【ソフトバンク】『志(こころざし)』 孫正義 LIVE 2011 その3 | 『iPhone』オススメ情報-.JP-

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その1
その2

「孫正義 LIVE 2011」アーカイブはこちら(期限は1週間)

口語を文章っぽく補足・訂正しています。
話し方や雰囲気が大事なので是非動画を見てください


ということで、人生の5大勝負、40代の一個目の大きな勝負が、ブロードバンド参入。

そしてもうひとつの大きな勝負をですね、モバイルインターネットです。

そのためにボーダフォンジャパンを買収すると。


「5.ボーダフォン日本法人買収(2兆円)」

身は捨てる覚悟ですけども、でもね、経営者ですから、上場会社の社長ですから、一応つぶれないようにいなければいけないのです。
社員に一緒に討ち死にしてくれー!と言っても彼らの生活もありますから、責任もありますので、
一応色んな計算をしないといけない。色んな戦略も立てないといけない。戦術も立てないといけない。技術的な準備もしなければならない。
当然のことながら、ただ討ち死にすればいいってもんじゃない。勝てるような構えを作ってやっていかなければいけない。

もがき苦しみながら、結果的にはブロードバンドも成功、
ブロードバンドも利益は出るようになりました。
そうやっと利益が出るようになりました。

やっと利益が出るようになって、ネットバブルの傷もすこし癒えて、なんとか利益が出始めたというときに、もう一発勝負に出ました。

なぜなら、19歳のときに決めてたからですね。
40代、私が事業家として40代のときには勝負をすると。
一勝負をすると。
ボーダフォンジャパンを買収しようと思ってた時は、48歳になりました。

48歳。
40代の時に一勝負をする。
ブロードバンドで全財産投げ打った。こりゃまだね、勝負はしたけど、まだちょっと至らない。

48歳、あと2歳残ってる。
ということでもう一勝負かけよう。もう1発全財産突っ込むか!

その頃は、2兆円に時価総額が復活してました。
ネットバブルはじけて、ヤフーBBしたことで2000億まで落ちたんですよ。

そこからまた10倍まで這い上がった。
這い上がった2兆円のときに、もう1回全財産ぶちこんで、2兆円の会社がですよ、2兆円買収金額使って、もう一発、最後の大勝負に打って出たのです。

それがボーダフォンジャパンの買収でした。

そのときは番号ポータビリティが始まる直前でした。
草刈場になる!と言われました。

ボーダフォンジャパン、これはボコボコにやられる。
ソフトバンクになってなおさらやられる。
みんなが言ってました。

そのときに4つ改善しなきゃいけないことがある。
まずボーダフォンジャパンの端末がダサい。
ネットワークがつながらない。
営業が弱い、ブランディングが弱い。
そして、コンテンツがない。

この4つの問題点がある。
しかし逆に言えばこれしかない。

まず4つの問題点を解決しなきゃいけない。
これを改善します。コミットして始めました。

そしてホワイトプランだ。何だかんだと色々なことをやって、何とか這い上がってきた。

そこに、救世主現れるのです。これですね。iPhone

ソフトバンクだけが日本でiPhoneを販売しております。

このiPhoneのおかげで、ソフトバンクはグッとそこからまたさらに上っていったいうことがあります。

そして去年1年間で見ても、ドコモ・auよりも純増のユーザー数が2年連続で1位という形になりました。

この赤いのがボーダフォンの時代、ほとんど伸びてないですね。
グレーのところがソフトバンク。ソフトバンクになって急激に増え始めたいうことであります。

お客さんの数もどんどん増えている。

テレビ宣伝も好感度ランキングで3年連続ナンバーワン。
白い犬、お父さん、白戸家。これも3年連続ナンバーワン。

なんとか、最後の大仕上げのところも、無事に乗り切りつつある。


今私は、50代になりました。

50代でビジネスモデル、事業をある程度完成させる。
と言うのが19歳のときに立てたライフプランでありました。

20代で名乗りをあげる。
30代で軍資金を貯める。
1000億2000億という規模の軍資金を貯める。これが株式上場ですね。
40代でひと勝負。
無茶な勝負をしました。これがヤフーBBとボーダフォン買収。

