データベース登録情報の誤記 | 特許翻訳 A to Z

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1992年5月から、フリーランスで特許翻訳者をしています。

前回からの続きです。

USPTOの全文データベースでの計算上は出願から約102年6か月となった、米国特許第4,726,367号。
同じ米国特許庁のデータベースでも、PublicPairでは全文データベースとは情報が異なり、esp@cenetやGoogle Patentと同じ年月日が出てきます。



上がPublicPairでの表示、下が全文データベースでの表示です。

(1)出願番号についているシリーズコードの時期、(2)esp@cenetやGoogle Patentでの検索結果、(3)PublicPairでの検索結果などから、1885年は「誤記」だと考えるのが自然でしょう。

公報のカバーページに誤植があり、それをそのまま引き継いだことが原因と思われます。
もともとあげていた⑤と⑦~⑪には、いずれも同様のことがあてはまります。

ここで示した出願は一例にすぎず、実際は、誤記で登録されている特許情報は相当数で存在します。

一方、もともと黄色でハイライトをしてあった⑥は、他の誤記とは事情が少し違います。
米国特許第5,323,976号です。

複数のデータベースでの情報表示内容を、画像で示します。
画像上の年月日は、表示される出願日です。

米国特許庁 PublicPair:1993年01月22日

 

米国特許庁全文データベース:1929年10月12日

 

esp@cenet:1992年09月03日


Google:1992年09月03日

 

単純な誤りなのかというと、そういうわけではなさそうです。

この特許は継続出願で、公報カバーページと全文データベースに、次のように記載されています。
強調は、こちらで付しました。

  This application is a continuation, of application Ser. No. 07/848,155, filed Mar. 9, 1992 now abandoned.

1992年3月9日という、9月3日を反転したような新たな日付が、出てきましたね。
これについては、別記事で。


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