介護体制と介護費用 | NPO法人生涯青春の会

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ここに収録する記述は、会報、エッセイ「癒しの森」、高齢者情報、日々の映像のまとめなどです。

介護体制と介護費用
介護保険内のサービスで足りる?

 右の表は、介護度が最も重い要介護5※の、在宅と施設それぞれの1週間のサービス利用例。まずは、在宅サービスを利用した事例をご覧ください。

 

 朝晩おむつ交換に来てくれる「巡回型介護」が毎日。体を拭いたり料理などをしてくれる「訪問介護」が5回。看護師が健康チェックを行う「訪問看護」が2回。「訪問リハビリ」「訪問入浴」が1回。各サービスは1回30分~1時間。費用は、これらひとつひとつの利用料が加算されます。

 

 ほぼ寝たきりの場合、介護保険範囲内である1日約2時間のサービスでは、常時世話をしてくれるご家族の存在が不可欠です。

 

 介護保険の月額利用限度額は介護度によって異なり、要介護5の場合は約36万円(自治体によって異なる)。被保険者の負担はその一割=約3万6千円ですが、限度額を超えた分は、全額負担となります。したがって、この倍のサービスを受けるなら、約36万円が加算され、月に40万円近くかかる計算になります。しかし、それでも1日4時間程度。本人のケアや家族の負担を考えればもう少し増やしたいところです。


※要介護5…介護なしには日常生活を営むことがほぼ不可能な状態


有料老人ホームはトータルのサポートが可能
 
一方、介護付有料老人ホームの場合は、サービス毎の加算ではなく、一日単位で介護費用が決められています。 しかも、施設には常にスタッフがいるので、決められたサービス以上に柔軟に対応してくれる場合もあります。したがって、多くのサポートを必要とする介護度の重い人ほど、施設の方が快適度は高いでしょう。

 

 高齢者向け施設はタイプが多様で、住宅型有料老人ホームなど介護サービスが別契約となっている施設は、介護体制としては在宅サービスと同じになります。


 「在宅or施設」の比較だけではなく、施設の中でもタイプによって違いがあることを覚えておきましょう。また、今回は要介護5で比較しましたが、介護度が軽い段階であれば、在宅サービスの方が費用負担が軽くなります。


 介護度が軽い段階は自宅で過ごす、介護がまだそれほど必要でない段階から早めに介護施設に入居するなど考え方は人それぞれ。ただ、いずれの場合でも、前もって勉強して計画を立てておくことが大切ですね。

プロフィール

山中 由美 やまなか ゆみ
株式会社Pro・visionチーフコンサルタント。シニア生活情報誌「もも百歳」の編集に携わり国内外の老人ホーム400か所以上を取材。