ちなみにこの2兆円の現金による買収というのは、日本の歴史始まって以来最大の買収ですからね。
日本の経済史始まって以来、最大の現金による買収というのがこのボーダフォンジャパンの買収です。

全世界で見ても、アメリカで1社だけありましたが、人間の歴史で現金による買収では世界2番目です。

そのくらい大きな博打だったんですね。

皆さんから見ればボーダフォンジャパンの買収か、あんま大したことないと思うかもしれませんが、
一応、日本の歴史上、最大の買収、最大の大勝負、しかも、ほとんど全部借金でやったわけです。
むちゃですよね。

まぁでも、40代までは無茶をする。

50代は、ビジネスモデルを完成させる。
借金を2011年度には借金を半分にする。
そして14年度には今から4年弱で、ゼロにする。
純有利子負債、これをゼロにする。

順調にこの通りのペースでいってます。

営業利益のほうも、ガーンとどん底の大赤字になりましたとかいいましたけども、
その後、どんどん利益を出して、この4月からの新年度、来月からの新年度で、5000億の営業利益を出す。いうところまで成長しました。

ボーダフォンジャパンの買収は、40代、一兆円二兆円というというところでしたけども、成功だったと。


どのくらいの利益規模かというと、今年の予想はですね、日本全部の会社で6位。

学生の皆さんは、仮にみなさんがソフトバンクに入社したいと思っても、みなさんの家族、親戚の人に、大丈夫か?と。
そんなわけのわからん会社、ソフト「パ」ンクみたいな会社に入社して、つぶれるんじゃないか?
なんかあそこは借金多いらしいぞ。いうイメージがあると思います。

実は利益では5000億を越した、創業30年で利益が5000億を突破というのは中々ないと思います。
まだ29年ですけど、今年で30年目です。

我々よりも大きい会社はみんなもう50年100年200年という会社ですね。
トップ15社の中では一番若い、もちろん伸び率も一番大きい。

そういうことで、なんとかここまできたと、波乱万丈でしたね。
10代の勝負、20代の勝負、30代の勝負、40代、人生5回のむちゃな勝負をしてきました。
波乱万丈でしたけど、なんとかここまでこれました。


そして昨日ですね、さらにまたコミットしちゃった。

ソフトバンクの携帯を皆さんも使ってる人多いかもしれませんが、時々圏外になる。

どのくらい圏外かというと、仮に自宅の数字でいいますと、98%の自宅は電波つながる。
2%のお客様は自宅で電波つながらない。

これは我々の調査です。


ドコモさんとかauさんは、だいたい99%です。
99%対98%、我々のほうがちょっと負けてる。

それでまあiPhoneとかね、アクオスケータイとかホワイトプランとかいろんな事で、1%の差であればソフトバンクやってみるかというお客さんがいるのは事実ですけれども。

98%は一応つながっていると
いままでは経営的にもそれでいいと思ってたんです。

ボーダフォンジャパンを買収したときから、電波の基地局の数は倍増させたんですよ。

ボーダフォンジャパンを買ったときは、全然ダメだったと思います。
でもそこから倍増させたんです。まあいいか、と思ったんです。

しかし、この3ヶ月間、Twitterをはじめてしまいました。

Twitterをやっていると、生の声が、お客さんの生の声が、毎日バンバン来る。
色んな事を、良い事もたまにいうけれど、それよりなにより、電波つながらないよ!!
何とかしろー!こういう声がいっぱい書かれる。

胸がグサーッ!と来るわけですね。
iPhoneすばらしい。
ソフトバンクのホワイトプランもまあいい。
でも電波つながらなきゃしょうがないだろう。

と言われると、あーっと胸が痛むわけです。
なんかこうちょっと激しそうなことをたまに言ったり、勇ましいことを言ってNTTと戦ったり、
でもつながらないぞーと僕も心が痛むわけです。

