第2外国語への手引き(第4回:言語のリズム) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

・歴史旅行記や言葉(日本語・フランス語・ドイツ語など)へのこだわりや検定・歴史散策などの実践録を書き綴ろうと考えています!    
                      
<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>

NHK語学講座では、「EURO24」なる新シリーズが始動。

イタリア語(月深夜・・・正確には火曜未明、以下同様),ドイツ語(火深夜),フランス語(水深夜),スペイン語(木深夜)で、同一週に同一のフレーズを提示し、各言語での比較を行います。


・・・別にNHKの回し者ではありません!本題に戻します。


先週放送分('10/4/15,16)のスペイン語講座(「テレビでスペイン語」)の事でした。

ナビゲーターは女優の片瀬那奈さんです。いつも番組の進行に気遣われ、真摯で一所懸命な姿勢で取り組んでいらっしゃるので、毎回拝見するのがとても楽しみです。

・・・いえ、私情は置いておきまして、片瀬さんが例文の

?Tiene lavadora? (洗濯機は有りますか?)をこう発音されます:
「ティエーネ ラバドーラ?」


ところが、パートナー(外国人講師)のマリアさんとフリオさんは

「ラ・バ・・ラ!」と言いなおされました。何が悪かったのでしょうか?


スペイン語のアクセントの話は拙稿(第2外国語のススメ4,'10/3/25) でも述べさせて頂きました。この単語ではもちろん「ド」にアクセントが有る訳で、それは間違いではないのですが、実は少し補足が必要かもしれません。


日本音響学会誌最新号の解説[文献(1)]によれば、スペイン語・イタリア語などのロマンス語英語・ドイツ語などのゲルマン語の間にはリズムに明白な差異が存在すると言います。

前者は等間隔音節の「音節基準言語」・・・強勢(アクセント)の箇所は余り長くはならない。

後者は変間隔音節の「強勢基準言語」・・・強勢(アクセント)の箇所は長く強調される。


やはり私たち日本人は英語に毒されているせいか、外国語においてアクセントの有る場所をやたら長く強調しがち(即ち、変間隔音節のまねをしがち)です。


rの前などでアクセントが有る場合では母音が多少長くなるみたいですが、スペイン語・イタリア語などではなるべく音節は等間隔に。なかなか匙加減が難しいですね。


参考文献:

(1)大串健吾「言語のリズムと音楽のリズム」,日本音響学会誌Vol.66,No.4(2010),pp.155-156.