【事例】私のコンサル力10(情報通信機器編) | PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~

【事例】私のコンサル力10(情報通信機器編)



情報通信機器

2007/9/28に私が講師となって開催したセミナーは大変好評でした。好評だったのは、参加者が希望すればその参加企業のPRアイデイアを蓮香流に解決してあげます、という個別相談をさせてもらったからです。結果、参加企業30社の内、半数に当たる15社をはすか流PRで提案してみました。以下の事例集がそれです。はじめに参加者の課題・現況を10項目程度、箇条書きに書いたものを提出していただいて、私がそれをみてPR回答したものです。立案の途中、一切の質問はしませんでしたので、ひよっとしたら私の理解が間違っているころがあったかもしれません。このように私の特技はクライアントと直接お逢いして詳細なオリエンテーションを受けなくても、課題・現況さえみれぱ、解決のためのPR回答を創造することができます。30年以上の経験がなければ達成できないスキルだと自負しております。


●[課題・現況]----情報通信機器メーカー


[01] 1975年創業のNECグループの開発会社。もともと通信分野(PBX、無線など)を主に担当していた。現在は事業領域を拡大しNECグループからの受託事業はケータイのハードウェア開発から宇宙関係の機器の開発まで幅広い。BtoB企業。


[02]NECグループでこれだけ幅広い分野を担当している会社は他にはない。逆に言うとかなりニッチな領域の仕事が多い。コンピュータ領域と通信領域の技術との融合領域が得意領域である。

[03]ここ数年、自主事業(NECグループ以外からの仕事)も増えた。現在ではNECグループからの受託事業と自主事業の比率は半々である。自主事業は画像処理・音声処理・無線関連のソリューションが多い。最近特に力を入れている事業は「ワイヤレス&センシング」によるソリューションである。


[04]自主事業は伸長している一方、派手な宣伝活動はあまりせず、広報、業界紙への広告、展示会、Webからの誘導を中心に販促活動を行っている。広報発表の案件は平均すると月1回のペース。また、展示会への出展を商談の場とすべく、かなり積極的に行っている。


[05]自主事業についての多くは、ビジネス発想をNECの中央研究所で行っている。したがって、自主事業を一から自分たちで立ち上げるノウハウがほとんど無いことが弱点であり、同時に社内にイノベーティブな風土が弱いことが課題である。

[06]海外には拠点がなく、ビジネスは国内向けのみと言っても過言ではない。


[07]自主事業に関しては元々一緒に事業をやってきた背景からNECグループで重複する事業もあり、その棲み分けが難しい状態にある。


[08]当社はNECグループの中でも幅広い分野を担当しているため、仕掛け次第ではかなりのシナジー効果があがる会社ではあるが、先述したビジネス発想が苦手であり、また長年事業部ごとに個別な活動をしてきたため事業部を横断した活動が苦手であり、事業のシナジー効果があがるまでには課題が山積している。


[09]以上のような背景からまずは社内の組織風土を改革する意味で、昨年度よりCI策定を行ってきた。そして今年度に入り「ポリバレンス(※)理念」という言葉を掲げ、社員同士が接近し、散らばった技術が接近し、新しい事業が生まれるよう社内の風土改革・意識改革を目指している。※ポリバレンス:多様な原子価の意。サッカーのオシム監督も「一人の選手が様々な役割をこなす」という意味で使用。


[10]今後はまず社員へ「ポリバレンス理念」の本質を理解してもらい、社内のモチベーション活性化をさせていきたい。


●(現況から)私のPR回答


A】 社内組織風土を改革する横断的組織「ポリバレンス改革推進委員会」
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社内改革は今の時代、トップや人事部の「上意下達」号令では無理。中堅幹部自らが立ち上がり、問題点の把握と各部門間の調整などの根本部分の設計を構築するため、各部門から改革のための委員を選出、検討機関を設置、おおよそのアウトラインができたら、人事やトップの判断にゆだね、正式な組織編成と待つといったやり方が懸命。そして、いったん発足したら、先遣隊を立ち上げ、他社の成功例を入手するなど委員会の活動がうまく回るように「各種データ」を収集しておく。この「ポリバレンス推進委員会」の最大の課題はどこの組織に組み込むかということ。すなわち経営企画部の下にぶら下がるのか、営業本部に入れるのか、それとも社長室なのか。本当はどこにも所属せず、社長直轄でいくべき。入社10年クラスの35歳前後の若手を委員に据え、広い展望と

斬新な考え方をもった人材に積極運営させていくのが成功のポイント。


【B】受託事業や自主事業で成功を収めた事例集サイト「NEC成功事例集」
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取引先クライアントの承認を得なければならないが、受注経緯と納入事例を公開できる範囲でサイト提示できれば社会的に有意義な知財活用サイトになるものと思います。社名やシステム名は出さずにWeb公開してもよい。ビジネス構成上、BtoBスタイルなわけですから、業種、案件名、ソリューション事例などいくつかの項目でクロス検索できるようにデータベース方式にすべき。発注者や開発者の声ももちろん、納入後の稼動状況についてのレポートも記載する。ここではNEC側の視点にたっているが、結果的には納入先企業の側にも「問い合わせ」「見学」「見積り依頼」「訪問」「商談」がいくような、ビジュアルなシステム設計が必要。要するに、ユーザー側の視点で「事例集」を構築すべきと思います。複数の問い合わせがあるならば別途「セミナー」形式でプレゼンテーション会を開催するのも効率的で有効的な営業スタイルなのでは。広告原稿やチラシ、パンフレットなどの告知ツールも載せることも重要。

