哀しみのトリスターナ(’70)
ベニート・ペレス・ガルドスの小説を、ルイス・ブニュエル監督が映画化
『昼顔』 と同じく、ルイス・ブニュエルとカトリーヌ・ドヌーヴのコンビ
舞台は、1,920年代のスペイン、トリエステ
16歳で親を失ったトリスターナ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、没落貴族の養女となる。
若いトリスターナを、娘ではなく女としてみるようになる没落貴族の初老の男。
二人は事実上の夫婦となる。
この屈折した愛は、キューブリック監督の 『ロリータ』 を思わせる
最初は、お父さん兼旦那の言うことを何でも聞いていたトリスターナだが、次第に自我に目覚めはじめる。
そんなある日、トリスターナは若い画家と出会い恋に落ちる。
実は、恋に落ちてからが、この物語の恐ろしいところ
純真無垢だったカトリーヌ・ドヌーヴが、どんどん美しくなっていく
美しくなっていくんですけど・・・・
人間って恐ろしい・・・・
前半から後半への、ドヌーブの変化が見所です。
ルイス・ブニュエルが、この原作を映画化しようと思ったのが、わかるような気がします。
ブニュエル名物? のグロテスクな妄想、夢想シーン
お父さん兼旦那の切断された首が鐘の内側にぶら下がっている。
この光景を、ドヌーブが何度も夢に見る。
教会を挑発するかのようです。
2階の窓から召使に向けたドヌーブのある行動
首がぶら下がっている以上に恐ろしいかもしれない。
人間の内に秘めた怖さをえぐり出した、本当に怖い怖い映画でした。
ルイス・ブニュエル監督作品
ブルジョワジーの秘かな愉しみ(’72)
昼顔(’67)
忘れられた人々(’50)
※参考Wikipedia
“父親”だった男の呪縛 歪んだ愛に支配された女の悲劇---。
哀しみのトリスターナ(1970) 【ベスト・ライブラリー 1500円:第2弾】 [DVD]/フランコ・ネロ,カトリーヌ・ドヌーブ,フェルナンド・レイ
¥1,500
Amazon.co.jp