植物エキスとエッセンシャルオイル① ~その違いと利用について~ | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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多くの化粧品に配合される、


「植物エキス」


と呼ばれる成分があります。






「セージエキス」



「カミツレエキス」


など、

化粧品成分を眺める癖のある方であれば、


「~エキス」


という成分名をご覧になったことがある人は多いと思います。



これらの成分は基本的に植物の名前を冠しており


植物を原料とした化粧品成分として


有名有力な成分郡ですね!




さらに


化粧品に配合される植物原料成分としては、



「ラベンダー油」



「ローズヒップ油」


など、


「~油」



と表示されている成分もありますね。


これらの成分は


「精油(エッセンシャルオイル)」




と呼ばれており、



これもエキスと同様に植物の名前を冠していて


植物原料の成分であることがわかります。



どちらの成分も最近の化粧品では積極的に用いられるようになっており、


化粧品の「高級感」「安心感」を向上させるのに

大きな効果を発揮していると言っても過言ではないでしょう。



ところで、



これらの成分は一般にはあまり区別されることがありませんが、


厳密にはこの二つの成分には

れっきとした違いがあります。




今回はこの


「植物エキス」と「精油」について、


その違いや利用例


さらには


その問題点などを整理していきたいと思います。






◎植物エキスと精油の違い



一般的な植物には以下のように

香りの素になる「芳香物質」と、それ以外の成分が含まれています。




このうち、



芳香物質とその他の成分諸々を抽出して、

それをBGやエタノールなどの溶剤に溶かしたもの



これを「植物エキス」と呼びます。



植物エキスはその抽出段階で

芳香物質がある程度揮発してしまうため、


芳香性は弱いです。


さらに植物の持つ成分の抽出物に

溶剤を加えて薄めているので、


全体的な濃度は低いことが特徴です。



ちなみにこれらの成分のみを乾燥させ、

溶剤を加えていないタイプのものも存在します。




対して、


植物に含有される「芳香物質」のみを抽出したもの


これを「精油(エッセンシャルオイル)」と呼びます。



この精油は、

エキスとは異なり芳香物質以外の成分はほぼ含まれず、

純粋な芳香物質のみで構成されています。


そのため一つの植物から採取される量が非常に少なく、

重量パーセントにして0.1%程度しか採取できない

大変製造コストのかかる成分ということになります。



「油」「オイル」なので

オリーブオイルなどの「油脂」と混同されるかもしれませんが、

基本成分はというよりはアルコールやエステルなどの物質になります。


揮発して香りになる物質そのもの100%ですから、

当然強い香性を持ちます。







つまり植物エキスと精油では、


植物から成分を抽出していることは同じでも、




原料としての形態がかなり異なっており、


そのため


最終的な性質や利用用途も相応に異なってくる・・・


ということになりそうですね!




◎植物エキスの利用例


植物エキスの利用例は様々ですが、



これらのエキスの中には、

漢方薬の主剤として活用されているものも多く、

医薬品として十分な効果を認められているものも存在します。






それらの効能を応用して、

化粧品で言うならば

何らかの効果を持つ「有効成分」としての配合が多いです。




例えば

「甘草エキス」

などはグリチルリチン酸2Kという抗炎症剤の原料になっているもので、

そのまま抗炎症効果の有効成分として

主に頭髪用の化粧品類に配合されます。





「センブリエキス」血行促進作用の有効成分で、

「トウガラシチンキ」なども有名な血行促進剤です。



「褐藻エキス」「オトギリソウエキス」は、

保湿効果のエキスとしてよく配合されています。



「ハマメリスエキス」などはタンパク変性による

収斂剤

として活用されていますね。




植物エキスは有効作用を持つものが多く、

うまく使えば化粧品の使用感向上

お肌の調子を整えるなどの効果が期待できるわけです。




◎精油の利用例



精油は上記のエキスと同様

殺菌剤「ヒノキチオール」「ユーカリ油」

などのように化粧品の有効成分として活用されることもあります。



しかしそれよりも


芳香物質が基本になっていることから、


「香料」


として活用されるケースの方が圧倒的にポピュラーです。


化粧品の場合は、

合成香料無添加を言いたい場合に

「ラベンダー油」「ローズ油」

のような精油を配合して香りをつけています。




さらに精油の場合、


アロマテラピーの材料として

小瓶に詰められた様々な精油が流通していますね。







これらの精油に、

キャリアオイルやアルコールを加えて希釈すると

アロマテラピーで活用される「アロマオイル」が完成します。




精油に含まれる芳香成分には

「香り」として体内に吸収された時に


・心を落ち着かせるリラックス作用

・血行促進や免疫機能の向上作用

・お肌の正常を維持する作用



などの効果を発揮するものがあり、


これらの効果を応用した医療形態を

「アロマテラピー(芳香療法)」

と呼ぶわけですね!



こちらの場合は

効果というよりも「香り」が主体となった作用が見込めます。




◎化粧品の「効果」や「高級感」を引き上げる原料



つまり

植物エキスも精油も正しく活用できれば


化粧品に有効効果や心地よい香りを加え

その使用感を一段階向上させることが出来ます。





さらには植物エキスも精油も安価な材料というわけではないため、


このような原料を正しく用いているということであれば

それなりにお金をかけて製造された化粧品

という見方もできなくはないわけですね。



これらの成分は化粧品に配合されることで、


化粧品としての有効性を向上させ

さらにはその化粧品に高級な印象を与えることが出来る


大変応用価値のある化粧品原料ということが言えるわけですね!










しかし、、


いつも言っていることではありますが、


「有効性の裏には必ずリスクがある」


という話を忘れてはいけません。



それはこの植物エキスと精油に関しても例外ではありません。






植物エキスと精油の問題点



次回、

「植物エキスとエッセンシャルオイル② ~そのリスクと正しい選び方~」


にて解説していきます!





続きはまた明日(^-^)

今日はこのあたりで!





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