ゴスロリを脱いでも / マイナス人生オーケストラ | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

ゴスロリを脱いでも/マイナス人生オーケストラ

¥500
Amazon.co.jp

1. ゴスロリを脱いでも
2. 犬or人間

随分と久々な気がするマイナス人生オーケストラの新作。
彼らとしては初の配信限定作品です。

「ゴスロリを脱いでも」は、サビからスタートするアッパーチューン。
全体的にはハードさを意識しつつ、サビでは、これでもかというほどに切ないメロディを持ってきた。
サビに突入しそうなところで煽りパートに突入したり、印象的なギターソロが待っていたりと展開も多く、ドラマティックな構成になっています。
第一印象としては、ライブで盛り上がりそうな楽曲だな、と。

サウンドとしては、同期と生音のバランスが良い。
音の密度を同期で濃くしている一方で、ギターソロになると空間を聴かせるようなアプローチにもなっていたりして、常にハイテンションを維持しながらも、緩急がつけられているのが面白いですね。
サビのラストの余韻を残すようなところも、描かれている内容とシンクロしてグサグサ刺さります。
元ネタはあれかなぁ、と思いあたるところはあるが、実にHaLさんらしい歌詞である。

「犬or人間」は、彼らの王道。
ピコピコサウンドを重ねに重ね、カラフルな絵の具を混ぜ合わせて黒を作り上げるようなサウンドメイク。
マイナーコードでハード&メロディアスに進行しながら、コミカルに歌い上げる場面もあって、なんとも賑やかです。

シニカルなのか、ふざけているのか、さらっと聴いただけではわからない。
ノリは軽いが、実は深いことを語っていたり、何度も聴き返すことでわかってくる表裏。
これぞ、マイナス人生オーケストラの真骨頂。
現在の彼らのスタイルを体現した楽曲と言えるのではなかろうか。

もともと、音源の価格設定がリスナーに優しいものだったこともあり、ダウンロード販売が、価格の面で強みに見えないのが可哀そうというか、なんというか。
今までが安すぎたのだとは理解しつつも、どうせ同じくらいの値段だったらフィジカル作品で欲しいなぁ、と考えてしまったのも事実。

まぁ、そうは言っても、時代は流れるわけで。
楽曲としては、どちらがシングルになってもおかしくない、"らしさ"満載の充実した内容。
配信音源に抵抗があるリスナーも少なくないとは思いますが、それを理由に聴き逃すのはもったいないですよ。

<過去のマイナス人生オーケストラに関するレビュー>
地球の転び方
ネットで叩ぃてゃノレ!
サブカルチャー入門~もしもし渋谷~
アイアム ア ロボット
未来予想図X
人間の証明
神様、ディスコにて堕天。