【読書】封印再度 森博嗣著【感想】

封印再度 (講談社ノベルス)/講談社

￥972

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５０年前、日本画家・香山風采が密室で刃物により死去。
家宝の「天地の瓢」と「無我の匣」を残して。
そして現代。香山風采の息子・林水は密室から血痕を残し姿を消した。
二つの家宝と、二人の死の真相は。

謎解きはいつも通り理系ですが、動機が非常に哲学的で
意外性があり、犯人の気配が薄い、という予感がわりと当たってました。
そして最後にタイトルの「封印再度」が利いてきます。
無我であることを自らに律することができるのは消すことのできる我を持ってる人、
だとも感じました。
私はこの愛情の形は好きです。

で、今回は萌絵ちゃんがさらにぐいぐいと押してきた、
と思ったら、諏訪野さんからの衝撃の情報に驚き、
しかしそれに予想以上の犀川先生の反応に、もっと驚きました。
まあ思いっきり肩を透かされましたけど…。
こんな手を使う萌絵ちゃんてほんとにどうかと思いました。

そして初登場萌絵ちゃんの叔母さま、睦子さん。
萌絵ちゃんの血縁だわと納得できる強烈キャラですが、
彼女に急所を握られた犀川先生、さて次から猛攻を躱せるのか。

事件より進展が気になった一冊でした。


【S&Mシリーズ過去感想】
　すべてがＦになる　 　　 
　冷たい密室と博士たち 
　笑わない数学者 
　詩的私的ジャック

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