第2外国語への手引き(第3回:名詞の性2) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>

第2回 では、言語における「性」が文法上必須の項目ではないだろうという事を、他の要素「格変化」「人称変化」の「消失代替機能」との対比によって示しました。


今回は体験談に基づいた話をさせて頂きます。

何度か述べた事なのですが、私の場合は第2外国語がドイツ語、第3外国語がフランス語でした。

発音の面は別として、「格変化有り・3性」の言語のあとで「格変化無し・2性」の言語を学んだ訳ですから、その逆よりは「初級段階」として苦労は無かった様に思われるかもしれません。

事実、第2がフランス語で第3がドイツ語だった同級生が2人ほど文学部に居ましたが、彼らはドイツ語の格変化をすごく難しく捉えていた様でした。


しかし、大学1年生でドイツをを学び始め、それと並行して2年生からフランス語の授業を受け始めた時に苦しんだ事があります。それが、実は「男性名詞」「女性名詞」が独仏で必ずしも一致しない事でした。


ドイツ語の「太陽」は die Sonne(女性名詞)なのですが、フランス語で相当するun soleilは男性名詞!


この様な「どこの国にも有る様な概念を示す基本単語」で両言語に男女の食い違いが有ると知った時はさすがに驚きました。



一方、「フランス語」「イタリア語」「スペイン語」などのロマンス諸語同士では名詞の性はほぼ一致しています。(先日紹介した伊藤太吾先生の本 にも明記されていますし、大体想像のつく事です。)ですから、性の判別が語の終わりで読み取りやすい「イタリア語」「スペイン語」の単語(※本記事末に例を紹介)を覚えた上で判別しにくいフランス語に着手すると、そこからフランス語名詞の性別も容易に分かります

これは、「イタリア語」→「フランス語」や「スペイン語」→「フランス語」の有利な点であります。


しかしながら、大抵は全体的には文法が易しいフランス語を第2外国語とする場合が多いでしょう。そういった場合には、フランス語の名詞を覚える際には「性別も同時に覚える」方法が普通となります。

具体的には、

ドイツ語では定冠詞der(男性名詞),die(女性名詞),das(中性名詞)を付けて覚えるのと同様に、

<例>der Mann, die Frau, das Kind

フランス語では不定冠詞un(男性名詞),une(女性名詞)を付けて覚える、

<例>un magasin, une machine

という様に勉強してゆくのです。


ドイツ語・フランス語とも、「この語尾なら女性名詞」などという整理が出来る場合はあります。それでもどうやら「王道」と言える程ではありません。

こつこつと覚えていき、ある程度の段階になって整理をする。これが、結局は近道の様です。


(※上の例、イタリア語ではそれぞれ<magazzino, macchina>と-o, -aで男女が判別可能。一方、フランス語では語の終わりでの性判別は出来ません。)