2014W杯炎のレビュー「俺よりでかい奴はたくさんいた」 敗者編 part2 | picture of player

2014W杯炎のレビュー「俺よりでかい奴はたくさんいた」 敗者編 part2

さて、part1 から続きだよ!!
その間に何か余計な記事 があった気がするが、頭が痛くて思い出せないんだ・・・くっ・・・!




■エクアドル

1戦目でスイスに劇的な負け方を食らったのが運のつき。その後も結局勝てないまま、南米唯一のグループリーグ敗退国としてぐったりしながらW杯を終えた。特にスイス戦では完全に引き立て役。後半ロスタイムのラストプレーでベーラミを思いっきりファウルで潰すも、1回転したベーラミが即座に立ち上がってアドバンテージ。そのままの流れで出されたボールから決勝点献上という泣くに泣けない負け方を披露。2戦目ではグループ最弱のホンジュラスに順当に勝ったが、3戦目のフランスはメンバーを落としてきたにもかかわらず、山のような決定機を外して終戦となってしまった。南無南無。カウンターは確かに切れ味があり、特にチームの全得点をたたき出したエネル・バレンシア別人はかなりスピードがあっていい選手だった。ただ、カイセドは馬力と元気以外に注目点がなく、中盤もアントニオ・バレンシア本人が封じられるとインパクトはなく、総じて他の南米国と比べても一段落ちるチームだったのではないかな、と。ただ、戦う姿勢は面白かったので、また次のW杯で会えたら。アディオス!!


・chinkoshobokatta アントニオ・バレンシア
結局、ほとんど決定的な仕事ができなかった。スペースを奪われると何もできないのはマンUと同じで、実況の人は「ドリブル世界最速!ドリブル世界最速!」と連呼していたが、だからどうしたというか、そんなスペースあんまりなかった。最終戦では後半早々に退場してチームを苦境に導いてしまい、キャプテンとしての重責を果たせたとはとても言えなかった。残念、バレンシア。まあファン・ハール政権化ではかなり重用されそうな気がするので、ワールドカップのことは忘れてチームに集中していただきたい。ものごっつい干されるかもしれんので、その場合は元気にファン・ハールと殴り合っていただきたい。香川とかルーニーも仲間になるぞ、きっと。




■ホンジュラス
フランス相手にパラシオスが退場になって以降の姿を見てないので、なんともかんとも。とりあえずすさまじいラフプレーの連発でひいたのと、ポグバとかの超強面によくお前そんなことできんなボコられんぞと思いました。さすが世界荒廃選手権暴力の部1位 。現場からは以上です!


・chinkotokasouiumondaijanai




■ボスニア・ヘルツェゴビナ
開幕前の内紛の懸念ががっつり当たってしまった旧ユーゴのチームは、1勝したものの結局爆発的攻撃力を見せることなく大会を去った。守備やべーじゃんとさすがに監督も思ったのか、アルゼンチン戦ではテクニシャンのメドゥニャニン1ボランチ、サリホビッチのサイドバック、イビシェビッチとジェコの2トップをやってこなかったものの順当に力負け。次こそはと攻撃的に臨むも、ナイジェリアをこじ開けられずにあっさりと終戦。最終戦ではやけっぱちになり、監督の甥っ子と監督の兄がマネジメントするハジッチ、移籍金のキックバックが望めるヴィルシャイヴィッチを先発で使う。普通にイランには勝ったが、チームは最終的にばらばらになった。オシム御大の懸念通りとなってしまい、旧ユーゴの闇の深さを思い知らされた感がある。基本攻撃に連動性はあまりなく、ミシモビッチは往年の切れ味はちっともなく、ピャニッチだけはすさまじいセンスを見せていたが、ジェコはいつも通りジェコだった。それとベシッチは本来センターバックなのに中盤の広大なスペースをカバーするなど、ぐだぐだの守備の防波堤となった。とにもかくにも監督がアレ。スシッチ監督はアイデアに乏しく、チームを私物化して混乱と不安を与えただけだった。散々なチーム状況にオシム御大は、げきおこぷんぷん丸願わくばお命頂戴の介になっている思われるので、スシッチ監督はオシム御大の歴史講義30時間+炭鉱労働70時間で心を入れ替えてほしいものである。


