【書籍】欧州特許(2)-欧州特許実務ガイド | 特許翻訳 A to Z

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1992年5月から、フリーランスで特許翻訳者をしています。

前回は、欧州特許制度を俯瞰するのにちょうどよい書籍を取り上げました。
いずれも目次から明らかなように、制度の内容で分類されています。

一方、今回の書籍は「条文単位」です。

■欧州特許実務ガイド (4-8271-0423-9)  久木元 彰 著
冒頭に「施行規則の規則の引用頁」と「引用審決例」のリストがあり、そのあと、EPCの第1条から順に日本語で解説されています。

たとえば第14条「欧州特許庁の言語(Language of the European Patent Office)」の項には、
条文の説明(p.8)からはじまって、
規則1「書面手続における手続言語に関する規定の一部修正」(p.9)、
規則2「口頭手続における手続言語に関する規定の一部修正」(p.10)、
規則3「削除」、
規則4「欧州分割出願の言語」、
規則5「翻訳文の証明」、
規則6「期間および手数料の割引」(規則3~6がp.11)、
規則7「欧州特許出願の翻訳文の法的真性」(p.12)
という具合に、14条だけでも5ページにわたって説明されています。

初版が1980年、新版(第2版)が1995年で、2000年に第3版が出たところで止まっています。
【索引】
335ページから337ページに50音索引のみ。

 

欧州特許実務ガイド 欧州特許実務ガイド
3,240円
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2000年といえば、翻訳者にとってはある意味で非常に重要な年(ロンドン協定採択)。
ほかに類書がなかっただけに、2000年の時点で翻訳者がEPCを条文から理解するには、実質的に唯一の書籍だったと言っても過言ではないでしょう。

ただ、もうすぐ下記の対訳書が刊行されるようですので、16年ぶりに状況が変わるかもしれません。
この新刊は、とても楽しみです。

 

 

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