先日、ホワイトハウス報道官のスパイサー氏が辞任しましたが、とても面白い動きが出てきています。ウォール街の元ビジネスマンでイタリア系のアンソニー・スカラムーチ氏がホワイトハウスの報道やコミュニケーション関連のトップに立つ「ディレクター」に就任しました。ニックネームは、「ザ・ムーチ」。英語にスムーチ(チューする)という言葉があるのですが、日本語に翻訳すると「チュー氏」というような感じです。

 

このスカラムーチ氏の実績というのが、非常に面白い。一言でいうと、最近は「捏造メディア」として悪名高くなってしまっている

 

CNNに謝罪させた男です。

 

一か月ほど前にスカラムーチ氏についてCNNが「ロシアと共謀している」という事実無根の捏造報道をしたのですが、CNNはムーチ氏がハーバード大学の法学部卒だということを忘れていたのか、報道の内容が全くの嘘だったために訴訟の可能性が出て、結果的にCNNが震え上がって内容を取り消した上で謝罪し、3名のジャーナリストを解雇するという事件が起きました。

 

 

トランプ大統領が民間時代に「アプレンティス(弟子)」という番組に出演していて、ダメな弟子の候補者は「ユー・アー・ファイアード(君はもうクビになった)」というセリフが有名になりましたよね。

 

現在、トランプ政権内では政府の機密情報をマスコミにリークする人物や大手メディアと結託して情報を捻じ曲げて捏造記事を出させたりというのが前代未聞の数に跳ね上がっていて、なかなか「ワシントン政界の(腐敗の)ドブ掃除をする」といったトランプ大統領の仕事が進まないという状況でした。その状況も変わる兆しが見えています。これから、ホワイトハウスでクビになったり、辞任する人が一定数出ることは間違いなさそうです。

 

スカラムーチ氏は、「俺はトランプ大統領が大好きだ」と公言してはばからない愛国者で、これまでのホワイトハウスのようにトランプ大統領が出すツイッター砲に対してあたふたしない姿勢を見せています。これまでは、ホワイトハウス内でトランプ大統領にツイッターを控えさせたいという動きがあったというのですが、スカラムーチ氏は逆の考え方で「トランプ大統領は歯に衣着せぬ物言いでアメリカ国民の心をつかんだんだから、そのまま国民に直接メッセージを発信し続けるべきだ」という方向性のようです。

 

スカラムーチ氏のホワイトハウス入り第1日目の記者会見がなかなか面白いのです。

 

 

CNNの女性記者が「大統領は自分が嫌いなメディアをフェイクニュースと呼んで、間違いを訂正しても、メディアは横暴だといいますが、あなたはメディアとそういう関係でいたいんですか」という質問をしました。

 

その答えが秀逸でした。

 

「今日は初日ですから、自分のことを話しますけど、あなたのところの局が自分について卑怯で事実ではないことを掲載したんですよね。それに対して、おたくは謝罪をした。そして、私はその謝罪を受け入れた。(中略)」

 

 

スカラムーチ氏は、ホワイトハウス内の情報のリークは氷山の一角であり、大きな問題ではないが、(化学兵器や核を持つ)イランや北朝鮮など安全保障に関するリークをする者は、150年前は死刑になっていたほどの重罪で法的機関とも協力してリークをなくすようにしていく、という旨の発言をしました。

 

確かに、ホワイトハウス内で誰がどうというような情報をマスコミにリークしたことによって大勢の人が死ぬような事態にはなりませんが、国防と安全保障に関する情報をリークしたら、ひとつ間違えれば、アメリカに核や化学兵器を打ち込まれるかもしれないのです。(他の国に矛先が向くかもしれませんし。。。)大勢の命が失われるかもしれない非常に危険な行為なわけです。

 

そういうわけで、今まで気軽にリークされた情報を掲載していたメディアの記者や捏造報道をやっちゃってたジャーナリストは「夜も眠れなくなったんじゃないか」と言われています。

 

そして、ホワイトハウス内で上層部から下の人間に機密情報をリークさせる構造が出来ていて、それももう調査済みで対処していく、と発言していました。

 

....というニュースがでてすぐに、この方は辞任しました。ちょっと言葉が荒いので、マスコミに粗探しをされてしまっていたからでしょうか。これからに注目です。

 

CNNの捏造に関する過去記事