【C】通信とITの融合した分野の専門家「CITコンシェルジュ」の設置
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通信領域とコンピュータ領域の技術との融合領域を得意領域とするNECエン

ジニアリング。この2つの領域に詳しい専門家を「CITコンシェルジュ」(略称:シットコンシェルジュ)と呼び、この呼び名を普及、一般化させる。これからますますニーズが増えてくるであろう、通信とITの融合分野の技術者、彼らに代わってその内容を第三者に伝える、いわば水先案内人的な技能、知識をもった人たちである。この人材の育成がこれからの情報通信業界には急務。まず社内で立ち上げある一定の技能・知識が認められたならば「認定証」を授与。この方式で社内はもとより、社外にも増やしていく。将来、「資格制度」にまで発展していくかどうかはさておき、通信とITの分野のビジネス商談だったら、「CITコンシェルジュ」のいる会社へ、といったテーマで関係各界に呼びかけていく。ITCといえばITコーディネータを指すようなので、あえて通信CommunicationのCを前にもってきて、ITとを組み合わせした「CITコンシェルジュ」にした。

【D】BtoBビジネスと支援を考える「BtoBサポート研究会」の立ち上げ
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BtoB型ビジネスモデルを総合的に研究する会合。BtoBの成功事例を中心に、BtoBの現状と課題を考える。参加者はIT系企業の担当者で、ITソリューションプロバイダー、技術情報システムの運用管理に携わる方、購買システムの運用管理に携わる方、システムの企画開発者、SE営業職などで構成する。ネットではこの種の研究会、勉強会が多数あり、いずれも「顧客囲い込み」を狙った企画と想定される。しかし、実際のビジネス取引はまた別の要素がからむので、研究会では売りを意識せず、あくまでも研究開発や相互啓発、親睦交流などに重点をおいたエンタメ的運営をすべきであろう。ネット検索したら、「BtoB研究会ワークショップ」があったので、「BtoBサポート研究会」という会合名に。BtoBのビジネスモデル事例として、以下の有名サイトがある。「プロトレード」「エヌシーネットワーク」「いい仕事ドットコム」「おさがしドットコム」「鬼に金棒ネット」「いい購買ドットコム」「木建市場」「剛材ドットコム」「栽培ねっと」など。


【E】無線通信の技術者の連絡組織「日本ワイヤレスセンシング連絡協議会」
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成長性著しい無線通信技術ですが、この分野でも技術、営業の2つの領域においてトップとなるよう、業界に率先して横断的ネットワークの会合をつくり、先端技術の研究に情熱を注ぐ。IT業界に携わる、まざまな技術者が一同に会することで親交と技術の双方の交流と開発発展、なかんづく人材(専門家)の育成が狙い。同業他社からスパイ的参加者も考えられるが、そういう張り詰めた雰囲気のほうがかえってよい。何よりこの種の研究会をいちはやく立ち上げ、開発環境をオープンにする姿勢を示すことに社会的意義がある。参加すればライバル社の組織、人数、技術、予算などがみえてくるはず。競争社会にあっても常にイニシアティブをとる勇気が大事で、そういった先駆者的行動が業界を飛躍的に発展させる。


●感想文


まずお伝えしたいのは、まさか当社のように非常に特色が出しづらい職種の会社で、ここまで様々なアイデアを出していただけるとは、という点です。

今まで新製品以外のリリースを出したいと考えつつも、なかなかアイデアが思いつかず滞ってしまっていたのですが、はすか様から「中小企業の快適オフィス学を研究する快適オフィス研究所の設置」案や「『業績アップする!オフィス環境術』というビジネス書の制作・発行」案などこれまで考えつかなかった案をいただき、案だけでなく新たなアイデアのタネも教えていただいたと思います。

正直なところを申し上げると、アイデアの中には採用が難しい案もあったのですが、新製品以外のリリースを出していくには、こうして自由にいろいろと考えていくことが大切なのだということを、勉強させていただきました。特に「女性に優しいオフィス環境プロジェクト「おんな未来オフィス隊」の設置」という案は、女性社員だけで構成された専門チームを作り、託児所の設置など色・デザインよりも機能面を充実させた女性仕様のオフィス環境にするという内容でしたが、逆に当社自身が自社の女性社員に対してここまでできているのかと考えさせられ、リリース案だけでなく経営に対する提言をいただいた想いです。今回、いただいた発想法をもとに、より社会に貢献できるリリースを配信していきたいと思います。ありがとうございました。

[このコラムの執筆履歴]


●私のコンサル力1(人材派遣業編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12049408602.html

●私のコンサル力2(99円シヨップ業編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12049520373.html

●私のコンサル力3(Tシャツ販売業編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12049937064.html

●私のコンサル力4(女性向けフィギュア業編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12050224165.html

●私のコンサル力5(接客業向け人材派遣業編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12050560616.html

●私のコンサル力6(和風居酒屋編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12051175875.html

●私のコンサル力7(時計メーカー編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12051656118.html  

●私のコンサル力8(車の板金修理業編)
http:// ameblo.jp/pridea/entry-12051937547.html

●私のコンサル力9(パジャマのネット通販編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12052255402.html