そしたらなんとかせにゃいかんと。

銀行さんからいっぱいお金を借りている。二兆円も借りてる。
返すほうに優先しなきゃいけないということで、経営的にはそっちを優先してたんですが、
でもなんのためにソフトバンクの事業を興したんだ。
何のための人生だ。
そういうことをもう一度、Twitterの皆さんの声で、目覚めさせられました。

ガーンとハンマーで頭を殴られた気分です。
電波つながらなきゃしょうがないだろうと言われて、ものすごく反省しました。

こりゃいかん。ちょっと心が濁っとった。
二兆円借金してる、早く返さなきゃいけない。
そのことにばっかり頭がいってて、肝心要の、「何のために事を興したか」、この「事を成す」、「何のための人生」だ。
そう思ったら、やっぱり「電波つながらないとしゃあないだろう」と言われたら、そりゃもう言い訳できない。

いうことで、昨日の「ソフトバンク電波改善宣言」、ということであります。

もう一度腹をくくって、もう一度自分を十字架にしばりつけて、借金も予定通りのペースで返す。
そっちも約束もやぶらない。
それを満たしながらなおかつ、電波をもうちょっとつながるようにする。
100%というのはありえない。
ここがつながらない、あそこがつながらない、というのは永遠の課題だ。

だけどせめてできることは、私たちに出来ることは何だ?
「基地局を倍にする。」ということであります。

「ソフトバンク電波改善宣言
1.基地局を倍増」


電波がつながるように電波を発信する。

携帯電話って皆さんポケットに持ってると思います。無線でつながっています。

しかし、電話同士が直接つながってるわけじゃないんです。
皆さんが持ってる携帯電話は、自分の友達の携帯電話に電波が直接行ってるんじゃないんです。

皆さんが発信すると、電波の基地局に行くんです。
そして電波の基地局から交換機に来て、そこから折り返して、皆さんの友達とか家族がいるところの基地局に中継して、その基地局から皆さんの友達につながる。

ですから携帯電話から携帯電話に直接つながってるんじゃなくて、携帯電話で発信したら必ず自分がいるところの最寄の基地局につながっているのです。
そこから交換機からバックボーンでつながって、交換機のバックボーン網から、もう一回友達のいるところの近くの基地局につながって、そこから友達の端末につながるんです。

基地局を増やさないといけないわけですね。基地局。
これを、倍増させる。いうことであります。

3年間かけて、3年半かけて、ボーダフォンジャパン時代の基地局、倍にさせました。

この倍にしたヤツを、さらにもう一回倍にする。いうことであります。

倍増させたんです。
ボーダフォンジャパンを買ったときから比べたら倍増させたんですけども、もう一回、そこから倍増させるということを昨日宣言しました。

社内では経営会議や役員会議で、喧々諤々でしたよ。

社長ー! 無謀だー!!
そんなに金ありませんー!
そんなに短期間に工事できません!!!とか

いろんなことを言われました

「殿ご乱心を!!!」

うるさいー! 黙れー!!
わしゃ行くぞーッ!
もうわしゃ命を賭けると約束したと、Twitterで書いちゃったぞ。

命かける覚悟で言っちゃったよ、俺は。

お前らは、あーあの人はいい人ですか。そういうつもりかと。

わしゃ命賭けると約束した。これ破るわけにはいかん。
もちろん100%を約束したわけじゃない。
あいつ命賭けると言うとったなら俺もここで便所でつながらんぞ。
だからあいつ命賭ける言うとったから命よこせ!
それもちょっと困る。

100%を約束しているわけではない。
少なくとも電波を著しく改善させます。
そこだけは約束した。

著しく改善させるってどういうこっちゃ?
分かりやすく言えば、数で言うならば、今我々が持ってる3年半かけて作った基地局を、倍にする。

98%既につながってるんですよ。
98%つながってるものを、99%にするために、あと1%ちょっと伸ばすために、倍にする。
というのは経営効率はむちゃくちゃ悪いわけです。

