浦八段: 角、歩

△羽生三冠: 香


三浦八段は1筋の香車を確実に交換してから

手にした香車を飛車の頭上に配置し二段ロケット完成。。

見るからに力のこもった2筋を攻撃の基点とします。




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69手目▲4二歩


上図での持ち駒


▲三浦八段: なし

△羽生三冠: 歩2


細かい駆け引きを入れながら

徐々に局面は煮詰まってきました。。


羽生三冠も

香車を飛車のコビンを封鎖しつつ6筋に配置。

馬と銀で三浦攻撃軍を押さえ込みにかかります。


ここで三浦八段は

開戦迫る中、嫌らしく歩を垂らし、総攻撃の下準備。。

羽生三冠は△同金引(70手目)と応じました。




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71手目▲2四歩


上図での持ち駒


▲三浦八段: なし

△羽生三冠: 歩3


そして次に

三浦八段が争点となっている2筋の歩を突きあわせ

いざ、開戦へ。。。


羽生三冠も気合一発、すぐに△同歩と応じた

72手目の局面までで、夕食休憩となりました。




□ 第71期A級順位戦対戦表 (成績順) □



柔らかい手~個人的将棋ブログ-71a



本日は

A級/7回戦として「羽生三冠-三浦八段」の他に


「郷田真隆棋王-屋敷伸之九段」

「谷川浩司九段-深浦康市九段」


の、二局も行われています。