・chinkodekakatta ミラレム・ピャニッチ
動きの少ない中盤の中でそのセンスとテクニックで唯一の希望となった。ベシッチと共に守備でもがんばったが、やはり攻撃は彼のセンスによるところが大きかった。ミシモビッチが若干ポンコツ化していたので、彼のところからしかチャンスはほとんどできない。基本棒立ちが多い前線の中で、細かく動きながらチャンスを作り続けた。ただ、それでもジェコはジェコであり、問答無用のイビシェビッチもいなかったので点に繋がることはなかった。ただ、実力は示した。近いうちにレアルかバルサかシティかパリかモナコかにはいそうである。




■イラン
アジアの意地を見せてくれたアラーの息子たち。ハイライトは2戦目のアルゼンチン戦。圧倒的な戦力差を前にしても粘り強く守備で対応。メッシには常に2枚で見てなんとか封じ、中央によりがちなアルゼンチンを89分までは抑えきった。結局最後にメッシをフリーにしてしまってやられたのは、もうしょうがない。また、ひきこもるだけではなくて時折カウンターでゴールに迫ることも何度かあった。特筆すべきだったのはその時間の潰し方。ちょっと触れればこの世の終わりのように転がる、転がったままピッチを横断、投票の際には牛歩戦術などアジアが誇る時間浪費術を披露。さすが第一人者のイランであり、ジョホールバルのアベドサデ以来の技術の蓄積がこの大会で発揮されたとも言える。終盤にはアルゼンチンの面子がいらいらを通り越して「もう、しょうがねえなあ、こいつら」的な顔になっていたような気がする。最終戦はボスニア・ヘルツェゴヴィナに普通に負けてしまったが、オーストラリアとともに男は見せた。アジア予選で時間使われると死ぬほどいらつくので罵倒する予定だが、また予選で一緒にがんばろーね。


・chinkodekakatta レザ・グーチャンネジャド
上述の時間稼ぎとカウンターの急先鋒となった逸材。とにかく接触ではすべて倒れる上に物理法則を無視した回転を加える必殺技「グーチャンネジャドロール」を炸裂させ、ファウルをもぎ取り続けた。今の最先端は無回転ではなく過回転である。その回転にはあのプルシェンコも興味をいだいたという噂も(未確認)。あまりにもファウルを取られるのでDFがちょっと手を抜くと、途端にスピードを生かして突破するという高度な心理戦も展開。交代するときまでたらたらしているという筋金入りの時間浪費家である。ちょっとした疑問なのだが、こういういわゆる「卑怯な行為」ってイスラム教ではどういう扱いになるんだろうか? 規範とかないのかな? ともかく、日本でいったら「佐村河内」「小保方」「勅使河原」「塩村議員」などの若干香ばしい苗字に当たると思われるグーチャンネジャドという舐めた姓のこの男に、これからも注目せざるを得ない。日本戦でやったら、思いっきり蹴ってやれ。




■ポルトガル

なにもかもうまくいかなかったW杯だった。でもW杯でよかったのなんて、ベスト4にいったドイツくらいだよねってことで通常営業だったのかも。1戦目でペペさんがペペってしまったので、ドイツ相手に大爆死。1人少なくなり、1トップのアウメイダを怪我で失い、なす術がなかった。気を取り直して臨んだアメリカ戦ではまたも1トップのポスティガが壊れ、今大会最もロナウドに舌打ちされたであろうエデルが再登場。終盤の混戦でなんとか引き分けに持ち込むも、ほぼ終戦。最終戦のガーナ相手にはロナウド一発で勝つものの当然のようにジ・エンド。ともかくチームの老朽化が目立った。ドイツ相手にはしょうがないものの、エース・ロナウドにボールを届ける仕組みがほとんどない。そんな状態ではバロンドールも何もできず、元気印のエデルにため息を送るばかりだった。カルバーリョが出てきてからはマシになったけど、中盤が思ったよりも全然機能しなかった模様。というか、みんな年取りすぎだ。あとナニーが想像以上にポンコツな選手になっている。やっぱ試合出ないとだめになるんだなあ、ほんと。ロナウドも次のユーロくらいまでが全盛期の最後だろうか。そこまでになんとかチームをリストアできればいいのだが、カルバーリョ中心の中盤を作れるかどうか。たぶん2年じゃ無理っぽいけど、ロナウドになんか獲らせてやりたいならがんばれ。


