特許翻訳 A to Z

特許翻訳歴25年、業界改善を目指した情報発信歴22年。
自らの試行錯誤に加え、参加者数のべ1000名を超えるセミナーや講座、年間50名前後の個別相談などを通して得たスキルアップのヒントをお届けします。


テーマ:

欧州特許に関する日本語の書籍は、たとえば米国特許に比べると、圧倒的に少数です。

私が翻訳者になったばかりの90年代前半には、片手で数えるほどしか刊行されていませんでしたし、25年を経た現在でも、難なく「すべてを」読破できる程度の冊数です。
こうした書籍を、翻訳者の立場から、少しずつ順番にとりあげます。

 

 

■要点解説 欧州特許入門―出願から審査・異義・審判まで
初版が2002年、現在の第2版が2008年です。
著者は、大阪大学を卒業後に特許庁に入庁し、審査官を経たあとに弁理士資格を取得しています。
USPTOでの弁護士登録もあり、特許関係の著書が何冊か出ています。
(→著者プロフィール

本書は、見開き2ページまたは4ページを1単位として、青と黒の2色刷で構成されています。
(→目次
すべての見出し項目に英語が併記されているため、インターネットで条文や審査基準を調べるときの手がかりにもなります。
現行法と照らすと情報が古い部分もありますが、法制度に初めて触れる人がEPCの概要を大ざっぱに俯瞰するには、ちょうどよい内容と量でしょう。

【索引】
第2版で233ページから239ページが五十音順、241ページから243ページがABC順(116項目)

 

 

 

■ヨーロッパ特許要点ガイド

初版が上記と同じ2002年で、2007年、2010年、2012年に改訂されて版が変わっています。

日本の弁理士が書籍全体の構成、枠組みを設計し、欧州の弁理士・ドイツ弁理士が英文で原稿を作成した後、日本の弁理士が検討して日本語化するという3段階で執筆されています。
2010年の改訂2版でAmazonの目次閲覧が可能になっています。

この書籍も、見出し項目に英語が併記され、見開き単位で構成されています。
赤と黒の2色刷。

【索引】
2010年改訂2版で、274/275ページがABC順(95項目)、276から278ページが五十音順

 

 


両者とも、概要書のような書籍で、細かいことまでは書かれていません
ただ、各論を扱う書籍では「どこが重要で、どこがそうでもないか」が分かりにくいのに対し、総論寄りだと「ここだけは押さえておきたい」ポイントが明確です。
両者には重複する内容も結構ありますが、両方に目を通すと、視野は確実に広がります。

私は以前、この2冊を使ってEPCの制度と対応条文をA4版のノートにまとめたことがあり、そのノートは「いまでも」時々使います。
この制度、何条だったっけ?というようなときにインデックス感覚ですぐに調べられるので、かなり重宝しています。

■関連記事

【書籍】欧州特許(2)-欧州特許実務ガイド

【書籍】欧州特許(3)-実務家のための欧州特許条約
 


インデックスへ
 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

水野麻子さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります