ルーとリリー４９：フォーが

ルーとリリー４９：フォーが

リリーは、フォーの胸に向かって何度も
回復魔法をかけつづけています。
フォーの体は、ガラス細工になったままです。

それでも回復魔法の光があたるたびに
胸のあたりは、かすかに反応しているかに
感じるリリーです。

肩で息をするリリーにルーが
トマリカキャンディーをわたします。

「リリー、大丈夫？」
「ありがとう。助かるわ。これでもっとエネルギーを
送れるかも」
ほほえむリリーです。

ルーからもらったトマリカキャンディーを
舐めながらエネルギー補給をしつつ
あきらめずに、繰り返します。

ルーもそばで見守っています。

・・・・・


・・・・・

どれくらい繰り返したでしょうか？

かすかにフォーの右手があがったように見えました。

さらに、回復魔法を出し続けていると
フォーの口が、わずかに開きました。

「俺、助かったのか？」

「フォー、よかった。しゃべれた！」
ルーが叫びます。

「ルー、リリー、ありがとう・・・俺」
体はガラス細工のままですが、どうやら
心臓は動き出したようです。

そのころガラスの世界の黄色い花畑には、
緑の大きな牛のモーイが、倒れていました。

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ルーとリリー１：無事帰還