経営的には。
普通、計算をする経営者の立場からすると。
下手すると、1軒の家をつなぐのに、300万円ぐらいかかったりするわけです。

特に山の中のちっちゃな村とかね。

で、たった一人か二人のお客さんを追加で取るために300万かけて、そこに基地局作って、あるいは500万円かけて基地局作ってですね、その3人の家族が一生かけて払ってくれる携帯電話電話代ってそんなにならないわけです。

もう今ホワイトプランでだいぶ安くしちゃってますし

計算だけで言えば、98%行ってるものをさらに倍にするというのは無謀な決意ですよ。

だけど、ゼニ金で計算したらいかんと。

腹をくくって、著しく改善させるったら著しくするんだ!言い訳なしだ!
100%にはならんけど、せめてこちらの誠意を示そう!

電波の周波数を不利なヤツしかもらってないとか、そういう言い訳言っちゃいかん。
一切そういう言い訳を言うなと。

やるんだと。著しく我々にできることを精一杯やろうよ。

ですから、ネットワーク改善宣言の第一弾。
基地局倍増!


第二弾。
それでもつながらないご自宅が1%くらい出る。
それでもつながらないお客様の自宅に、自宅用の小型基地局、フェムトって言うんです。
これをタダで提供する


最後の1%のお客さんに、自宅専用の小型基地局を無償で提供します。
これはブロードバンドにつながってますからブロードバンド回線もいる。
じゃそのブロードバンド回線もタダで提供する。
もう言い訳なしや!

このフェムト専用の回線ですね。
ですから必ずつながる。
ということにしてしまう。

さらに。
店でつながらないぞ!
俺の会社でつながらない!
というお客さんがいます。

じゃあもうこの際だ!店も会社もタダだ!
いうことでこれもタダで提供します。
これも回線もタダで提供する。


さらに、もっと速く繋ぎたい。というお客さんに。
Wi-Fiのルータ。これを店と会社にタダで配る。

もうこの際、やるったらやる!
ということであります。


それでも100%にはならないですよ。
100%にはならない。
100%にはならないけど、せめて我々が示せる誠意を示そう。

我々の腹の底からの想いを、提供しようじゃないか。

この4つの点を、電波改善宣言ということで、昨日宣言したわけです。

まさに我々がブロードバンドに参入するときにおこなった決意と同じ意味の決意であります。


この4つの改善宣言、基地倍増、自宅、店、そしてWi-Fi。

ここまでは、我々ソフトバンクの歩みでした。我々の志であります。


これから、さらに皆さん若いですからね、
これからさらに我々ソフトバンクが何を目指すのか。
2つの方向性です。

「モバイル インターネット NO.1
アジア インターネット No.1」



モバイルインターネットの世界ナンバーワンの会社になりたい。
そしてアジアインターネットのナンバーワンになりたい。

この2つであります。

そもそも、インターネット革命とはなんぞや。

産業革命がありました。

産業革命とは、農耕社会から、工業社会へ。
第一次産業革命というのは、軽工業ですね。イギリス中心にした、軽工業。

第二次産業革命は、重工業。これはアメリカを中心に発達しました。

今は、その第二次産業革命の末期です。
日本が最近輝きを失っているのは、この第二次産業革命の末期で後期、日本の存在意義が揺らいでいる。

アメリカを中心として日本が後追いして、産業革命・工業革命という意味では、より賃金が安い、より材料が安い、中国・インドに全部移っていく。
だから日本の競争力がなくなった。

組み立て産業、ものづくり産業で、日本がもう一度競争力を取り戻すというのは、ほぼない。
私は断言します。

皆さんまだ20代なったばっかりですよね。
皆さんにとって、これから50年の人生がある。
これから50年の人生で、皆さんにとってですよ、日本にとって、これから50年の人生で、賭けてもいい。
日本のものづくりの工業生産国家として、競争力を取り戻して、世界の一位二位を争うような、競争力を取り戻すという時代がもう一度来るか。
輝かしい日本のエレクトロニクス産業、ものづくり産業、自動車産業、そういうことで日本がもう一度輝ける時代が来るか。