・chinkodekakatta ペペ
我々の期待するペペを存分に見せ付けてくれたペペ。何の脈絡も遺恨も見られなかった初戦に、いきなりミュラーに頭突きを敢行。ペペ界では頭突きは軽い挨拶だが、残念ここは人間界だった。当然レッドが出され、試合終了。相方のブルーノ・アウベスはいい迷惑である。ポルトガルを地獄に突き落としたわけだが、たぶん全然反省してない上にむしろあの程度で退場にさせた人間界のルールに首を傾げているに違いない。お前が人間に寄せろ。ペペファンへの朗報としては、スアレスがバルサにくるということ。クラシコでは間違いなくマッチアップするであろうし、夢のドリームマッチに今からワクワクが止まらない。是非バルセロナには大枚をつぎ込んでいただきたい。それはサッカーというエンターテイメントに対する未来への投資なのである。




■ガーナ
敗退組の中では1、2を争う実力者。グループが悪かった。あとムンタリが悪かった。アメリカにはUSAアタックで敗北をしてしまうものの、ドイツ相手にはハイテンションサッカーでまったくの五分。ただ、勝負の第三戦目を前にして、我らがムンタリたんとケビン・プリンス・鞍馬天狗がやってしまう。鞍馬天狗は監督に暴言を吐いてしまい、ムンタリたんはスタッフに鉄拳制裁をかますという、二つ合わせて技あり一本どころか、どっちも単独で完全な一本。というわけで、二人とも永久追放されました。そんな状態で試合に集中できるはずもなく、そんなよくないポルトガルとがんばって戦いながらも、ボイェのファンタスティックオウンゴールとロナウドの決定力にしてやられた。目立ったのはアンドレとジョーダンのアイウエオ兄弟。兄貴のアンドレは超絶テクニックでチャンスを量産、弟のジョーダンも準レギュラーとして活躍するなど大器の片鱗を見せた。しかし、ここで消えるのはもったいないチームだったなあ。間違いなくギリシャより強い。死のグループ怖いというよりも、どう考えてもムンタリとケビン・プリンス・鞍馬天狗が悪いので、ガーナサッカー協会は訴訟の準備を始めるべき。


・chinkoshobokatta ムンタリ
チームの中心となるべき存在ながら、そのハイパー暴力によってチームを完全にぶっ壊した。鞍馬天狗も相当アレだが、ムンタリはもっとひどい。最終戦の直前というタイミング、協会役員という言い訳の効かない人選といい、「ぶっ壊す」「こんな世界完全に滅ぼしてやる」という中二RPGのラスボス感、あるいは三井寿@不良時代的な強い意志を感じ、完全にプロの仕事である。さすがとしか言いようがない。比較的規律があると思われたガーナでさえこの体たらく、やはりドログバ王が君臨するコートジボワールのような人治主義がアフリカには最適なのだろうかと思わざるを得ない。さて、ムンタリもK・P・暴れん坊天狗も今回だけではなく永久追放となる模様。今後は、「アッピアー先生・・・サッカーがしたいです・・・」と言うかどうかに注目が集まるとBBCが伝えている(嘘)。間違いなく1ミリも反省していないことをスアレスよりも強く感じる。ムンタリに幸あれ。




