ブルジョワジーの秘かな愉しみ(’72)
監督は 『忘れられた人々』 『昼顔』 の、ルイス・ブニュエル
この人は変です。変な映画です。
あ、褒めてるんですよ(笑)
シュールリアリズムに満ち溢れてます。
昨日の、極貧北欧映画からは真逆の、フランスのブルジョア階級の人達のお話です。
食事をしたくとも必ず邪魔が入るという、何かのコントで見たことあるようなネタです。
食事の日取りを間違ったとか、レストランに行ったら主人が亡くなってたとか、
すごい細かいんですけど、カフェだかレストランで、紅茶も切らしてるコーヒーも切らしてる
「じゃあ水ください」って、ボーイに言うんですけど、ボーイが一瞬オーダー表に書こうとするんですよ。(下の画のシーン)
演出? アドリブ? 大笑いしてしまいました。
それと、食卓を囲んでいるところに上からカバが落ちてくる、という構想があったそうで、是非やっていただきたかった(笑)
夢と現実とが交差して、どっちがどっち? と、なるようなブニュエルお得意?の描き方です。
その中でも、ブルジョアたちがパーティーに招待されて、テーブルで待っていると、レストランの内装の壁が無くなり、
突然に彼らの食卓が大勢の観客の見守る舞台に早代わりしてしまい、観客の好奇の目にさらされるという
そして、思いっきり野次られるんですよ。
あと、死に間際の老人の懺悔を聞いた後の司教の行動。あれはキツイですね。
ブニュエルは教会を否定してるんでしたっけね。
あと、なかなかのグロさも見せており、幽霊も大活躍です(笑)
あ、こうやって書いていても、どれが現実の話か夢の話か、ごっちゃになってます。
そして、全員で意味もなく一本道を歩くという謎のシーン
あれは一体・・・・ ブルジョアのみなさん、当てもなく何処へ行こうとしてるのですか?
ということなのでしょうかね。
この方、『夜霧の恋人たち』 に出てた女性ですよね。デルフィーヌ・セイリグ
『夜霧の恋人たち』 では、思いっきり名前を間違えて載せてしまいました。
大変失礼しました。言い訳させてもらうと、Wiki自体、間違っていたんですけどね。
この人、素敵です。 こういうブルジョアなら許せる。
今作で、アカデミー賞外国語映画賞を受賞したのですが、ノミネートされた際、「オスカーがとれると思うか?」
という記者たちの質問に対して、ブニュエル監督は冗談のつもりで
「うん大丈夫。向こう様が言ってきた約束の金はちゃんと払ったからね」と答えた。
この発言が波紋を呼び、一大疑惑事件にまで発展した。騒ぎは無事収まったが、受賞後、ブニュエル監督は
「アメリカ人はちゃんと約束を守る人たちだよ」と答えた。
ここでも、夢と現実を交差させたのでしょうか(笑) いいですね、やんちゃ加減が。
ブニュエル監督、結構やらかしていて、50年間上映禁止の作品があったり、国辱映画を作ったとして
フランコ政権に指名手配されたり。
今、こういう監督いますかね?
いないですね。
アカデミー賞外国語映画賞受賞作
アカデミー賞受賞作
※参考 たまに間違うWikipedia
駐仏大使の家を舞台に、ブルジョワたちの虚飾をはぎとり、食欲と性欲中心の生態を生々しく描いた風刺コメディ
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