私に言わせれば、ありえない。
断言しておきたいと思います。

一部ではありますよ。
一部の会社。一部のセグメントではある。
でも大きな山で見ると、大きなものさしで見れば、賃金の安い中国、インド。
国内の市場のボリュームが大きい彼らに、どうやって賃金・材料で競争できるんだ。

少なくとも今のままの日本の延長線ではない。
なんか大きな革命がおきれば話は別ですけどね。
今のままではおそらくないだろう。

私は少なくともそう思う。


日本が唯一復活できる可能性があるもの。何か?
それは筋肉じゃないんです。人口の数じゃないんです。
頭で勝負するところです。

頭で勝負するところ。


人間の数ではかなわないわけです。
筋肉でもかなわない。
賃金でもかなわない。
頭で勝負するしかない。
ここなら唯一日本の、最後のチャンスがある。


その第一次IT革命は、アメリカでした。
でも産業革命の第一次革命がイギリスという、第二次革命はアメリカに移ったケースが有るように、

IT革命では第一次IT革命はアメリカですけども、第二次革命として、アジアが中心のIT革命というふうになりえる。

PC中心からモバイル中心に。
ということでもう一度スタートラインに並びなおす。というチャンスがある。

この2つの面でチャンス到来です。


アジアを制するものが世界を制す。
モバイルを制するものがインターネットを制する。


こういう、もう一回だけ、最後のスタートラインの仕切りなおし。
だから私はモバイルインターネットということを言ってるわけです。


「モバイルインターネット NO.1」

モバイルインターネットナンバーワンを目指そう。
我々のグループはですね。

なぜモバイルインターネットか。

通信の速度、これが750倍になった。
携帯にはいってるCPUの演算処理速度。これは500倍になった。

ものすごい勢いでまだまだ進化しているわけです。
ものすごい勢いで成長しているわけです。

逆に言うとですね、産業革命の後期にある、末期にある分野、代表的な例が自動車です。

自動車はこの10年間で、エンジンの速度が何倍になったのか。
1.1倍ですよ。1.1倍。

たった1.1倍しか伸びてない。
つまり成熟産業なんです。
完全なる成熟産業。
だからアメリカの自動車会社が、三大自動車会社が全部おかしくなった。
あれほど栄えてたアメリカの自動車会社が、全滅状態になった。

ついこのあいだトヨタがぶっちぎりで世界最大の自動車産業、再大の利益を出して、日本でも最大の利益を出して、これからトヨタの天下がずっと続く。
多くの人が思ったことでしょう。

でも、大赤字に転落した。
いまから復活してくると思いますけど、復活はするでしょうけども、輝かしい、大きな成長がこれからどれほど見込めるのか。
ということでいえば、若干クエスチョンマークが有ります

なぜなら成熟産業だから!
成熟した産業は、賃金の安い国。資源の安い国に、国内の、しかも自国の国のユーザー、消費者をたくさん持ってる国に需要が移ってしまう。

そういう意味で厳しいというわけですね。


だけど、モバイルインターネットの世界は、まだ始まったばかり。

この中でiPhone使ってる人、手を挙げてくれますか。
おー、すごい。8割5分だね。

こん中でTwitterを使ってる人、手を挙げてください
あーすごいわ。98%ぐらいですね。

すごい。

僕がすごいと思うのはね、ヤフーを始めて、1年後のこういう新卒の説明会で、同じように聞いたんです。ヤフージャパンを始めて1年目。
まだ日本の消費者がほとんど使ってないとき。
この学生の皆さんに聞いたら、98%くらいの人がヤフーを使ってるって手を挙げました。

