ペレ | Untitled




ペレ(’87)デンマーク国旗スウェーデン国旗


監督は、『マンデラの名もなき看守』 の、ビレ・アウグスト


舞台は、19世紀末の北欧。このころは、デンマークとスウェーデンは仲が悪く、領土の取り合いをしてており。

それが原因で、特にスウェーデンは、極度の貧困状態だったそう。

スウェーデン人の、ペレ君と年老いたお父さんが、少しでも豊かな生活を求めて

デンマーク領ボーンホルム島へやってきます。

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!-ペレ

農園の牛小屋係りとして雇われるが、低賃金での過酷な労働で、食事はニシンだけとか、

そして、よそ者ということで差別を受けてしまいます。

デンマーク人がスウェーデン人を毛嫌いするという歴史があったのが、まずショックでした。

ペレ君への、いじめというか虐待は、芝居とはいえ「トラウマ」になったんじゃないかと思うぐらいでした。

ペレ君にではないですけど残酷なシーンもいくつかあったり。

なのに、お父さんは頼りないんです。ガツンと言えないのです。

立場上、しょうがないと言えばしょうがないのですが、だんだん腹が立ってきました。

終いに、ペレ君の足を引っ張るようなこともするし。

農園の主人にペレ君のことで相談しに行くときも、あまり乗り気でないお父さんは、軽くノックしてすぐ

『留守だな』 

おいおいおい、腹が立つの通り越して笑ってしまった。

ただ、時を追うごとに老いて弱々しくなるお父さんを描くことで

たくましく成長していくペレ君を、より際立たせたのかもしれない。

そう考えたら、お父さん役のマックス・フォン・シドーさん、名演技です。

けなしておいて、褒めるなんて、私もずる賢くなりました(笑)

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!-ペレ

その、より際立ったペレ君、スウェーデンからやってきた時に比べて、明らかに顔つき変わってきました。

いい面構えです。

この映画の撮影を通して、ペレ君(実名だそうです)自身も成長したのではないでしょうか。

過酷な生活の中で、お父さんが 『羽根を抜かれて丸裸にされたニワトリのようだ』 と愚痴るんです。

確かに愚痴りたくなるような状況ですが、ペレ君は 『貧乏でも名誉は守る』 という言葉を実践するんです。

その手前で、あ~よかった。と思わせておいて、ペレ君、男です。


2時間30分という時間を感じさせなかったです。

ラストは、極寒の白い世界なのですが、そこに赤字のエンドロールなんです。

ちょっと、デンマークカラーを出してみたかったのでしょうかね。



カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞受賞作

→ カンヌ国際映画祭受賞作

アカデミー賞外国語映画賞受賞作

→ アカデミー賞受賞作




少年ペレと年老いた父との厳しい生活を通して、19世紀の北欧の現実を描いた一大叙事詩
ペレ [DVD]/マックス・フォン・シドウ

¥3,990
Amazon.co.jp