外人からみたモンスター・ハンター (2)
日本では超メジャーなモンスター・ハンターだが、海外では大きな成功を収めてはいない。モンスター・ハンターは海外でどのように見られているのだろう?USの大手ゲームサイト:IGNがこの点をリポートしているので、ご紹介したい。
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どうして日本のゲーマーはモンスター・ハンター中毒なのか?
バイオレンスなゲームについての楽しみ方では、日本のプレイヤーとアメリカのプレイヤーには違いがあると広く信じられている。日本の消費者は、暴力的なゲームをプレイするには、もっともらしい理由付けが必要だというのだ。MHをみればこれは全く的外れだと分かる。
西洋におけるBulletstormのように、誰かの尻にグレネードを喰らわす理由が「だってクルーじゃん?」で充分な世界にも似て、ズボンにとりつけたら超イカす牙を持っている、ということ以外は名ばかりの「モンスター」を狩ること正当化する理由は、特に持ち合わせてはいないようだ。
だがそんなことは全然どうでもいい。あの牙はすごくピカピカだから絶対いただき、それで沢山だ。
プラチナトロフィーがプレイヤーをひどく魅了すように、約束された報酬はゲーマーをプレイするように煽りたてる。手に入らないアイテムをもとめて、プレイヤーは気が狂ったように何時間でもぶっ続けで龍を殺し続けてしまうだろう。
正しいやり方で接すれば、このゲームはショックをうけるほど面白い。キャラクターのクラス、移動タイプ、使用する武器が、沢山設けられているため、やりこみ性も最も高い部類に入るのだ。
西洋のプレイヤーはなぜ狩りをしたがらないのか?
東洋の影響があるにもかかわらず、Final Fantasyのように真にすばらしいJRPGは、世界全体にアピールするほどのポテンシャルがあると思う。ならば、なぜMHはそうではないのだろうか?
現代のゲーマーがMMOをプレイすることに費やした時間の総量からして、凝ったシナリオがないことは、MHが売れない原因としては考え難いだろう。まさに同じ理由から、プレイがあまりにも繰り返し的だということも理由にはならない。
Call of Dutyだって、同じくこの説には当てはまらない。別にこれらのゲームがハードすぎるからではないだろう。結局、デモンズソウルほどの厳しいゲームにでもちゃんとファンはいるのだ。
違うのだ。世界のゲーム文化における様々な違い等より、理由はもっとずっとシンプルなのだろう。バイオレンスやモノ集めというテーマは西洋では流行らないという思いつきに至っては、もはやジョークでしかない。
おそらくは、ドラゴンクエストの場合と同じように、十分なプロモーションがずっとなされてこなかったことが理由なのだろう。Enixのメジャータイトルと同様に、西洋ではまだ発売されてもいないうちから、「日本でだけ熱狂的に盛り上がっている」とみられるようになってしまったのだ。
東洋だけで人気があるというイメージが、実際にが西洋に登場する前にできてしまったので、ゲームを手にとるより前に、自分たちがプレイヤーとしては考えられていない、西洋のプレイヤーは思うようになってしまったのだ。
MHについては、カプコンはマーケティングのスタンスを見直すべきだ。アメリカのTVで放映されているMH Triのコマーシャルには、おバカで滑稽な寸劇が出てくるが、このゲームには全然合っていない。
アメリカのゲーマーのほとんどは、Call of Dutyを買うとき、これがこのジャンルで最高のゲームだと信じているだろう。それと同じように、アメリカのゲーマーはMHというゲームを信頼していい。
パレード風に飾り立てられたバスからポケモンが次から次へと出てくる昔のポケモンのコマーシャルのように、MHは日本から来たとっぴで奇妙なゲームではなく、アメリカ中を怒涛の熱狂の渦に巻き込むゲームだとマーケティングすべきなのだ。
なぜMHは重要なのか?
MH3GとMH4という2つの大きなリリースは、どちらも共に任天堂3DSに向けだとアナウンスされている。もちろん、これらのタイトルが他のプラットホームに展開されない理由は全くない。
MHは日本最大のタイトルの一つであり、西洋のゲーマーはこれらのタイトルにもっと関心をもつ必要がある。日本のゲームをもっと西洋で出してくれることを心から望んでいる、というメッセージを伝えるためだ。
特に任天堂のファンは心得ておくべきなのだが、出して欲しいと願ったゲームを買わないということはやるべきではない。MHのように大きなタイトルを無視するということは、とりもなおさず、東洋の大型タイトルは西洋には不要だというメッセージを伝えることに他ならないだろう。
MHはすばらしいシリーズだという事実は、今更言うまでもない。MHは万人向けのゲームではないかもしれないが、その人気にふさわしい傑作である。
ちょっと腰を上げて、MH Triを手に取ってみて欲しい。漢字と同じくらいに異国風に感じられるかもしれないが、このゲームにドはまりしてしまうかもしれない。やってみるまで、あなたにだってわからないのだ。
NS:IGN
(http://wii.ign.com/articles/119/1195102p1.html)