理想のクラブを探して 「川崎フロンターレ編」 | Jリーグを観に行こう!

理想のクラブを探して 「川崎フロンターレ編」

地域に根差したスポーツクラブを目指して、現在Jリーグのクラブ中である一定の成果を
上げているクラブを紹介する企画ですが今回で、残り半分をきりました。 今回取り上げるクラブは「川崎フロンターレ」です。 川崎フロンターレのホームタウンである川崎市は、
「プロスポーツが根付かない街」といわれてきました。 そんな中、この川崎フロンターレは川崎のシンボルとなる存在になろうとしています。 記憶に新しい、ACLでの奮闘そして近年でのJリーグ・カップ戦での好調も重なり、
観客動員数は上がっています。 2007シーズンの川崎のリーグ戦での平均観客動員は、17338人。
前年度比2998人増です。 J2にいた2001年には平均観客動員は3784人でしたが そこからは着々と入場者数は増えていきJ1昇格を決めた、 2004年には9148人にまで増加しました。 その後J1でも着々と観客動員は上がり、チームの好調も重なって
現在の状況へ繋がっていきました。 川崎フロンターレは、地域に根差すために甲府のように選手を含め地域に 積極的に飛び出していったことが現在の人気に繋がっています。 そんな中で、川崎が仕掛けたイベント作戦は非常にユニークです。 J1は、34試合行われます。そのうちホームは17試合。 この17試合の全てをいかに価値のあるものにするかが重要で、クラブの究極的な目標としては
ホーム全試合満員にすることです。 川崎が試合ごとに仕掛けたイベントはこのような感じです。 VS 清水エスパルス戦 「エスをねらえ!」清水に勝ちがなかった川崎は、アニメ「エースをねらえ!」をパロディし、
本家の主人公の声優さんを宣伝で使うという大胆な作戦を展開。 VS ガンバ大阪戦 25日に試合があることにちなみ「アタック25」をまねた 「アタック25日」と題しイベントを決行! CMには本家MCの方のものまねで有名な芸人を起用。
VS 鹿島アントラーズ戦  チーム名の頭文字KとスキージャンプのK点越えをなぞり 「K点越え」作戦を実行。 その他、2006年WC中断前を首位でおえた川崎はその中断後の3試合が鹿島・ガンバ・浦和で
あったことから「修羅場3」と命名し、キャンペーンを決行。 さらに、FC東京と共同で考案し、この両チームの一戦「多摩川クラシコ」と題し、
対抗心をもりあげ観客動員の増加を狙いました。 さらには、同じ神奈川県の横浜との対戦は神奈川ダービーとなります。
次々と斬新なイベントを考える川崎のフロントはすばらしいものがあります。 根付かないといわれた地域で、必死に努力した川崎、 その努力の成果が今現れているといえるでしょう。


前回の千葉について取り上げた時も、百年構想の実現という点からいったんはなれて 純粋に「育成・強化」について書きましたが この部分の川崎の取り組みについても書こうと思います。 川崎の2007シーズンの大体の基本布陣はこうでした。    チョンテセ ジュニーニョ       マギヌン   村上          森      谷口  中村    伊藤  寺田  箕輪        川島 川崎のメンバーは、苦労人や他チームで出場機会を得られなかった選手が多い中で、 近年のJリーグでの躍進、ACL決勝T進出を果たしています。 現在レギュラーの選手を見ていきますと 箕輪は大卒後2年間磐田で出場機会を得られず、
川崎へ移籍し以降チームの主力として活躍しています。 寺田は将来を期待されていた選手でしたが大卒後マリノスへ入団寸前にメディカルチェックで 不合格となり1年間プロになるのをまたねばなりませんでした。 川崎入団後も怪我に悩まされますがいまやチームの主力です。 谷口はマリノスのユース出身ですが、トップにはあがれず川崎に入団。 その後2006年にはJリーグベストイレブンに輝くほどの活躍を見せました。 中村は、前回の千葉のエントリーでも話しましたが
大卒の時川崎以外にオファーはありませんでした。 大卒までは全くの無名の選手でしたが、
今では日本代表に名を連ねるJリーグを代表する選手です。 村上と森は、仙台を戦力外となった選手ですが、川崎の両サイド支えています。 このように、川崎入団前まではあまり注目さていたなかった選手達が、 今では水を得た魚のように活躍しています。 これは、川崎のスカウト能力の確かさ、さらには関塚監督を含めたコーチ陣の育成の充実、 そして何より選手自身の努力によるものです。 育成型クラブといいますと、ユースを含めた下部組織からの育成というイメージがありますが。 この川崎のやり方は、資金的に小さいクラブに大いに参考になるやり方であるといえるでしょう。 もちろんそこには、川崎のような確かなスカウト能力と・育成能力にたけたコーチ陣が
必要ではありますが将来的にはどんな選手が化けるかわかりません。 中村憲剛のような選手は、まだまだいるかもしれません。 多くのJクラブがこのような選手を見出し、そして才能を開花させれば
Jリーグ・日本サッカー全体がレベルアップすることは間違いありません。 川崎はJリーグ全体に、新たな強化の道を示しました。 最近では日本勢初のACL決勝T進出を果たしたわけですし、 今後川崎を参考にするクラブは出てくることでしょう。 川崎は、斬新なクラブ運営の方法と強化の仕方を示しました。この川崎フロンターレ。 今後も、Jリーグに新風を送る存在として今後も期待したいところです。

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