理想のクラブを探して 「リーズ・ユナイテッド編」 | Jリーグを観に行こう!

理想のクラブを探して 「リーズ・ユナイテッド編」

「理想のクラブを探して」海外特別編をやります。

コンセプトとしてはJリーグ編と同じように、Jリーグ百年構想の具現化という観点です。
ただ、海外はその構想の原点の場所なので、「理想のクラブ」という観点から見ていただければ幸いです。


今回は「リーズ・ユナイテッド」です。

リーズは2000-01シーズンCLで準決勝に進み、ヤング・リーズ旋風を起こしました。
今でも覚えている方はいることでしょう。
その栄光のシーズンからわずか3シーズン後リーズは2部降格が決定しました。
経営危機の影響もあり2部降格、そして咋シーズン3部降格が決定し、リーズは現在3部に属しています。
この詳しい歴史については、後ほど説明します。
そして、3部に降格しても尚リーズを愛するサポーターの存在について語ります。


リーズは80年以上の歴史を持つクラブですが、1990年代後半から現在にいたるまで、激動のシーズンを送っています。

リーズはプレミアリーグ発足以降は中堅チームというイメージがありました。
リーズが欧州の舞台で一躍注目を浴びたのは、前述の通り2000~2001シーズン。
前年度、指揮官の的確な育成策や大量補強によりシーズン3位に入った。
リーズ。
00~01シーズンは、CLの舞台へと駒を進めます。
1次リーグで、バルセロナ、ACミラン、ベジクタシュ」と同組となるものの。
バルセロナを抑え、ミランに次ぐ2位で1次リーグを突破
続いて2次リーグでレアル・マドリード、ラティオ、アルデルレヒト」と同組になりました。
イタリア・スペインの強豪クラブがまたも同居する中で、ここでも2位で突破
そしてノックアウトステージ。
戦前の予想では、不利と見られていた VSデポルティーボ・ラコルーニャ戦。
ここでも、2戦合計3-2で突破
ついに準決勝まで進みました。若い選手が多い中でこの「ヤングリーズ」の躍進は注目されることとなりました。
結局、準決勝でバレンシアに2戦合計0-3で破れたものの、その活躍ぶりは世界を驚かせました。



しかし、チームが躍進する一方でチームの財政状態は、刻一刻と危機へと近づいていました。
この年、収入が大幅にアップしリーズは今財政状態的にも絶頂期とおもわれていましたが。
フロントがあまりにも皮算用を前提としすぎた為、危機が訪れます。
クラブもCLをでることによる放映権料・入場料収入やリーグ戦への波及効果などを期待し
前年度より大幅に収入がアップするという根拠のない前提のもと、大型補強へ資金を投入します。
大型補強を繰り返し、戦力をUPしたリーズでしたが
CL出場圏外の4位(当時プレミアは3位まで)となり、CLを当てこんだ収入源がなくなるということになりました。
CLで大躍進しながら、CL出場権が得られませんでした。
ちょうどスカイTVによる、プレミア放映権料バブルが起こっていた時期です。
そして、リーズは資金を融資してもらって選手補強をしていました。
チームの成績があがれば、十分に返済できるという考えの元、莫大な負債を抱え込んでいたわけです。
当時多くのクラブがプレミアリーグ発足以前の反省(フーリガン問題等)を活かし、スタジアム整備などハード面の充実に資金を投入するクラブ
がある一方リーズは、選手補強に資金を投入しました。

この選手補強資金は、前述通りCL出場を根拠として作られていた面もあり、一気に財政面での危機が訪れます。
直接の原因はCL出場権が得られなかったわけですが、それ以前に前述のような無計画な選手補強があり、とどめを刺したのがこれだといえます。

しかし、この2001~2002シーズンもリーズは大型補強を決行。
その額は、なんと過去最高規模の補強を行った2シーズンの合計金額に匹敵するものでした。
しかし、結果は5位。

ついに、没落への悪夢の道が始まります。
リオ・ファーディナンド、ロビーキーン、ジョナサン・ウッドゲートなどチームの主力・・スタメンを続々と放出。
そこで何とか資金を捻出するものの、まだ資金的なめどはたたず、チームも02~03シーズンは15位に低迷。
そして、03~04シーズンは19位となり、2部へと降格します。
あのCLの栄光からわずか3年。
まさかの2部降格という悲劇を迎えます。

それからというもの、負債を返済する為必死に立て直しを図ります。
しかしチーム成績も2部14位・5位と昇格はできませでした。

そして
2007年、84億円の負債を抱え、破産を申請しました。
結果勝ち点を剥奪され、3部への降格が決定。
その後給料不払い問題も発生し、現在でもあのときの大型補強の反動に苦しんでいます。

3部では勝ち点-15からのスタートとなり、3部でシーズンを送っています。

今回理想のクラブを探してで、紹介したのはリーズのような悲劇があるクラブを忘れないでほしいというだけではありません。
前置きである歴史の紹介が長くて、申し訳ありませんが。
このリーズを支えるサポーターの存在
これが、百年構想の理想であると私はおもいます。


書いてきましたようにリーズは、過去の栄光とは正反対の道を歩んでいます。
しかし、サポーターは見捨てていないのです。
リーズがある限り2部にいこうが3部にいこうが我が街のマイクラブとして変わらず応援しています。


今シーズンのリーズの観客動員の実績です。(3月2日現在ホーム17試合)

総観客動員数 46万0657人
平均観客動員  2万7097人


リーズは3部リーグに属していますが、今でもこれだけのサポーターが応援しているのです。
チームは現在8位(3月2日現在)です。
勝ち点マイナスがなければ2位です。

これだけの苦労がありながらも、尚リーズを応援するサポーター。
すばらしいじゃないすか。
クラブ経営も含め大変ですが、サポーターに目を向けるならば「理想のクラブ」であるといえます。

これぞフットボール文化です。

プレミアにいた時より人数こそ1万人近く減りましたが
どんなにレベルの低いカテゴリーであっても、
こうやって3部でこれだけのサポーターが駆けつけるクラブは、理想のクラブだと思います。
データを見て分かったことですが、3部の他クラブも
1万人や1万5千人をを超えているクラブが存在します。

日本にも所属リーグがJFL(3部)地域リーグ(4部)
そしてそれ以下のカテゴリーでも応援している方がいます。
日本にイングランドのような、おらが街のスポーツクラブとしてレベルに関係なく
応援するような文化が根付いて欲しいと強くおもっています。


いつか、プレミア・欧州にリーズが戻ってきて欲しいとおもいます。
今度は3部から這い上がってきた「リーズ・ユナイテッド」として。



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