■ロシア
カペッロの指導の下、静かに大会から去っていった。初戦はゴールキーパーのアキンフェフが「ふぇぇ・・・」となってしまって痛恨のキャッチミスで韓国にドロー。2戦目のベルギー戦は互角に戦いながらも、最後の最後でこじ開けられて痛恨の敗戦。勝たなきゃいけない3戦目、どんな布陣で来るかと思ったら、ケルツァコフ入れただけで後は普通。やってるサッカーも特に変わらず。ココリンの先制点まではよかったものの、その後アルジェリアに追いつかれて尻に火がつくかと思いきや、特に放り込みも何もせず、アルジェリアをほとんど脅かすことさえできなかった。淡々と、あまりにも淡々と死を待つその姿勢は若干不気味でさえあった。その後の記者会見でも特に悔しがるわけでもなく、スタッフが携帯いじってたという鬼女版のような宇都宮さんの情報も(このあと、スタッフはプーチンがおいしくいただきました)。お前ら、次の開催国なのにそれでいいのか。シャトフやココリンなどの若手が多いのが唯一の救いか。まあ、開催が迫るにつれてプーチンが圧力を強めてくるだろう。そっから本腰になるのだろうか。理由がよくわからないシベリアへの左遷や行方不明が増えるかもしれないが、それはロシアに生まれたのだからやむをえないと思ってがんばっていただきたい。

???「これから君に起こることはわかっているだろうね?」


・chikodekakatta ファビオ・カペッロ
つまらないつまらないと言われながらもどこ吹く風。相変わらずのカペッロソリッドサッカーを継続し、特に慌てることもなく普通に負けた。試合を見ていると、相変わらずの規律の強さとか前線の動かし方とかけっこう面白いことをやってるのだが、なんというかそれでも眠気を誘われてしまう。なんだろう、この熱のなさは。老人のセックスかよ。次の自国開催までの留任は決定しているので、あんまり結果が冴えずに熱もないと、現世界No.1クビ切りプレーヤーのあのお方に簡単に解任されてしまいそうである。ただ、カペッロはそれでもカペッロをやめるわけがないので、そろそろヘススッスススススススアレスさんとのガチ対談をやっていただき、最終的には老人同士の殴りあいという大島渚VS野坂昭如以来の黄金カードを全世界に生中継希望。サッカー的な希望は特にない。




■韓国
アジア最後の希望だったが、あっさりと沈んでしまった。1戦目は運よく引き分けることができたが、2戦目はこのグループで勝ち星を計算していたであろうアルジェリアにぐうの音も出ないほどの完敗。絶望感に襲われながらグループ最強ベルギーに挑むも一蹴されるという、まるで日本と同じような結果となった。この惨敗を受けて韓国国内では「戦う姿勢が足りない」「気合が足りん」「パク・チュヨンが悪い」という話に一部ではなっているようだ。俺も最後の意見には若干賛成なのだが、そもそも気合でどうにかなる類の話ではなく単純に体力を含めたサッカーの力が弱くて負けてしまったのであり、それを引き起こしたのは、ロクな監督を呼んでくることができず、結局経験の浅いホン・ミョンボ監督を火事場に突っ込むという手段で乗り切ろうとした韓国サッカー協会であることを認識しなければならないだろう。まあ、わが国の協会もあれだし、おたくも大変ですね、ということで。サッカー的にもあんまり印象はなかったかなあ。キ・ソンヨンの守備しなさをハン・グギョンが埋めて回ってる姿は涙を誘った。あと、パク・チュヨンじゃなくてキム・シンウクにしてばこばこ放り込んだほうがよかったかもね。まあ、日本と同じで後の祭りの上に、たいして結果に影響はない。


・chinkodekakatta ホン・ミョンボ監督

敗戦の将は常に責めを負うものであるが、かなりかわいそうなことになっている。チェ・ガンヒ監督の辞任の後、引き受け手が見つからない中、火中の栗を拾う形での就任。たしかにチーム成績的にはよくなかったので、ある程度の批判は受けなければならないだろう。ただ、そういう状況で監督を引き受けてくれただけで、協会はありがたかったはず。ホン・ミョンボの未来を協会の中に残すためにも、彼のことを守らなければならないだろう。ただ、協会を守るために、彼を人身御供に差し出してる感もあり、そこはなんだかなあという感じ。ひどい話だが、十分にあり得るだろう。ミョンボの兄貴、もし韓国に居場所がなくなったら、日本においで。




さあ、次は勝者?敗者?のレビューにそのうち続きまーす