日本でまだ8割以上の人がiPhone使ってる状態じゃないよ。
98%の人がTwitter使ってる状態にはまだほど遠い。

でもここにいる感度ビンビンの皆さん、
98%Twitterを使っている、8割以上、8割5分ぐらいの人がiPhone使ってる。
それだけ感度が高い人たちが今日集まってる。

嬉しい、すごく嬉しいです。
まさに皆さんは分かってる。本能で分かってる。

世の人々よりも先にわかっていることであります。


ということで、この10年で世界の携帯電話のユーザーは、7億人から50億人に増えたんです。

さらに増えます。
モバイルインターネットが世界のユーザーが続々とこれから増えてくる。


そしてインターネット市場が、これからは電話の会社を中心とした携帯ではなくて、インターネットの会社を中心とした、モバイルインターネットの時代になる。

携帯電話は電話会社がほとんど始めました。

インターネット会社が携帯の会社を買収したというのは、おそらく我が社が初めてだろうと。
でもこれからは、違うんです。

携帯が音声を中心とした携帯「電話」と言われる時代から、携帯「インターネット」と呼ばれる時代に。
モバイルインターネットという時代になる。

ますますiPhoneは強くなる。
もちろんiPhone以外にもAndroidの、スマートフォンも続々と出てくる。

こういう時代がくる。

日本でもiPhone売れまくってます。

Twitterでも、私は人々に多くの人々に聞きました。
30年後の教育はどうあるべきですか?

「30年後の教育はどうあるべきだと思いますか?」

聞いたら一瞬で、1時間で230件の意見が寄せられた。
そういう時代が来る。

まさに人間の脳を、人々の知恵と知識を集めて、そういうことを推進して、人類の社会、発展に、幸せに貢献する、それがソフトバンクの理念です、志です。

まさにTwitterがその状態だ。
私がTwitterに熱くなるのは、そういう理由です。

Twitterだけに限りません。
Twitterが先進的な事例ということであります。

人々の脳と脳を合わせたような、知恵と知識を集めて、人々がより幸せになれる。そういう社会がやってきた。
それに我々は貢献したい。

やりましょうリストも、昨日発表しました。

私がすぐツイッターでいろんな人からリクエストが来るとですね、「やりましょう!」
社員が右往左往しておりますが

http://togetter.com/id/SoftBankCorp

言ったことをちゃんと果たさないといけない。
工程表を作った。
「やりましょう」リスト。
「できました」リスト。
「検討します」リスト。
3つに分けて見やすくした。

これからどんどんと経営の意思決定の速度を速くする。
経営意思決定をするのに消費者の皆さん、ユーザーの皆さんと直接対話できるような状況に持っていきたい。

さらに、今日も流していますが、Ustreamも、文字だけじゃなくて、リアルタイムの動画で世界中の人々と情報共有する。

そこに世界中の人々が、ツイッターで文字で意見を双方向で寄せられる。

人と人がつながる、人と人の心がつながる。

決算発表会もこないだやりました。
これも初めてUstreamで流しました。
なんと決算発表会の間だけで、10500件のTwitが来た。
1回の決算発表会で、リアルタイムに。すごいことですね。ありえない。

流れてくるTwitの状態が、映画でありましたね緑色の文字がダーッと流れてくる。マトリックス。
まさにあの状態。すごい勢いで流れました。

そういう時代がやってきたということですね。

ライブの中継も配信されました。

あらゆるコンテンツが流れる。
まさにモバイルインターネットの時代がこれからやってくる。

それが1点目。

もう1点目は、「アジアを制する者が世界を制する。」

中国のGDPが、今年確実に日本を抜きます。世界で2位になります。

そのまま勢いが止まらないで、アメリカを抜くところまで行く、
中国は世界最大のGDP国家になります。

インターネットの通信も、10年ちょっと前、アメリカが5割くらいあった。アジアは19%。

それがいまや、これからもうじき、アジアが50%。アメリカが12%。
つまりアジアを制したものがインターネットを制するという時代が、間違いなく来るということであります。

