アルゲリッチさんのバースデーなので・・ | 愛の夢のつづき

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指が楽に動き、音が美しく響くピアノ奏法と
楽譜を深く感じ取る音楽表現法を
札幌、東京、大阪、オンラインで指導 している野谷恵です。

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今日、6月5日は、

マルタ・アルゲリッチさんのお誕生日です。


中学1年でゲルバーさんにハマり、

続いてアルゲリッチさんにハマり、

どんどんクラシックにハマって、

お小遣いは全部、

クラシックのレコードと音楽雑誌に

遣っていました。



そういうふうに

同じ人のレコードを集めて

とことん聴くことで、

その人の特徴をなんとなく掴んで、

同じ曲の他の人の演奏と聴き比べたり

評論家の批評を合わせて読むことで、

なるほど、そういう言葉の表現になるのか・・

なんて面白がっていた、

完全にオタクな子でした。



中学3年の時、

アルゲリッチさんに直接会えた時のことを書いて

音楽雑誌に送って採用され、

原稿料を頂いたのが初収入でした。



2年ほど前にも載せたのですが、

新しい読者の方が多いと思いますので、

再掲します。

よろしかったらお読み頂ければ幸いです。

連れていってくださった先生と

通訳の方が席を外され、

彼女と二人きりでした。

また、

私は子供の頃から

大人っぽく見えました。

多分、中学生とは

思われていなかったと思います。


****★ 大昔のステレオ芸術より ★******

『 私のアルゲリッチ 』

           野谷 恵 (15歳) 中学生
             
   プロコフィエフ・ピアノ協奏曲第3番&ラヴェル・ピアノ協奏曲ト長調
    マルタ・アルゲリッチ(P)
    クラウディオ・アバド指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
    (日本グラモフォン)



 彼女は気軽な調子で、”ハロー”と言った。答えようとしたが声が出ない。かすれた声でやっと”ハロー”。

はっと気がついてあわてて右手を出した。柔らかく握ってくれたちょっとかたい彼女の手の、何と暖かかったこと。


4月30日、ピアノのE先生に連れられ、私のアルゲリッチに会うためにグランドホテルへ。

彼女、9月に赤ちゃんが生まれるそうだ。先生のお嬢さんがショパン・コンクール以来の友人で、

彼女のマタニティドレスを頼まれたそうだが、既製服では身体にあわず、4日間の超スピード・オーダー。

その日はホテルで仮縫い。

演奏旅行がいそがしく、服を作る暇がないのだそうだ。彼女は困ったろうが、私には幸運。

そのために憧れの彼女に会え、お話までできたのだから。

以下は彼女と私のおしゃべり。


”今日はすばらしいお天気ねえ。あなた英語できる?”

”はい・・・・・・・・少し。”

”何か飲まない?”とそばにあったメニューを差し出す。

”あのー、でも・・”

”あら遠慮しなくていいのよ ”


ボーイを呼ぶが、なかなか来ない。

苛立たしそうな彼女を見ているうちに緊張がほぐれた。こちらから質問。

”お子さん、いらっしゃいますか?”

”(微笑)ええ、いるわ。”

”男の子?”

”女の子”

”幾つかしら?”

”六つよ”

遠くを見つめてフッと微笑。きっと、ママそっくりの可愛い子だろう。

話がつかの間とぎれた。白く長い足を組んで、うつむいた彼女の何て美しいこと。

思わず、言葉が口をついて出た。

”あなたって、きれい”

顔をあげて ”まあ、(笑) どうもありがとう。ねぇ、あなた、E先生のところで勉強しているの?”

”はい、私、あなたの演奏が大好きなんです。レコードも全部持ってます。”

”まあ、ありがとう”

”私、プロコフィエフの協奏曲が一番好きです。ほんとうに素敵。”

”まあ、(目を輝かせて) ええ、ええ、私もよ。あれはいいわ。私も大好き!あなたは弾くの?”

”とんでもない!”

二人で大笑い。


・・・・・・その帰り道、私は1月に来日したときの、彼女の演奏会を思い出していた。

明るいライトの下、あの美しい顔いっぱいに笑みを浮かべ、軽く頭を振りながら、

憧れの彼女は現れた。歩き方、お辞儀の仕方、腰かけ方、総てが彼女そのものだった。

会場は隅々まで彼女の色に染まり、彼女のにおいが溢れていた。

これが本当の生演奏なのだと思った。


美しいフルートの導入。ピアノが光り輝き走り出す。プロコフィエフの第3協奏曲。

私の大好きな曲。

彼女は名高い難曲を、余裕綽々として弾いてのける。正に稀有の<天才ピアニスト>である。

強烈な印象を与えられた。あれから1年が過ぎようとしている今でも、このレコードを聴くたびに、

あの夜の彼女の演奏が生き生きと甦ってくる。

2,3年後にまた来たいと言っていた彼女。その時の彼女の演奏が今から楽しみでならない。



**** 補足 **************


中学~高校時代、身体が弱く、

よく学校を休んで寝ていて、

半端じゃない長時間、

レコードを聴いていました。

彼女に会ったのが中学3年の4月で、

生演奏のプロコフィエフ(札響定演)を聴いたのは、

中学2年の1月でした。

それ以前の私はプロコは大嫌いだったのですが、

せっかくアルゲリッチが来て生で聴けるなら、

それまでの間に、

この曲が理解できたらいいな・・と考え、

何ヶ月も、とにかく毎日、毎日、

繰り返し、繰り返し、聴き続けました。

そうしたら、

好きになれたわけです。(^^) 


苦手なものも、沢山接すると

良さが分かるようになると、

中学生で知ることができて幸いでした。





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                 Megumi(野谷 恵)