ワインコルクのお話(PART-6) ブショネ追加
ワインコルクのお話(PART-6) ブショネ追加
ワイン関係の書籍を読んでいたら、フランスに於いて1970年代、1980年代の醸造所の増改築の際に、建材の処理にトリクロロフェノールが使われていたとか。
同時代は結構醸造設備の充実が叫ばれた時代でもあったようで醸造所の増改築も多かったようです。このトリクロロフェーノールとかが適度な湿気に長時間さらされると悪玉トリクロロアニソール(TCA)なんぞになり、このTCAが空気中に漂って木樽やタンクのワインに混入し、結果的にブショネが現出したようです。
建築工学上建物の機密性を高める構造としていったものですから、高気密、高湿度イコールTCAの発生といった図式なのでしょう。
1993年になってリブルムのパスカル・シャトネさんがこの事実を発見されて1994年からフランスにおいて建材処理にトリクロロアニソールの使用が禁止されたようです。
もっとも、ブショネというより黴(カビ)とブショネの中間の匂いとされる方もいらっしゃるようですが。
因みに、カリフォルニアにおいてもトリクロロアニソールを建材の防腐処理に使用していたようですが、夜間ワイナリーにおいては空気の入れ替えのためナイト・クリーニングを行っているため、TCAの発生が抑えられていたようです。
カリフォルニアは昼間の温度がかなり高くなるらしく、ワイナリーの室温を下げるためにナイト・クリーニングが必要なようです。
ものの本には、1988年から1990年のシャトー・デュクリュウボーカイユ、1992年以降のシャトー・カノンに、この影響と思われるものが散見されるとか。
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