ゲームソフトの市場。
これも全部インターネットになっていく。急成長する中国は日本を確実に抜いていくでしょう。

そのアジアで、ソフトバンクグループは着々と手を打っております。
つまり中国が一番大切なんです。

中国の企業間のイーコマース、ナンバーワンのシェア、99%のシェアを取ってる。

B2C、C2C、日本でいう楽天だとか、ヤフーショッピングだとか、アメリカでいうアマゾン、イーベイに相当する企業がタオバオです。
このタオバオは、中国全部のオンラインショッピングの8割のシェアを取ってる。

ダントツ、最大ですね。
オンラインの支払いの決済でも、9割シェアを取ってる。

SNS。ソーシャルネットワーク。日本でいうmixiだとか、Twitterとか。そういう部分でも圧倒的なシェアを取りました。

イーコマースの規模。日本をはるかに越える。

ソフトバンクグループのタオバオは、オレンジ色。去年で3兆円、今年は5兆円くらいです。

楽天はまあ8000億円ぐらいですから。

同じ日本円に換算しても、圧倒的に抜いてしまった。

これはソフトバンクとアリババが50%ずつ出したジョイントベンチャーで作った会社がタオバオであります。
私が言い出しっぺでございます。

アリペイのユーザーも、中国全土のクレジットカードを抜いた。

人人(レンレン)。これは日本のmixiとかモバゲーとかに相当するもの。
これも8割以上のシェアを取っている。1億3000万人になっています。

そういうものを単純合算すると、ソフトバンクグループの中国におけるインターネットユーザーは、ソフトバンクグループだけで6億人になったっと。ダントツ最大ということであります。

さらに、モバイルインターネットとして、中国一のチャイナモバイル。ヨーロッパ一のボーダフォン。アメリカ一のベライゾンの会長を説得して、4社のジョイントベンチャーを作りました。
これがJILです。

4社の合弁会社の会長を一応私が、初代会長を務めることになりました。
まあ一応持ち回りですけどね。初代は私にやってくれと推薦でしたので。

いまこの顧客規模が10億人いる。

ここから最後ひとことが入ります。

「60代 次の世代に事業を継承する」

いま50代です。52歳ですが、60代になったら、61歳から69歳のどこかで、皆さんの世代にバトンを渡す。次の時代に経営を移す。

そこで、今年の6月の株主総会で、ソフトバンク30年ビジョンを発表します
ちょうど30周年になります、今年の9月で。
30周年になりますので、次の30年分のビジョンを発表します。

30年前に掲げたビジョン。
それは、マイクロコンピュータのチップがあらゆる人類の未来を一新させる、将来可能性のあるビジョン。
現在、まさにそうなりました。
マイクロコンピュータは自動車にもエアコンにもパソコンにもテレビにも携帯にも、ありとあらゆるものに入ってます。
そのときのビジョンが、このように実現したわけです。

もうひとつのポイントは、30年前に、数は一兆二兆(一丁二丁)と数える規模にしてみせる。
まさに現在、売り上げが2.7兆円になりました。
2兆円の買収も行いました。
売り上げも買収も、一兆二兆と数える規模になりました。

これからどうなるのか、まずは大きな枠組みで見ると。

コンピュータは脳細胞を超えるということであります
人間の脳細胞は300億個。シナプスというものがあります。
これがくっついたり離れたりっと、300億個あります。
人間の脳は有限です。

2000年前も現代も同じです。
今から2000年後も300億個です。

人間の脳細胞の数はもう決まったんです。DNAで。
でもコンピュータは違います。

2018年にワンチップの中に入ってるトランジスターの数が、300億個を超えます。

人間の脳細胞もオン・オフで、くっついたか離れたかで、シナプスがくっついた離れたかで記憶をしたり、考えるということをしてる。

トランジスターも、くっついたり離れたり、電流が流れる・流れないでオン・オフ。人間の脳もコンピュータのチップも2進法です。

ですからハードウェアの面では、コンピュータのチップが人間の脳細胞を機能的に超えるのは、ハードウェアの能力としてで超えるのは2018年前後です。

2018年に300億個を超えるだろうということを、私は20年前に計算して予測を立てました。

実際にも今その通りのペースで動いています。

もう一度計算しなおしました。2年くらい前に。同じ結果が出ました。

ですからまさにそのペースで動いている。

そのような進化が生まれるとき、人間社会がどうなるのか。
テクノロジーはどうなるのか。人々のライフスタイルはどうなるのか。
それらをこれからまとめて、6月に発表します。

ソフトバンクの目指すべき、21世紀の人々のライフスタイルについてのビジョン。
そこにソフトバンクが経営としてどう取り組んでいくか、ということを語りたい。

志は1回も変わっていません。

その志を実現させるためのビジョンであります。

で、私は60代で引退したあとに、何をするんだ?

「ソフトバンクアカデミア 初代校長 孫正義」

私の夢は、ソフトバンクアカデミア、設立。そこの初代校長先生になりたい。

私のささやかな最後の夢である校長先生になりたい。

何をするところなのか?

もともとアカデミアとは語源、最初のオリジンは、紀元前387年、プラトンが創設した。哲学を教授した。
15世紀にメディチ家によって「プラトンアカデミー」として復興した。

もう一度21世紀に、ソフトバンクアカデミアとしてさらに進化させたい。

そのアカデメイア。最初の入り口に書いてある。

「幾何学を知らぬ者、この門をくぐるべからず。」

それを、ソフトバンクアカデミアの門に書きたい。

デジタル情報革命の志を持たない者、この門をくぐるべからず。

そのソフトバンクアカデミアは、ソフトバンクグループの経営陣を育てる。リーダーを育てる。
そのための学校です。

リーダーに求められる必要不可欠な条件、それが「高い志」であります。

皆さん、全員がリーダーになる資格がある。
皆さん全員が、イコールチャンスを持ってます。

ちなみに私の後継者になると、ソフトバンクグループの社長になる人には、とりあえずストックオプションで100億円ぐらいは出したいと思ってます。

ですから皆さんも退職金ソフトバンクに入ると2000万かな、1000万かな、3000万かな。
そういう、細かい計算はしないでほしい。

やるなら100億円くらいちょっともらおうかな。
そのくらいの気持ちでいて丁度いい。

それは、お金のためにものを考えてはいけない。
さっき僕が言ったとおりですね。

でもやるなら、そのくらいのことは次の経営者にバトン渡すつもりですよ。

僕の直接の、グループ全体の後継者にならなくたって、ソフトバンクグループで5000社くらい作りたいと思ってます。
いま800社です。

800社くらいしたい!
ソフトバンクグループがまだ4-5社のときに僕は言いました。
ソフトバンクグループはいずれ800社ぐらいにするぞ!

800という数字どっからきたんですか?
まだ10社くらいに言ったら部下に聞かれた。
800ってどこから来た数字ですか?何の根拠ですか?

そんな根拠なんかない。嘘でも800だー!

本当に800社になりました。

800社になりましたが、僕が引退するころには、5000社ぐらいにしたい。

あんまり根拠ありません。
でもそのくらいにしたい、というイメージを持ってる。

ですからこのソフトバンクアカデミアのそういう経営陣だけでも5000人になる。

皆さんは、5000人の社長になる資格がある。
5000人のCFOになる資格がある。CTOになる資格がある。
財務の責任者、技術の責任者。そういう資格がある。

副社長になる、役員になる資格がある。

5000社あれば社長だけで5000人ですから、経営者道場みたいなものにしたい。
5000社あれば、社長と財務担当総責任者と技術担当総責任者、それだけで15000人になります。

さらにそれはソフトバンクグループを離れて、もう少し多くの人にできたら広めていきたいなと思っています。

そういうものを21世紀のプラトンアカデミーにしていきたい。

金を残すより、
名誉を残すより、
人を残したい。
人に志を残したい。


というのが私の思いであります。
というわけで30年ビジョンを6月に発表します。


続く

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